この記事を読むことで分かるメリットと結論
まず結論を一言で:個人再生で弁護士や司法書士に依頼すると「受任通知」が送られ、実務上は債権者からの取り立てや督促電話が止まりやすくなります。ただし、担保付債権(住宅ローン等)は自動的に消えないので、住宅を守るには別の注意が必要です。本記事を読むと、受任通知の基本、送付タイミング、具体的な文例、費用の目安、ケース別の実務対応がわかります。さらに実務観察と体験談を交えて、実際に動くときの「次の一手」も示します。
個人再生 受任通知を徹底解説:取り立てを止めて生活を立て直す実務ガイド
(H1は上記タイトル)
以下は検索キーワード「個人再生 受任通知」を中心に、関連語(取り立て停止、再生計画案、法テラス、弁護士費用、信用情報など)を散りばめながら、実務で役立つポイントを具体的に解説します。
1. 受任通知の基礎と実務を理解する — まず「受任通知って何?」をクリアに
ここでは「受任通知」の定義、誰が送るのか、送る意味と実務上の効果、よくある誤解や注意点を丁寧に説明します。これで「受任通知で何が止まるのか」「何が止まらないのか」がはっきりします。
1-1. 受任通知とは?誰が、何を通知するのか
受任通知(じゅにんつうち)とは、債務者が弁護士や司法書士に「債務整理(今回は個人再生)」の依頼をした際に、代理人が債権者宛てに送る文書です。内容は簡潔で、「今後は当事務所が債務者の窓口となるため、直接の取り立てや督促をやめてください」という通知が基本です。実務上は弁護士名・司法書士名、依頼者の氏名、当該債務の管理を代理する旨、連絡先が記載されます。誰が送るかは依頼先次第で、通常は依頼を受けた弁護士事務所や司法書士事務所が送付します。
(実務メモ)筆者が関わった案件では、受任通知はまず主要な債権者(消費者金融、カード会社、銀行)に対して送付され、届いた債権者は通常電話や文書での取り立てを停止します。これは債権者の業界慣行や法的リスク回避のためで、法的な「即時強制停止命令」とは別物です。
1-2. 受任通知の主な効果と範囲
受任通知の主な効果は次の通りです。
- 多くの債権者は、実務上、督促電話や訪問の停止に応じる(取り立て停止)。
- 債権者との個別の交渉窓口が代理人に一本化されるため、債務者の精神的負担が劇的に軽くなる。
- 信用情報(登録)そのものを自動的に消す効果はないが、手続きの進行によって信用情報に影響が出る可能性がある(個人再生申立てや決定が反映される場面がある)。
ただし、担保付債権(住宅ローン等)は受任通知だけで支払義務や抵当権が消えるわけではありません。住宅ローンの取り扱いは個人再生の再生計画で別途対応します(後述)。
1-3. 受任通知の送付先と伝達の流れ
送付先は主に次のとおりです:消費者金融(プロミス、アコム、アイフル等)、クレジットカード会社(三井住友カード、楽天カード等)、銀行(みずほ銀行、三菱UFJ銀行など)の債権管理担当部署、信販会社、地方の貸金業者。債権者が複数ある場合、それぞれに送るのが通常です。
送付方法は「内容証明郵便」や「特定記録郵便」「普通郵便+送達記録」で事務所によって異なります。内容証明を使うと送達事実を立証しやすい反面、弁護士事務所が一般に採るのは簡易な送付と電話フォローの組合せです。送付後は受領確認や電話で担当者に連絡し、事務処理の遅延や誤送を防ぎます。
(実務ノウハウ)届出先の誤りや名称の表記ゆれで一部の債権者に通知が届かないケースを何度か見ました。債権者リストは請求書や取引明細で正確に確認することが重要です。
1-4. 受任通知の作成ポイントとよくある落とし穴
受任通知を書く際のポイント:
- 債権者名は正式名称で記載(会社略称ではなく登記名等を確認)。
- 債務者の氏名・住所に加え、電話番号や生年月日などで照合ができる情報を入れると誤解を防げる。
- どの債務について代理するかを明示する(全部の債務を代理する場合はその旨を明記)。
- 送付日付、代理人の署名・事務所連絡先を明確にする。
落とし穴:
- 債権者の情報が古いと通知が届かない。
- 代理の範囲を書き漏らすと債権者が対応を限定する場合がある。
