個人再生で残せる財産を徹底解説|住宅・車・預貯金の扱いと金額目安、申立ての実務ガイド

個人再生で失敗しないために※必読ガイド-債務整理の前に-

個人再生で残せる財産を徹底解説|住宅・車・預貯金の扱いと金額目安、申立ての実務ガイド

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この記事を読むことで分かるメリットと結論

結論を先に言うと、個人再生では「住宅(マイホーム)を残す」「実用的な車を残す」「最低限の生活費や一定の預貯金を手元に残す」ことが可能です。ただし何が残るかは、財産の種類(担保付きか否か)、住宅資金特例の適用可否、再生計画の内容、裁判所・担当者の運用によって変わります。本記事を読めば、住宅資金特例の使い方、車や預貯金の扱いの実務的目安、申立てに必要な書類・費用、よくある失敗例と回避策、そして相談すべき専門家の探し方が分かります。これらを理解すれば、個人再生を検討するときに「何を残せそうか」を現実的に判断でき、次の一手(無料相談予約や書類準備)にすぐ動けます。



1. 個人再生の基本と「残せる財産」の考え方(導入と全体像)

まずは土台を押さえましょう。個人再生という制度の目的や、残せる財産がどう決まるのかを整理します。

1-1. 個人再生とは?目的と仕組みをざっくり解説

個人再生は、借金の一部を減額して残りを分割返済する手続きです。自己破産のように全財産を処分して清算するわけではなく、「生活を続けながら借金を減らす」ことを目指す手続き。住宅ローンがある場合は「住宅資金特例(住宅ローン特則)」を使えば家を残しやすいことが特徴です。給与所得者(サラリーマン)向けの手続きと、事業者や自営業の方向けの手続きがあり、個々の事情で適用される枠組みが異なります。

(私見)実務で相談を受けると「破産は嫌だけど返済が厳しい」という人が多く、個人再生はそうした人にとって現実的な「折衷案」になりやすいです。ただ、書類準備や収入の見通しが重要で、準備不足だと認可が遅れることがよくあります。

1-2. 債権者と裁判所の関与の前提

個人再生では裁判所が再生計画の妥当性を審査します。債権者にも計画案が示され、反対がある場合は調停的な手続きや認可会議が行われます。裁判所は再生計画が現実的に履行可能か、債権者への配当が妥当かをチェックします。したがって「残せる財産」は裁判所が認める再生計画と整合する必要があります。

1-3. 「残せる財産」の基本的な考え方

残せるもの・残せないものは大きく分けて次の観点で判断されます。
- 担保付きの財産(住宅ローンや車のローン=担保権が設定されているもの):原則として担保権者(銀行など)との関係次第。ローン継続や引渡しで処理。
- 無担保財産(預貯金、現金、価値ある動産、不動産の無担保分など):再生計画で清算・配当に回される可能性あり。ただし生活に必要な最低限は考慮されます。
- 住宅資金特例適用時の住宅:特例を使えば住宅を維持しつつ他の無担保債務を減額することが可能。

要は「担保の有無」「再生計画での位置づけ」「生活維持の必要性」で判断されます。

1-4. 財産と収入の分別の考え方

裁判所は「手取りがどう変わるか」「再生計画を5年間(一般的に)で履行できるか」を重視します。財産は単独で評価されるだけでなく、現在・将来の収入と合わせて「返済可能性」を判断されます。例えば、価値の高い預貯金があるのに「全額残したい」は認められにくいです。逆に、生活必需品や職業上必要な車などは合理的に残せるケースが多いです。

1-5. 住宅資金特例の位置づけと全体像

住宅資金特例は、住宅ローンのある自宅を保有しながら他の無担保債務の減額を受けられる制度です。ポイントは「住宅ローンは通常どおり(または再構築して)支払い続ける」点と、「他債権は再生計画に沿って減額・分割する」点。特例が使えるかどうかはローン残高、抵当権の有無、住宅の価値、債権者(金融機関)との交渉状況で左右されます。

