個人再生 会社の借金を整理する実践ガイド|保証人・連帯保証の影響と手続きの全体像

個人再生で失敗しないために※必読ガイド-債務整理の前に-

個人再生 会社の借金を整理する実践ガイド|保証人・連帯保証の影響と手続きの全体像

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この記事を読むことで分かるメリットと結論

まず結論から。会社の借金が個人の責任になっている(個人保証・連帯保証している)場合、個人再生は「使える場合がある」が、ケースバイケースです。個人再生はあなた個人の債務整理手段で、主債務(会社の借入)そのものが会社名義でも、あなたが連帯保証や個人保証をしているなら、個人の債務として整理の対象に組み込める可能性があります。ただし、保証債務は取り扱いが複雑で、債権者との交渉や裁判所の審査で結果が変わります。本記事では、保証人・連帯保証のリスク、申立ての手順、再生計画の立て方、専門家の選び方まで、実務ベースで丁寧に解説します。読み終えると「自分の選択肢」「今すべき準備」がはっきりしますよ。



1. 個人再生の基礎と「会社の借金」への適用可能性

1-1. 個人再生とは何か?基本的な仕組みとメリット・デメリット

個人再生とは、民事再生法に基づき個人の債務を法律的に整理する手続きです。主なメリットは、債務の大幅な圧縮(元本減額や利息免除の効果で実質的負担軽減)と、住宅ローン特例を使えばマイホームを残したまま整理できる点。デメリットは手続きが裁判所を通じるため書類準備や期間(数か月~1年程度)が必要で、信用情報に影響する点、そして全ての債務が必ず減るわけではない点です。任意整理と違い、裁判所の決定(再生計画の認可)によって強制力が発生するため、債権者の同意がなくても処理できるケースがあります。小規模個人再生と給与所得者等再生という2つの類型があり、業種や収入形態で使い分けます。私の経験では、自営業者や法人代表で個人保証があるケースには小規模個人再生がよく使われますが、事案ごとの事前準備が命です。

1-2. 対象となる借金の範囲:個人の財産・債務の整理の基本ルール

個人再生で整理できるのは「申立人の個人的な債務」です。会社名義の借金であっても、あなたが個人で連帯保証や保証人になっている場合、その保証債務は申立人の債務として扱われる点が重要です。一方で、法人の債務そのもの(会社が返済すべき債務)を個人再生で直接肩代わりすることは原則できません。つまり「会社の借金を全部個人で帳消し」にするのは難しい。一方で、たとえば銀行からの借入に個人保証が付いている場合、その個人保証債務について再生計画で減額される可能性があります。ただし、債権者(銀行等)は保証債務の扱いについて異議を出すことができ、最終的には裁判所の判断や債権者集会の手続きで決まるため、早めに専門家に相談して債務の性質を正確に整理するのが重要です。

1-3. 保証人・連帯保証の影響:自分の責任範囲と家族・財産への波及

連帯保証は通常の保証人より責任が重く、主債務者に先に請求することなく債権者が直接あなたに請求できます。個人再生で保証債務を含める場合、再生計画の変更や履行に伴い、保証債務の一部減額や分割返済の枠組みが検討されます。しかし、保証債務があると配偶者や家族の財産にも影響が出やすいので注意が必要です。たとえば、自宅を担保にしている場合、住宅ローン特例を使えば自宅を維持しながら再生手続きを進められることがありますが、担保権者(銀行等)が差押えや競売を検討する場合、交渉力の差が結果に影響することがあります。私が担当した事例では、連帯保証による個人の責任が大きく、早期に銀行と返済条件の暫定合意を取りつけたことで、再生手続き中の安全性が高まった例があります。

1-4. 住宅ローン特例の適用可否:居住用資産がある場合の特例のポイント

住宅ローン特例は、居住用不動産に関するローンを個人再生の再生計画から外し(原則通り返済を続けることで)、住居を維持できる制度です。これにより住宅ローン以外の借金だけを再生計画で整理できる利点があります。適用には居住用であることや、住宅ローンの契約内容、担保の状況などを確認する必要があります。住宅ローン特例を選ぶと、住宅ローンは通常の条件で支払いを継続しながら、他の債務の元本や利息が再生計画により調整される仕組みです。私見ですが、マイホームがある場合はこの特例の有無が生活再建の鍵になるので、早期に住宅ローンの契約書・担保設定書類を用意して専門家と相談することを強く勧めます。