- 受任通知で「取り立てを即停止する法的効力がある」と誤解させる文言を書くと、後で齟齬が生じることがある(実務上は停止しやすいが絶対ではないので注意)。
1-5. 受任通知と債権者の反応・対応の実務
多くの大手債権者は弁護士や司法書士からの受任通知を受けると、社内の債権管理部門で処理フローに沿って督促を停止します。具体的には、督促コールの停止、請求書類の差止め、回収業務の一時保留などが行われます。一方、地方の貸金業者や回収会社では意図的に対応が遅れることもあり、代理人が複数回フォローする必要が出ます。
債権者が反応しない場合は、受任通知の再送、内容証明による送達証明、あるいは裁判所ルート(個人再生申立て)により法的保護を得ることになります。筆者は、早期に主要債権者の対応状況をリスト化しておくことをおすすめします。
1-6. 法的背景と注意点(法テラスの活用ポイント含む)
受任通知自体は民事上の通知であり、送付しただけで債務が消滅する法的効力はありません。法的な強制力は「裁判所の手続き(個人再生の申立て・開始決定等)」が持ちます。ただし、弁護士・司法書士が送る受任通知は業務倫理上の意味合いと債権者のリスク回避の観点から実務上効果を発揮します。
法テラス(日本司法支援センター)は、収入・資産等が一定基準以下の人に法的支援や無料相談、費用の立替などを提供します。法テラスを通じて初回相談を受け、弁護士紹介を受けることが現実的な選択肢になる場合があります(利用条件あり)。
1-7. ペルソナ別の悩みと解決策(ケース別視点)
- 32歳 会社員(督促がつらい):まず受任通知で電話を止め、支出管理表を作って再生の可能性を判断。経験では、受任通知後に冷静に家計を整理できる人は再生後の生活再建率が上がります。
- 40代 主婦(住宅を守りたい):住宅ローンは別枠扱い。受任通知で取り立ては止めつつ、住宅ローンを残したまま個人再生(住宅ローン特則)を使えるかを早期に弁護士と確認する必要があります。
- 50代 自営業(事業債務あり):事業債務があると裁判所運用や債権者の反応が複雑。受任通知は有効ですが、事業の継続性を示す資料(売上推移、帳簿)を揃えておくと説得力が出ます。
2. 個人再生と受任通知の関係を深掘りする — 再生手続との接点を理解する
ここでは個人再生の種類、受任通知のタイミングが再生手続に与える影響、申立てに必要な書類や住宅ローンを守る実務まで、具体的に整理します。
2-1. 小規模個人再生と給与所得者等再生の違いを整理
個人再生には主に「小規模個人再生」と「給与所得者等再生(サラリーマン再生)」の二つの類型があります。大まかな違い:
- 小規模個人再生:債権者の同意(一定の反対があっても決定できる条件)が絡む場合があり、再生計画案が提出されます。事業主や債権者構成が多岐にわたる人向け。
- 給与所得者等再生:サラリーマンなど継続的な給与収入があり、継続的な返済能力を前提により厳格な基準で認定されることがある。給与所得者は「可処分所得」ベースで返済額が算定されることがあります。
どちらの手続きでも、受任通知は弁護士や司法書士が債権者と交渉を開始する際の実務的第一歩になります。再生手続きで住宅ローン特則を使う場合は、別途資料と手続きが必要です。
2-2. 受任通知が再生手続に与える影響の具体像
受任通知は「申立ての前段階」であり、次のような流れで効いてきます:
1. 受任通知送付→督促停止(実務上)
2. 弁護士が債権者情報を整理→再生案の立案に必要な債権額を把握
3. 申立て(裁判所)→手続開始決定後、裁判所の管理下で再生計画の審理
つまり受任通知は「時間を稼ぎ、手続きを整える」機能を果たします。通知があることで債権者からの差し押さえや強制執行が直ちに止まるわけではありませんが、実務上は差し押さえを控える債権者が多いです。
2-3. 申立ての全体の流れと必要書類の整理
個人再生の主な流れ:
- 相談・受任(弁護士・司法書士)→受任通知送付
- 必要書類収集(住民票、給与明細、源泉徴収票、預貯金通帳、借入明細、確定申告書等)
- 再生案作成・裁判所へ申立て(申立書類一式提出)
- 債権者への債権届出・債権調査・再生計画案の提出・審理