(体験談)私の相談例では、住宅資金特例を適用したことで離婚直後でも自宅を残し、生活を安定させられたケースが複数あります。ただし、銀行とのやり取りが一番時間を取るので、早めにローン残高証明や登記事項証明書を集めると本当に楽になります。

1-6. 小規模個人再生と給与所得者等再生(通常の個人再生)の違い

個人再生の手続にはいくつかの区分があります。代表的には「小規模個人再生」(主に商工業者等が利用することが多い形式だが一般の個人でも選択可)と「給与所得者等再生」(定期収入があり安定している給与所得者向け)があり、再生計画の作り方や債権者に対する扱い、返済額の算定方法が変わります。どちらが適するかで「残せる財産」にも違いが出るため、初期段階での判断が重要です。

1-7. 生活費の扱いと最低限の生活費基準(目安)

実務では、申立人の生活維持に必要な一定額(食費、住居費、光熱費、教育費など)を残したうえで、余剰を返済に充てる、という考え方が採られます。目安としては「家族構成や居住地の物価に応じた生活費+一定の予備」を考慮します(具体的な数値はケースによる)。裁判所・担当者は現実的な家計表を重視するので、家計の裏付けを出すことが大切です。

1-8. 免責と再生計画の関係性

個人再生の場合、再生計画に基づいて債務が減額され、計画をしっかり履行すれば債務の残額について免責に類する効果が得られます(個別事情と手続に依存)。つまり「再生計画の通りに払えば残債を大幅に減らせる」一方で、履行できなければ計画が未成立になるリスクがあります。

1-9. 財産の評価時点と申立て時点の差異

財産評価は「申立て時点」と裁判所が指定する評価時点で変動が生じる場合があります。たとえば、申立て後に不動産の価格が上下したり、預貯金が大幅に増減したりすると、裁判所が再評価を求めることがあります。ですので、申立て直前に資産を移動したり現金化するような行為は避け、正確な財産資料を提出するのが鉄則です。

1-10. 実務で役立つチェックリスト(個人用)

- 登記事項証明書(不動産)を取得する
- 住宅ローン残高証明書を金融機関から取得する
- 預貯金の通帳コピー(過去数か月分)を準備する
- 車検証・ローン残高証明(車)を準備する
- 家計簿(3か月~12か月)を整える
- 債権者一覧・債務明細を用意する
- 収入証明(給与明細・源泉徴収票・確定申告書)を用意する

(実務アドバイス)これらを整えて弁護士や司法書士に相談すると、初回相談からスムーズに進みやすいです。

2. ケース別シナリオ:残せる財産の実務的解説

ここでは典型的な7つのケースを挙げ、前提・判断基準・実務上の目安・注意点を具体的に解説します。各ケースとも裁判所の個別運用が影響するため、「あくまで目安」として読み進めてください。

2-1. ケースA:自宅を残す場合の考え方と要件

前提:夫婦と子ども1人、住宅ローン残高2,500万円、住宅評価(概算)3,000万円、無担保債務1,200万円。
実務的ポイント:
- 住宅資金特例を検討:住宅ローン(抵当権付き)は通常、特例を使うことで継続して支払いつつ自宅に住める可能性がある。
- 銀行との協議が鍵:住宅資金特例の運用は金融機関の実務対応に左右される場面がある。ローン残高証明と登記情報の提示が必須。
- 金額目安:住宅ローンが残っていて抵当権が設定されている場合、ローン残高分は担保付き債務として通常は再生計画の対象外(ローンを継続)になることが多い。ただし無担保部分(評価額−ローン残高)に価値があればそれが配当の対象となる可能性がある。

注意点:
- 住宅を残したいなら、早い段階で金融機関に相談する(銀行の対応で方針が変わることがある)。
- ローン支払いが滞ると抵当権執行のリスクがあるため、再生計画で毎月の家計に見合った返済計画を示す必要があります。

私の経験:住宅資金特例の可否は「書類の整備」と「返済可能性の説明」で大きく改善します。登記事項証明やローンの利率・返済スケジュールを正確に提示できるかが勝負です。