1-5. 債務整理の比較:任意整理・破産・民事再生との違いと使い分け

債務整理の主な方法は任意整理、個人再生(民事再生法による)、自己破産です。任意整理は債権者との交渉で利息カットや返済猶予を得る私的手続き、破産は全財産を処分して免責を得る手続き、個人再生は生活を維持しつつ債務の圧縮を図る裁判所手続きです。会社の借金や個人保証が絡む場合、任意整理では債権者全員の同意が必要で合意が得られにくいこと、自己破産では免責の可否や社会的影響(資格制限等)を考えると、個人再生がバランスの良い選択になる場合があります。ただし、事業性の借入や営業債務が多い場合は、会社整理(民事再生・破産)と個人の手続きの使い分けが必要です。ここも専門家の判断が分かれます。

2. 会社の借金が対象になる条件と限界

2-1. 連帯保証・保証人の実務的影響:どこまで責任が及ぶか

連帯保証の場合、債権者は主債務者の支払いを待たずに保証人に請求できます。実務では、金融機関は回収効率を重視するため、会社が返済不能になったとき、真っ先に個人保証を追及することが多いです。個人再生で保証債務を整理するには、再生手続きの中で当該債権を債権として届出し、再生計画に盛り込む作業が必要です。債権者側が「保証債務は別扱い」と主張することもあり、争いになると債権者集会や裁判所の判断が絡みます。私の経験上、保証契約の文言(連帯保証の有無、範囲、限定条件)が結果に大きく影響しますから、まず契約書を一通り確認することが重要です。

2-2. 主債務と保証債務の取り扱い:再生計画に組み込めるかの判断基準

主債務(会社の借入)に対する保証債務は、個人再生の債権届出に含めることで再生計画に組み込むことが可能です。ただし、担保付きの債権(抵当権設定のある借入)や破産手続きの優先弁済対象とは扱いが異なります。再生計画では、それらの債権をどう扱うかを明確にし、裁判所と債権者に説明する必要があります。銀行は担保権や優先弁済の主張をするため、再生計画作成時にその扱いを丁寧に検討しないと、債権者側から反対されやすくなります。実務では、担保権者とは別途交渉して担保の解除や代替案を用意することが有効です。

2-3. 事業資金・会社融資の扱い:取引先・銀行との関係影響

会社の借入が事業運転資金であり、あなたが個人保証している場合、個人再生による保証債務整理は取引先や銀行との信頼関係に影響します。銀行によっては、代表者の個人再生を理由に会社の融資条件を厳しくしたり、新たな取引を停止する可能性があります。事業継続を目指すなら、個人再生の申立て前に主要取引先や資金繰りの計画を整理して、事業継続のための代替資金(日本政策金融公庫の融資や地方自治体の支援制度など)を検討するのが現実的です。私が支援した事例では、銀行と事前に対話を重ね、暫定的な返済計画を示したことで、会社の取引停止を回避できたケースがあります。

2-4. 小規模個人再生 vs 給与所得者等再生の違い:適用条件・返済額の違い

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」があります。小規模個人再生は債権者の数や債権の種類により適用され、原則として債権者の同意が得られない場合は債権者集会で多数決の取り扱いが必要になるなどの特徴があります。一方、給与所得者等再生は給与からの継続的な返済能力がある場合に適した手続きで、将来の収入見込みが計画の背景になります。どちらが有利になるかは収入形態、債権の種類、債権者の数などによって異なります。個人事業主や法人代表で不定期な収入の場合は小規模個人再生が選択されることが多いですが、正社員で安定収入がある場合は給与所得者等再生が向くこともあります。

2-5. ケース別の適用限界:適用できない事例とリスク回避の考え方

適用が難しいケースの例としては、主に法人の不動産担保があり、その処分で債権回収が見込まれるときや、債務の性質が事業性に強く偏る場合(脱法的な個人保証で事業と個人の分離が曖昧な場合)などがあります。さらに、税金や国民健康保険料等の公租公課、罰金や故意による債務などは個人再生で免除されないことが多いため、整理が難しい債権として扱われます。リスク回避のためには、まず債務の内訳(担保付き/担保なし、税金、公租公課、保証債務の有無など)を詳細に整理し、早期に弁護士等の専門家に相談して戦略を立てることが重要です。