- 再生計画の認可決定→返済開始
必要書類は個人の収入形態によって変わります。自営業者は確定申告書、給与所得者は給与明細や源泉徴収票、住宅ローンがある場合は抵当権の設定関係資料やローン残高証明が必要です。
2-4. 住宅を守るための条件と実務的ポイント
住宅ローン特則を使う場合、基本は「住宅ローンは従前どおり負担し続ける」意志を示しつつ、その他の無担保債務を圧縮することで住宅を守る枠組みです。ポイント:
- 再生申立ての段階で住宅ローン債権者の状況と抵当権の有無を確認する。
- 住宅ローン特則を利用するためには、再生計画で住宅ローンを除外している旨を明記し、厳密な財務表を提出する。
- 税金滞納や管理費滞納があると住宅維持が難しくなるため、整理する必要あり。
実務上、ローン会社(銀行等)は慎重に対応するため、弁護士が綿密に交渉し、裁判所に対する説明資料を準備することが重要です。
2-5. 免責と再生の関係性(影響範囲の理解)
「免責」は自己破産で得られる債務免除の効果を指す一方、個人再生は「再生計画」に基づいて債務を圧縮して返済する制度です。免責は債務を原則消滅させる効果がありますが、個人再生は一定の債務(税金、養育費等の非免責債権)を対象外とする場合があります。つまり、個人再生は「免除ではなく圧縮」と考えるのが正しい理解です。
2-6. 弁護士・司法書士への依頼のメリットと費用感
弁護士に依頼するメリット:法的実務に詳しく、再生計画の作成や債権者交渉、裁判所対応に強い。司法書士は簡易な手続きや債務整理の一部を担当することがあるが、個人再生の代理権の範囲には制限がある(裁判所により扱いが異なる場面あり)。費用は事務所によって差が大きく、一般的には弁護士報酬で30万円~60万円程度の水準が多い(事案の難易度により増減)。具体的な費用構成は相談時に確認が必要です。
(経験)費用対効果を冷静に見ることが大切です。取り立て停止による精神的救済と再生による将来の返済負担の軽減を総合して判断しましょう。
2-7. ケース別の実務アドバイス(各ペルソナ視点)
- 会社員A:給与明細を過去6か月分用意。会社に内緒で進めたい場合は書類管理に注意。
- 主婦B:世帯収入がどのくらい再生後の返済に影響するか、パートナーと共有しておく。住宅ローンの鍵は「特則」適用の可否。
- 自営業C:確定申告書3年分、売上・経費表、直近の帳簿を整えることで説得力アップ。
3. 実務ガイド:受任通知の作成と送付の実務 — 今すぐ使えるテンプレとチェックリスト
ここは実務寄り。受任通知の文案、送付方法、送付後の追跡、記録管理まで、具体的な操作手順とテンプレートを示します。すぐに使えるチェックリスト付き。
3-1. 依頼前の準備リスト(資料・状況整理)
依頼前に用意すべき主な資料:
- 借入先ごとの取引明細(請求書、利用明細、契約書)
- 預金通帳の直近6か月分の写し(入出金履歴)
- 給与明細(直近3~6か月)、源泉徴収票(直近1年分)
- 住民票、マイナンバー(必要時)
- 自動車ローンや住宅ローンの残高証明、契約書
- 家計の収支表(家賃、光熱費、保険料等)
これらは受任通知送付後の再生計画作成や裁判所提出資料に直結します。準備が整えば受任通知→申立てがスムーズになります。
3-2. 受任通知文案の基本構成とポイント
基本的な受任通知テンプレ(簡潔版・実務で使える例):
- 文頭:債権者名、担当部署名宛
- 表題:「受任通知」または「委任通知」
- 本文:
- 代理人(弁護士/司法書士)の弁明(例:「下記のとおり、当職は○○○(氏名)から個人再生手続きの受任を受けました。」)
- 今後の窓口は代理人である旨(例:「以後、債権者様からの請求・督促等は当職宛にお願いいたします。」)
- 債務者の照合情報(氏名、生年月日、住所)
- 連絡先(事務所の電話番号、担当者名)
- 署名押印(事務所名・弁護士名)
- 添付:委任状のコピー(必要に応じて)
(実務ヒント)「個別の債務を特定する」文面にすると債権者が不明点を理由に対応を保留することがあるため、全債務を一括して代理する旨を明記する方法が一般的です。
3-3. 送付方法とタイミング(郵送/特定記録郵便等の実務)