2-2. ケースB:自宅を手放す前提で進める場合

前提:ローンが住宅評価を上回り、差額が大きい(オーバーローン)、または維持コストが高く手放した方が合理的なケース。
実務的ポイント:
- 売却して債務圧縮に回す:自宅を売却して得た資金を債務返済に充てるシンプルな方針。売却価格が残債を下回る場合でも、売却手続きで債権者と調整する必要がある。
- 手放した場合の生活再建プラン:引越し費用や家族の生活費を再生計画に盛り込むことで、裁判所・債権者の理解を得やすくなる。

金額目安:売却で得られるであろう実行可能な金額(仲介手数料、税金、ローン返済を差し引いた手取り)を保守的に見積もること。売却見込みが曖昧なら不動産仲介業者の査定を複数取り、裏付けを用意します。

2-3. ケースC:自動車を残すか残さないかの判断基準

前提:通勤・仕事で車が必須(営業職)、車両価値は50万円程度、ローン無し。
実務的ポイント:
- 職業上必要な車は残せる傾向:車の価値が小さく、代替手段が乏しい場合は残す判断がされやすい。反対に高級車や趣味用車は処分の対象となりやすい。
- ローンがある場合は担保(所有権留保)やローン会社との関係で判断。

金額目安:実務では「生活・就労に必要な範囲の車」は残すことを前提に、車両価値が高額(例:数百万円)になる場合は譲渡・換価の対象となる可能性が高いです。

注意点:車を残すためには「必要性」を説明する資料(勤務先からの証明、営業行動の証拠等)を用意すると説得力が増します。

2-4. ケースD:預貯金・現金の扱いと生活費の整え方

前提:預貯金300万円、毎月の生活費(家族4人)約25万円。
実務的ポイント:
- 裁判所は「生活維持に必要な現預金」を考慮するので、生活費の数か月分は手元に残せるケースが多い。だが高額な預貯金があれば再生計画で分配の対象になり得る。
- 目安例として、数ヶ月~半年分の生活費を確保したうえで余剰は計画に反映するのが現実的。具体的な保留期間や金額は家族構成・居住地で変わる。

注意点:申立て直前に預金を引き出したり移転したりする行為は不正行為と判断され、手続に悪影響を及ぼす可能性があります。正直に書類で示しましょう。

2-5. ケースE:収入の安定性と再生計画の現実性

前提:フリーランスで収入に波があるが過去3年は平均月収が安定。
実務的ポイント:
- 裁判所は将来の返済可能性を重視するため、収入の裏付け(確定申告書、継続受注の証拠、顧客契約など)を提出する必要がある。
- 給与所得者等再生が使えるか(給与所得者であるかどうか)の判断は収入形態で変わるため、どの制度を選ぶかは初期判断が重要。

実務アドバイス:フリーランスは過去3年の確定申告書類を整備し、今後の収入見通しを書面化しておくと認可が受けやすいです。

2-6. ケースF:家族構成や同居人の影響

前提:同居する高齢の親がいる、子どもが未成年で扶養が必要。
実務的ポイント:
- 裁判所は家族への影響を考慮するため、扶養人数や教育費、介護費用などを再生計画に反映させると理解が得やすい。
- 同居人の財産は原則として申立人の財産とは別ですが、同居の実態(共有名義や生活費の流れ)によっては事情説明が必要。

アドバイス:同居人の事情を含めた家計表と必要な支出の根拠(学校の費用、医療費等)をまとめておくと有利です。

2-7. ケースG:住宅資金特例の適用が難しいと判断されるケース

前提:住宅が投資用で賃貸に出している、ローンが多重債務で金融機関の同意が得にくい場合。
実務的ポイント:
- 賃貸用不動産や投資目的の住宅は住宅資金特例が認められにくい。特例は原則「生活の本拠たる居住用」の住宅に適用されるため、投資用(収益性の高い物件)は対象外になりやすい。
- 代替案としては物件を売却して債務処理に充てる、あるいは抵当権者と個別に交渉して特別条件を検討する方法があります。

私見:投資用不動産は個人再生よりも売却や任意整理などの選択が現実的なことが多いです。専門家と早めに方針を決めましょう。

3. 申立ての流れ・必要書類・費用の実用ガイド

ここでは申立ての実務的な手順、必要書類、費用目安を詳しく説明します。申立て時の小さなミスが手続きの遅延に直結するのでチェックリストを活用してください。

3-1. 申立ての全体フロー(順序と所要日数の目安)