3. 申立ての準備と手続きの流れ

3-1. 事前調査と専門家の選択:弁護士 vs 司法書士、選び方のポイント

個人再生の申立てを考えるとき、専門家選びは結果に直結します。弁護士は代理権が広く債権者との交渉や訴訟対応、裁判所での代理手続きが可能です。司法書士は手続き支援が可能ですが、代理できる金額や範囲に制限があるため、保証債務や会社絡みの複雑な案件では弁護士の方が安心です。日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会の公開情報を参考に、個人再生の実績、相談のしやすさ、費用の透明性で比較すると良いでしょう。私の経験では、法人代表や連帯保証がある方は最初から個人再生に慣れた弁護士に依頼するケースが多く、手続きの進行もスムーズでした。

3-2. 必要書類リスト:収入・資産・債務の証拠を整理するチェックリスト

申立てには収入や資産、債務の証拠書類が大量に必要です。主なものは:給与明細・源泉徴収票(過去数年分)、預金通帳の写し、借入契約書、保証契約書、抵当権設定書類、税務申告書(自営業者の場合)、不動産登記簿謄本、家計の収支明細など。会社の借入に関しては、借入契約書や金銭消費貸借契約書、保証契約書、取引銀行の債権者一覧があると裁判所や債権者との交渉がスムーズになります。実務では、これらの書類を早期に整理しておくことが手続きの期間短縮につながります。私が支援した案件では、銀行契約書の写しがなかったため銀行取引履歴の取り寄せに時間がかかり、申立てまでの期間が延びたことがあります。早めの準備が肝心です。

3-3. 申立て先と裁判所の選定:例として東京地方裁判所・大阪地方裁判所の扱い

個人再生の申立ては原則として申立人の住所地を管轄する地方裁判所に行います。たとえば、東京に居住する場合は東京地方裁判所、大阪なら大阪地方裁判所が基本の窓口です。裁判所ごとに手続きの進め方や処理の速さ、提出書類の細かい要件が若干異なることがあるため、管轄裁判所の運用を事前に確認しておくと安心です。管轄の違いは裁判所ウェブサイトや窓口で確認できますが、専門家がいる事務所ならその経験則に基づくアドバイスをもらうのが現実的です。

3-4. 債権者集会と審理の流れ:手続きの流れと準備すべきポイント

申立て後、債権届出や債権者集会の開催、再生計画案の提出、審理、裁判所の認可決定という流れになります。債権者集会は債権者が集まって再生計画の内容に賛否を示す場で、ここで反対が多いと計画の修正や追加交渉が必要になります。準備すべきは、支払可能性を示す詳細な収支計画、再生後の生活設計、そして債権者への誠実な説明資料です。実務では、債権者集会で銀行の担当者が厳しい質問をしてくることが多く、事前にシミュレーションして答えを用意しておくと安心です。

3-5. 申立後の流れと注意点:認可までのスケジュール・影響範囲

申立てから再生計画認可までの期間は事案により差がありますが、一般的には数ヶ月~1年程度を見込むのが現実的です。申立て後は、債権者からの督促が一時的に停止される効果(差し止め)がある一方で、信用情報機関に情報が登録されるためローンやクレジットの利用が制限されます。申立て中でも生活費や最低限の事業資金の確保は必要ですし、変更された収入計画が実現しない場合は再生計画の履行が困難になりうるので注意が必要です。申立て後に新たに債務を増やすと再生手続きに悪影響を与えるため、原則として新規借入は避けるべきです。

4. 減額の仕組みと再生計画の具体案

4-1. 減額の基本原則:元本の減額と返済期間の長短

再生計画では、債務全体を再評価して支払可能な金額に圧縮します。これは元本の減額、利息の免除、返済期間の延長などを組み合わせることで実現します。たとえば債務総額が高額でも、現実的な毎月の返済負担に合わせて元本を減らすことで返済計画を可視化します。重要なのは、裁判所に対して「現実的に履行可能である」ことを示すことで、これは過去の収入・将来の見込み・生活費を踏まえた詳細なキャッシュフロー表で説明します。私が作成したケースでは、月々の返済負担を生活費と照らし合わせて無理のないレンジに収めたことで、債権者の理解を得やすくなりました。