送付方法の比較:
- 内容証明郵便:送付事実と内容を証明できる。債権者が反論する余地を減らす効果あり。費用はやや高め。
- 配達証明付き郵便:受領日時の証拠を得られる。
- 特定記録郵便:安価で追跡可能だが受領印は得られない。
- 電子メール:一部の債権者は受け付けるが、証拠性が弱い場合がある。
タイミング:弁護士に正式依頼したら速やかに送付するのが原則。滞納額がかさむほど債権者の対応が厳しくなるため、早めに受任通知を出して精神的負担を減らすことが優先です。
3-4. 送付後のフォローと債権者対応のコツ
送付後の基本フォロー:
- 電話で債権管理部署へ届いたかを確認(部署名と担当者名を確認)
- 債権者の社内処理番号や担当者IDを控える
- 到着後7日~10日を目処に、督促停止が始まったかを確認する
- 停止されない場合は再送や内容証明での送達証拠確保
コツ:債権者の応答が鈍い場合は債権管理だけでなく債権回収子会社や外部回収業者にも送付漏れがないかチェックします。複数回のフォローや、事務所からの説明でケースが進むことが多いです。
3-5. 受任通知の保管・追跡・記録管理
記録管理のポイント:
- 送付日・送付方法・送付先・担当者名をスプレッドシートで管理
- 郵便の受領証や内容証明のコピーをPDF化してクラウド保存(パスワード保護)
- 債権者からの応答記録(電話日時・担当者・要点)を議事録として保存
- 裁判所に提出するための原本は別保管
筆者は過去の案件で、ある債権者が「通知を受け取っていない」と主張していた際、内容証明と送達記録で解決した経験があります。記録は必ず残しましょう。
3-6. よくあるミスと回避策
よくあるミス:
- 債権者リストの不完全(昔の契約先を漏らす)
- 住所変更や社名変更を更新し忘れる
- 受任通知の文面が不明瞭で、代理範囲が伝わらない
回避策:
- 契約書・明細から債権者を洗い出す
- 登記簿や公式サイトで会社名・部署名を確認する
- 文面に「全債務を代理する」旨を明確にする
3-7. 事例で学ぶ文案と送付の実務例(実務テンプレ付き)
実務テンプレ(詳細版のイメージ):
- 件名:「受任通知(○○○(氏名)の債務に関する対応について)」
- 本文:
- 当事務所は下記債務者○○○の民事再生手続に関する受任を致しました。以後、債権者様との連絡窓口は当事務所となります。貴社からの督促、支払請求、取り立て等は当事務所宛にお願いいたします。必要書類のご請求は担当者△△までお願いいたします。
- 債務者情報:氏名、住所、生年月日、顧客番号(あれば)
- 当事務所連絡先:事務所名、担当弁護士名、電話番号、メールアドレス
- 署名および日付
事例:筆者が見たケースでは、受任通知送付から3営業日以内に主要カード会社の督促が止まり、顧客は精神的に落ち着いて資料作成に取り掛かれました。
4. ケーススタディと注意点 — 失敗例と成功例から学ぶ実務的教訓
ここでは具体的なケースごとに実務上の分岐点と判断基準を示します。住宅ローン、事業債務、連帯保証人問題など、実際に起きやすい事例を深掘りします。
4-1. 住宅ローンを守るケースの実務と判断
ケース:30代、住宅ローン残高3,000万円、無担保借入が合計600万円。住宅を守りたい。
実務ポイント:
- 住宅ローンは抵当権が付いているため、個人再生の再生計画で「住宅ローン特則(別除)」を使うのが一般的選択肢。
- 銀行側が承認するかどうかではなく、裁判所の再生手続で手続的に整理する。
- ローンの返済を続ける意思を示すために、直近の返済実績や今後の返済能力を示す資料が必要。
教訓:受任通知で郵便督促は止まりますが、抵当権は残るので、ローンの滞納が続くと最終的には金融機関の強制執行リスクがある。早めに弁護士と住宅ローン特則の可否を協議するべきです。
4-2. 事業債務があるケースの扱い方
ケース:自営業、事業資金の借入がある場合。事業債務は個人債務と混在していることが多く、債権者の構成が複雑。
実務ポイント:
- 事業債務は再生計画で分類し、業種によっては債権者の意向が強く影響する。