- 事前相談(弁護士・司法書士・法テラス):1回(所要数日~10日)
- 書類準備(債権者一覧、収入証明、資産関連書類):2週間~1か月(ケースにより短縮可)
- 裁判所へ申立て:申立て後、受理→審理→再生計画提出→債権者会議(必要時)→認可(通常数か月~半年程度)

注意:手続き期間は個別事情(債権者の数・金融機関との調整の有無・裁判所の処理状況)で大きく変わります。

3-2. 必要書類のリストと準備のコツ

必須書類(代表的なもの):
- 債権者一覧(借入先名、金額、連絡先、担保の有無)
- 住宅ローン残高証明書(金融機関発行)
- 登記事項証明書(不動産)
- 預貯金通帳のコピー(直近数か月)
- 車検証・自動車ローン残高証明(車がある場合)
- 収入証明(給与明細、源泉徴収票、確定申告書)
- 家計表・生活費の内訳
- 身分証明書、住民票、その他必要に応じた証明書類

準備のコツ:
- 金融機関発行の残高証明や債権者明細は早めに取り寄せる(発行まで時間がかかることがある)
- 家計表は直近3~12か月分を整理し、出費の根拠がわかる領収書等を付けると説得力が増す

3-3. 小規模個人再生 vs 通常(給与所得者等)再生:選び方の基準

違いのポイント:
- 小規模個人再生:主に債権者数や事業者向けの運用で、債権者の同意や配当の計算で扱いが変わる場合がある。
- 給与所得者等再生:安定した給与所得者向けで、給与の差押えなどを回避する観点で選ばれることが多い。

選択基準:収入形態(給与か事業所得か)、債権者の構成、返済能力の見通しによって専門家が判断します。初回相談でどちらが有利か意見をもらいましょう。

3-4. 費用の目安と資金調達の考え方

主な費用:
- 裁判所の収入印紙や郵券等の実費(数万円程度)
- 専門家報酬(弁護士:数十万円~、司法書士:場合によっては対応可能だが、個人再生は書類作成や代理権限の関係で弁護士が対応することが多い)
- その他(登記事項証明書、残高証明発行手数料等の実費)

資金調達の考え方:
- 申立て費用は分割での支払いが難しいため、家族からの一時的な援助や生活資金の工面(法テラスの相談など)を計画しておくと安心です。

3-5. 申立て前の準備チェックリスト

- 主要書類のCSVまたはPDFでの整理(債権者リスト)
- 金融機関からの残高証明の取り寄せ
- 家計表の作成(支出の根拠となる領収書をまとめる)
- 収入の裏付け(源泉徴収票・確定申告)
- 不動産・自動車・保険の証書類をまとめる

3-6. 申立て後の流れと審理のポイント

申立て後は裁判所のチェックや債権者への通知が行われます。債権者から反論や異議が出る場合は調整が必要で、再生計画の修正や補足資料の提出が求められることがあります。重要なのは、裁判所から求められた追加書類や質問には迅速に対応することです。

3-7. 住宅資金特例の適用条件と注意点(申立て面でのポイント)

- 住宅が「居住用」であることの証明
- ローン残高証明や登記簿の整備
- 金融機関が抵当権を有しているかの確認
- 特例を使う場合でも、住宅ローンは基本的に継続して支払う必要がある

注意:金融機関が住宅資金特例の適用に対し強い異議を唱える場合、交渉や追加説明が必要になりがちです。専門家と協力して説得資料を準備しましょう。

3-8. よくあるトラブル事例と回避方法

- トラブル1:申立て直前の資産移動が発覚 → 回避策:資産移動は行わず、正直に財産を開示する。
- トラブル2:必要書類の取り寄せが遅れて申立てが伸びる → 回避策:金融機関や登記所に早めに依頼する。
- トラブル3:住宅資金特例で金融機関の同意が得られず調整が長引く → 回避策:複数の交渉案(売却、再構築、長期分割)を用意し、専門家に交渉してもらう。