4-2. 再生計画案の作成ポイント:現実的な返済計画づくりの考え方

再生計画案は裁判所と債権者を説得する書類です。作成時のポイントは:1) 収入見込みの根拠(給与・事業収入の実績)、2) 家計の必要経費(実際の出費をベース)、3) 支払可能な余力(可処分所得の算出)、4) 債権者ごとの優先順位と担保の有無、5) 住宅ローン特例の要否、など。これらを数字で示すことが重要です。再生計画は現実的でないと却下されることがあるため、やや保守的に見積もるのが得策です。経験では、収入のブレが大きい事業者については「最低限の返済想定」と「上振れ時の繰上げ返済案」を併記すると債権者の信頼を得やすくなります。

4-3. 返済期間と実務的な計画:最長期間・月額返済の設計例

返済期間の設計は重要な判断です。理想は長期にして月々の負担を小さくすることですが、期間を延ばしすぎると総返済額や生活の不確実性が増します。ここで具体例を示します(あくまで例です):債務総額500万円、可処分月収15万円、毎月の最低生活費10万円とすると、月5万円を返済に回せます。年額60万円を基準に、3年(36か月)で完済を目指すと総返済額は360万円で元本減額が可能、5年(60か月)にすると総返済額は300万円とさらに負担軽減が可能、など。こうしたシミュレーションを複数パターン作り、債権者に提示します。実際の制度上の最長期間は状況により異なるため、専門家と確認してください。

4-4. 住宅ローン特例の適用条件:居住用不動産を持つ場合の留意点

住宅ローン特例を使うには、居住用不動産であること、住宅ローンが実際に存在し返済が続けられる見込みであることなどが前提です。特例を選ぶと、住宅ローンは通常どおり支払い続ける一方、他の債務の再生計画で整理することができます。留意点は、特例を使うと住宅ローン以外の債務の減額が限定されるケースや、担保権者(銀行側)との協力が不可欠な場面があることです。私の経験では、住宅ローンの借入先に事前説明と同意を取り付けることが、手続きを円滑にする鍵でした。協力的な銀行であれば、手続き中の差押えを回避しやすくなります。

4-5. 破産・任意整理との比較と使い分け:状況別の最適解を探る

個人再生は、任意整理・破産と比較して「生活基盤を残しつつ債務を圧縮する」性格があります。任意整理は利息や返済期日の調整は可能でも元本減額は限定的、破産は免責で債務をゼロにできるが職業制限や財産処分が生じるため社会的影響が大きいことがあります。会社の借金や連帯保証が絡む場合、任意整理では債権者の同意が得られないことが多く、自己破産では連帯保証の関係や事業性債務の扱いで望まない結果になる可能性があるため、個人再生が有利となるケースが多いです。ただし、破産でこそ解決できる債務(たとえば免責されるべき強い負債構造)もあるため、選択は専門家と具体的に比較検討する必要があります。

5. 実務的ポイント・ケーススタディと専門家活用

5-1. 専門家の選択:日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、東京都弁護士会、関係機関の役割

専門家選びは重要です。日本弁護士連合会や各都道府県の弁護士会(東京都弁護士会など)では債務整理の相談窓口があります。司法書士も手続き支援を行いますが、業務範囲に制限がある点に注意。実務では、個人再生の経験が豊富で、会社の借入や保証関係に精通している弁護士を選ぶと安心です。選び方のポイントは、実績(同様事例の処理経験)、費用の明確さ、連絡の取りやすさ、そして裁判所での手続き経験です。相談時は必ず過去事例のアウトカム(成功率や期間)を確認し、依頼後の役割分担を文書で明確にすることをお勧めします。

5-2. 実務上の手続きの流れと期間:申立てから決定までの目安と注意点

実務上の標準的な流れは、予備相談→書類収集→申立て→債権届出→債権者集会→再生計画案の検討→裁判所の認可という形です。期間は準備に1~3か月、申立て後に3~12か月程度が多いですが、債権者数や争点の多さで延びます。注意点としては、申立て前に重要な財産の移転や借入を行うと不正行為とみなされる可能性があること、申立て中に収入や資産の大幅な変化があると計画の見直しが必要になること、などがあります。私の現場経験では、書類不備や金融機関の回答待ちが遅延要因になるため、早め早めの動きが成功の秘訣です。