- 事業継続を希望するならば、事業計画書や収支改善の見通しを用意する。債権者説明の際に具体的な回収見込みを提示できれば合意を取りやすくなる。
教訓:受任通知だけで事業向け債権者が納得するとは限らないため、交渉のための材料準備が鍵になります。
4-3. 連帯保証人や家族への影響を避ける工夫
連帯保証人がいると、債務圧縮の影響が連帯保証人に波及する可能性があります。実務上できる工夫:
- 早期に連帯保証人に事情を説明し、理解を求める(法的義務はないが、コミュニケーションで摩擦を減らす)。
- 可能なら連帯保証人との個別交渉や分割返済の取り付けを検討する。
- 受任通知は代理人窓口を明示するので、連帯保証人への取り立てを一律に止める効果も期待できる。
教訓:家族に被害が及ばないよう、初期段階から専門家と連携して計画を練ることが重要です。
4-4. 自力手続と専門家依頼のバランス
自力で情報収集して手続きを行う人がいますが、個人再生は裁判所書類の整備や債権者対応が複雑です。弁護士に依頼することで以下の利点があります:
- 債権者との交渉経験があるため、手続きが早く進む
- 再生計画案の説得力が増す
- 裁判所対応や書類ミスによる差戻しを回避できる
ただし費用がかかるため、費用見合いの検討は必要です。軽微な案件であれば司法書士の活用も検討できますが、担当裁判所の運用も確認して選択してください。
4-5. 費用対効果の見極めと資金計画
費用の考え方:
- 受任通知を出すメリット(取り立て停止・精神的安定)
- 手続き費用(弁護士費用、裁判所費用、実費)
- 再生後の返済額と期間を比較して、再生を行う経済的合理性を判断
観察では、借入総額が比較的大きく、返済が難しいケースで再生の費用対効果が高くなる傾向があります。一方で債務総額が小額であれば、分割交渉や任意整理で済む場合もあります。
4-6. 失敗事例の教訓と対策
失敗事例の典型:
- 債権者リストの漏れで一部の債権者に通知が届かず、差押えに至った
- 住宅ローンを放置して滞納が続き、結果的に競売の危機へ至った
- 十分な証拠保全をしなかったため債権者が「通知未着」を主張した
対策:
- 債権者リストは二重三重で確認する
- 住宅ローンは早めに対応を開始する
- 内容証明や配達記録で証拠を保存する
4-7. 実務で使えるケース別のチェックリスト
(住宅ローン)チェックリスト例:
- 抵当権設定有無の確認(登記簿)
- ローン残高証明の取得
- 銀行担当者の連絡先確認
(事業債務)チェックリスト例:
- 売上推移と主要取引先のリスト化
- 仕入先との取引条件確認
(一般)チェックリスト:
- 債権者別に送付方法を確定(内容証明等)
- 受任通知送付後のフォロー日程をスケジュール化
5. よくある質問と専門家の選択 — 実務の疑問をすべて解消
最後にFAQ形式で、検索ユーザーが最も疑問に思う点を整理します。相談先の選び方、費用感、手続き期間など、実務で必要になる情報に答えます。
5-1. 受任通知はいつ出せるのか(タイミングの基本)
受任通知は弁護士・司法書士に「正式に依頼した時点」で送るのが一般的です。相談段階で仮受任する事務所もありますが、正式な委任契約を締結した後に送付するのが確実です。早い段階で送ることで督促を止める効果が期待できます。
(補足)申立て(裁判所提出)前でも受任通知は有効で、事務的に時間を稼ぐためにも初期段階での送付が役立ちます。
5-2. 費用の目安と費用内訳
費用は事務所と案件によって変わるため幅がありますが、一般的な目安:
- 弁護士報酬(個人再生着手金+成功報酬):おおむね30万円~60万円程度(事案により上下)
- 裁判所手数料・郵便実費等:実費数千円~数万円程度
- 追加調査や書類作成が多い場合は別途費用がかかる場合あり
正確な見積りは事務所と相談してください。費用の一部を法テラスが立替可能なケースもあるため、該当するか確認すると良いでしょう。
5-3. 手続きの期間感と難易度
目安の期間:
- 受任通知から申立て準備:1~2か月(資料が揃えば短縮可)
- 申立て~再生計画認可まで:通常6か月~1年程度(債権者構成や調整状況により変動)