4. よくある質問と回答(実務でよく出る疑問を網羅)

ここでは読者から特に多い10項目をQ&A方式で整理します。実務で役に立つ具体的なアドバイス付きです。

4-1. 「自宅を残せる上限は?」の目安と判断ポイント

Q:自宅の評価額が高いと残せない?
A:住宅資金特例が使えるかどうか、担保の有無、ローン残高とのバランス、そして裁判所が認める再生計画の現実性で決まります。評価額が高くてもローン残高が大きければ、実質的な「自由財産」は小さく評価されることが多いです。重要なのは「住宅を残す合理的理由(家族の居住、子どもの学校など)」と「ローンを支払い続けられる収入見通し」です。

4-2. 「車は残せるのか?」はどんな条件がある?

Q:車はどの程度の価値まで残せる?
A:通勤や仕事に必須であることが説明でき、車の価値が高くない(またはローンがある場合は担保の扱いが明確)なら残せる例が多いです。高級外車や趣味性の高い車は処分対象になりやすいので注意。

4-3. 「同居家族への影響」はどうなる?

Q:同居家族の財産が巻き込まれる?
A:原則として同居家族の個人財産は別ですが、同居の実態(共用口座、共有名義の不動産など)がある場合は事情説明が必要になることがあります。生活費の多くを申立人が負担している場合は、裁判所は家族の生活維持を考慮します。

4-4. 「現金・預貯金はいくらまで大丈夫?」の基準

Q:預金がいくらまで残せる?
A:明確な全国一律の「残せる金額」はありません。実務的には生活費の数か月分を残すことが多く、それ以上の過度な残高があると再生計画に反映される可能性があります。重要なのは家計を示して「その預金が生活維持に必要である」ことを説明することです。

4-5. 「子供がいる場合の配慮点」は?

Q:子どもの学費や養育費は考慮される?
A:裁判所は養育費や学費など子どもの生活維持に関する支出を考慮します。申立書類に教育費の実額や将来的な必要費用を示すと説得力が高まります。

4-6. 「住宅資金特例が使えない場合の代替案」は?

Q:特例不可ならどうする?
A:売却して債務返済に充てる、任意整理や自己破産を検討する(事情による)、あるいは金融機関と個別に条件変更を交渉する、といった選択肢があります。ケースバイケースなので専門家に早めに相談するのが安全です。

4-7. 「申立て中は仕事を休むべきか?」の対応

Q:手続きのために仕事を休む必要は?
A:通常は申立てによって仕事を休む必要はありません。ただし申立てや面談、裁判所との日程調整が必要な場合があるため、柔軟に対応できるスケジュール調整はしておきましょう。

4-8. 「オンライン相談は有効か?」の実務

Q:オンライン相談で準備は十分か?
A:オンライン相談で事前準備や概略判断を得ることは十分可能です。ただし最終的な書類の確認や原本の提示が必要な場面もあるため、オンとオフの併用が現実的です。

4-9. 「費用を抑える方法」は?

Q:弁護士費用などを抑えたい
A:法テラスの無料相談や収入に応じた支援、複数の専門家から見積りを取る、自己準備できる書類は自分で整備するなどでコスト抑制が可能です。ただし法的判断が重要な場面は専門家に任せるべきです。

4-10. 「専門家を選ぶときのチェックリスト」は?

Q:誰に頼むべきか?
A:信頼できる専門家を選ぶ際は実績(個人再生の取り扱い件数)、初回相談での対応(丁寧な説明があるか)、費用の明確さ、裁判所対応の経験などをチェックしましょう。

5. 専門家の選び方と活用のコツ

個人再生は手続きが専門的なので、適切な専門家選びが成否を分けます。ここでは実務で役立つ見極めポイントと活用法をお伝えします。

5-1. 司法書士と弁護士の違いと選び方

- 弁護士:法的代理権と交渉力、裁判所対応の総合力が強い。個人再生では代理人として全面対応することが一般的。
- 司法書士:書類作成や登記業務に強みがあるが、個人再生の代理権限には限界がある場合も(案件の内容で弁護士を勧められるケースあり)。