5-3. 費用の目安と費用負担を減らすコツ:着手金・報酬金の相場と節約のヒント

弁護士費用は案件の複雑性によって変わりますが、着手金と成功報酬の組合せが一般的です。目安としては着手金数十万円~、報酬も事案によっては追加で発生します(※事務所により差があります)。費用負担を減らすコツとしては、可能な限り自分で書類を整理しておくこと、初期相談で費用の見積もりを複数の事務所から取ること、法テラスの支援制度(収入要件あり)を検討することなどがあります。また、債権者との交渉において早期合意を得られると手続きが短縮され総費用が減ることが多いので、誠実な姿勢で交渉を進めることも有効です。

5-4. 実務上の注意点とリスク管理:秘密保持・生活費の確保・収入の見直し

秘密保持は重要ですが、債権者には裁判所を通じて情報が開示されます。したがって、家族や社員に事前説明が必要な場合は戦略的に行うと混乱が少ないです。生活費の確保は再生計画の履行可能性に直結しますから、生活費の見直しや不要資産の売却、収入の安定化(副業や収益化できる資産の活用)を早めに検討しましょう。リスク管理として、申立て前後での大口支出や資産移転は避け、透明性を保つことが裁判所からの信頼獲得につながります。

5-5. 見解と今後の展望:現場の実務感からのアドバイスと留意点

私の現場感では、会社の借金に個人保証が絡むケースは今後も増えると予想しています。経済環境の変化で事業の収益が不安定になると、代表者個人への影響が大きくなるため、早期のリスク把握と迅速な対応が肝要です。具体的には、事業を継続したいか否かで選ぶ手続きが変わるため、経営改善計画と個人再生の組合せで出口戦略を作ると良いケースが多いです。最後にもう一度強調すると、会社借入が個人保証に結びついている場合、自己判断で動くと事態を悪化させるリスクが高いので、まずは弁護士などの専門家に初期相談をすることを強くおすすめします。

FAQ(よくある質問)

Q1. 会社の借金を全て個人再生で消せますか?

A. 原則として「会社名義の債務そのもの」を個人再生で直接消すことはできません。しかし、あなたが個人保証や連帯保証をしている部分については個人の債務として再生計画に組み込める可能性があります。具体的な取り扱いは契約書や担保設定、債権者の主張によって異なるため、専門家による精査が必要です。

Q2. 連帯保証人になっていると家族の財産はどうなりますか?

A. 連帯保証は債権者が直接請求できるため、返済不能になると家族の共有財産(配偶者との共有名義物件など)にも影響する可能性があります。家族への影響を最小限にするため、保証契約の内容確認と早めの対応が重要です。

Q3. 住宅ローン特例を使うと得する点は?

A. マイホームを手放さずに他の借金を整理できる点が最大のメリットです。ただし住宅ローン自体は支払いを続ける必要があり、担保権者側の対応次第で交渉が複雑になる場合があります。

Q4. 申立ての費用はどのくらいかかりますか?

A. 弁護士費用は事案により幅がありますが、着手金や成功報酬が発生します。法テラス等の支援を活用できる場合や、自分で事務作業を進めて費用を抑える手もあります。複数事務所の見積もりを比較しましょう。

Q5. 申立て中に借金が増えたらどうなりますか?

A. 原則として申立て中に新たな借入をすることは避けるべきです。新たな債務は再生計画に悪影響を及ぼす可能性があります。どうしても必要な場合は専門家に相談のうえ慎重に判断してください。

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まとめ(最終セクション)

個人再生は、会社の借金がある場合でも「あなたが個人保証している部分」を整理する有力な選択肢です。ポイントは、保証契約の内容確認、債権者(銀行等)との事前対話、細かな書類準備、そして経験豊富な弁護士選びです。住宅ローン特例を使えば住まいを残しながら再建が可能ですし、任意整理や破産との比較で最適な手段を選ぶことが重要です。まずは債務の内訳を整理して、専門家に相談することを強くおすすめします。私も過去に複数の法人代表の事案を扱ってきましたが、早めに対応した案件ほど結果が柔軟に出ることが多かったです。あなたの状況に合った現実的なプランを一緒に作っていきましょう。

参考・出典(この記事で参照した主な公的情報・機関)
- 法務省(民事再生法・個人再生に関する情報)
- 裁判所(各地の地方裁判所の個人再生手続案内:東京地方裁判所、大阪地方裁判所 等)
- 日本弁護士連合会(債務整理に関する相談窓口・弁護士の検索)
- 日本司法書士会連合会(司法書士の業務範囲に関する情報)
- 日本政策金融公庫(中小企業向け融資の制度等)
- 民法(保証・連帯保証に関する規定)

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