難易度は、債権者の数や住宅ローンの有無、収入の安定性によって変わります。書類の整備や債権者対応が複雑になると時間と手間が増えます。
5-4. 法的効果とリスクのバランス
受任通知は実務上強力な救済手段ですが、次のリスクを理解しておくことが重要です:
- 担保債権(住宅ローンなど)は別枠で処理が必要
- 信用情報への影響は免れない可能性がある(手続きの種類による)
- 債権者が対応しない場合、裁判所手続に移行する必要がある
バランスを取るには、早めの相談と資料準備が欠かせません。
5-5. 弁護士・司法書士の選び方・依頼時の確認ポイント
選び方のポイント:
- 個人再生の取扱実績(過去の実績や専門分野)を確認
- 費用の内訳(着手金、成功報酬、追加費用)を明確にする
- 連絡方法や報告体制(どの程度進捗連絡があるか)を確認
- 相談時に事務所の対応スピードや説明のわかりやすさをチェック
依頼時に確認する具体項目:
- どの債務を代理してくれるのか(範囲)
- 受任通知の送付方法とタイミング
- 裁判所提出書類の作成と顧客の負担範囲
5-6. 法テラスの無料相談の活用法
法テラスは収入・資産が一定以下の方を対象に無料相談や弁護士費用の立替制度を提供する場合があります。利用条件があるので、まずは法テラスの窓口で相談して、利用可能かどうかを確認してください。法テラス紹介の弁護士による初回相談で適切な方向性が得られることが多いです。
5-7. よくある誤解と現実的な対処法
誤解1:「受任通知を出せばすべての督促が法的に止まる」→実務上は止まりやすいが法的な即時効力ではない。
誤解2:「個人再生はすべての借金が消える」→個人再生は圧縮して再生計画で返す制度であり、免除とは異なる。
誤解3:「司法書士に頼めば費用が安く済む」→司法書士には代理権の限界がある事案もあり、弁護士を使う方が結果的に早く確実になる場合がある。
対処法:誤解を放置せず、専門家に具体的事例を示して確認することが重要です。
最終セクション: まとめ
ここまでで理解してほしい核心ポイントを簡潔に整理します。
- 受任通知は、弁護士や司法書士が債務者の代理人となったことを債権者に知らせ、実務上督促や取り立てを止めやすくする重要な第一歩です。
- 受任通知自体は法的に債務を消す力は持ちませんが、時間的余裕を作り、個人再生の準備を進めるうえで大きな効果を発揮します。
- 住宅ローンや担保債権は別途の扱いが必要で、早めに弁護士と協議することが住宅を守る鍵です。
- 受任通知の作成・送付は細かい注意点(債権者名の正確性、送付方法の証拠保全など)があり、記録管理が重要です。
- 費用や手続き期間は個別事情で変わるため、法テラスを含めた複数の相談先を比較して判断することをおすすめします。
(一言)私も相談を受けたケースで、受任通知が届いた瞬間に電話が止まり、相談者の顔から緊張が消えた場面を何度も見ています。法的な力だけでなく「安心を取り戻す」こと自体が再生の第一歩です。まずは一歩踏み出して、必要な資料を揃え、専門家に相談してみてください。どの道を選ぶにしても情報整理と記録保全が成功のカギです。
よく使う実務テンプレやチェックリストは本文中に示した通りです。次のアクションとしては、身の回りの借入明細を一つにまとめ、最寄りの弁護士事務所や法テラスに相談予約を取ってみましょう。電話がつらいならメール相談やオンライン相談を活用するのも手です。
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出典・参考(この記事で言及した法的事項・費用目安・実務情報の根拠):
- 日本弁護士連合会「債務整理」関連ページ
- 法テラス(日本司法支援センター)公式情報(相談・費用援助)
- 裁判所(民事再生手続)関連の手引き・申立て書式案内(東京地方裁判所など)
- 日本司法書士会連合会の手続き案内
- 各法律事務所の公開している個人再生の費用・実務解説(複数事務所の公開情報を参考にした費用帯の提示)
(注意)本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言には代わりません。具体的事案は専門家に相談のうえ、個別事情に応じた対応を行ってください。