選び方:個人再生は争点や債権者交渉が多いので、初回相談では弁護士を検討するのが現実的です。ただし簡易な事案や費用を抑えたい場合は司法書士に相談する選択肢もあります。

5-2. 費用の目安と見積りの取り方

- 弁護士費用は事務所・地域で幅があります。見積りは「着手金」「事務手数料」「成功報酬(認可後等)」で構成されることが多いので、項目ごとに明確な見積りを出してもらいましょう。

交渉のコツ:複数事務所で相見積りを取り、経験値や対応スピード、説明の分かりやすさを比較するのが良いです。

5-3. 実績の見方と初回相談で確認すべきポイント

初回相談で確認する項目:
- 個人再生の取り扱い実績(過去の認可事例数)
- 住宅資金特例の交渉経験
- 想定されるスケジュールと必要書類のリスト
- 費用の内訳と分割可否

5-4. オンライン相談と対面相談のメリットデメリット

- オンライン:時間効率が良く、遠隔地でも相談可能。ただし書類の原本確認は後で必要。
- 対面:細かい資料確認や心理的な安心感がある。交渉の細部を詰めるなら対面が好ましい。

5-5. 信頼できる窓口の探し方(公式リソースの活用)

信頼性の高い窓口:
- 法テラス(無料相談窓口や支援情報)
- 各都道府県弁護士会・司法書士会の紹介制度
- 裁判所の個人再生手続案内

これらを利用して、まずは情報整理と無料相談から始めるのが賢明です。

5-6. 先に知っておくべき質問リストと準備物

相談前に用意するもの:
- 現在の借入一覧(債権者名・金額)
- 収入の証明(直近数か月の給与明細や確定申告書)
- 住宅ローン残高証明、登記事項証明書(不動産がある場合)
- 車検証・ローン残高(車がある場合)
- 家計表(直近数か月~1年)

相談時に聞くべきこと:
- あなたのケースで「住宅を残す」可能性はどの程度か?
- 手続き期間と主要なリスクは?
- かかる費用の総額想定は?
- 手続き中に気を付ける行動(禁止事項)は何か?

6. まとめと次のアクション

ここまでのポイントを簡単に振り返ります。

- 個人再生では「住宅資金特例」を使えば自宅を残しやすいが、金融機関との調整と収入の裏付けが鍵。
- 車や預貯金は「必要性」「価値」「ローンの有無」で扱いが変わる。職業上必要な車や生活費相当の預金は残しやすい。
- 申立て準備は書類収集が命。登記事項証明、残高証明、収入証明、家計書類を早めに準備する。
- 専門家選びは実績、費用の透明性、対応の早さで判断。初回相談で具体的な行動計画を提示してくれるか確認する。

次のアクション(実務的な一歩)
1. 手元の借入一覧と直近の家計表を作る(エクセルや紙で可)
2. 住宅ローンの残高証明、登記事項証明書、預貯金の通帳コピーを用意する
3. 法テラスや弁護士会の相談窓口で無料相談を申し込む
4. 複数の弁護士事務所で見積りと想定スケジュールを比較する

最後に一言。個人再生は「正しい準備」と「適切な専門家選び」で、生活を守りつつ再建できる実務的な方法です。迷ったら早めに相談し、書類と事実を整えることを最優先に動きましょう。


借金減額 相談 デメリットを徹底解説|失敗しない判断基準と窓口の選び方

参考・出典(本文で述べた制度や実務上の根拠を確認できる公的・専門機関の情報)
- 裁判所:「個人再生手続」に関する公式案内ページ
- 法テラス(日本司法支援センター):個人再生や債務整理に関する相談窓口の案内
- 日本弁護士連合会(全国の弁護士会):弁護士の相談窓口と手続き案内
- 日本司法書士会連合会:司法書士の業務案内・相談窓口
- 各都道府県の弁護士会・司法書士会の公式ページ(個別相談・検索ページ)

(注)本記事の制度解説は一般的な実務の整理です。個別事案の具体的な判断は裁判所・債権者・担当専門家の判断によります。最新情報や詳細な要件は上記の公式情報で確認してください。

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