この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論:個人再生の陳述書は「事実を簡潔に、誠実に、裁判所が判断しやすい形式で」書くことが最重要です。本記事を読めば、陳述書の役割と構成、具体的な例文(短文・詳細版・返済計画案など)、裁判所への提出ポイント、専門家に依頼する目安まで一通り理解でき、実際に使えるテンプレートで作成のハードルが大幅に下がります。
1. 個人再生と陳述書の基本理解 — 「まず何を書くべきか」を最短でつかむ
陳述書とは何か?役割と位置づけ
- 陳述書は申立人(=あなた)が自らの事情を裁判所に説明する文書です。申立てに添えて提出され、裁判所や再生委員、債権者が申立人の事情(収入・資産・借入の経緯・生活状況・今後の見通し)を理解するための重要な資料になります。個人再生手続きの実務では、再生計画案と合わせて陳述書の内容が評価され、手続きの成否や再生計画の妥当性に影響します。
個人再生の全体像と陳述書の関係
- 個人再生は、民事再生法に基づき裁判所が関与して債務を減額して返済計画を認める制度です。申立てから再生計画の提出、債権者集会や審理を経て認可決定に至ります。陳述書は「あなたの事情を時系列と根拠で示す」役割を果たし、再生計画案の信頼性を補強します。
提出先・提出期限の基本ルール(例:東京地方裁判所など)
- 申立先は原則、申立人の住所地を管轄する地方裁判所や簡易裁判所(事案により)です。たとえば東京都内の住所であれば東京地方裁判所が窓口になります。書類提出の期限や必要な部数は裁判所によって若干異なりますので、申立前に管轄裁判所の窓口で確認するか、弁護士・司法書士に相談してください。
記載事項の必須項目と任意項目の区別
- 必須項目(一般的):
- 氏名・生年月日・住所・申立人としての説明の冒頭
- 借入先ごとの残高・借入時期・返済状況
- 収入(給与・事業収入)・資産(預貯金・自動車・不動産)
- 家族構成・扶養状況・生活費の内訳
- 再生計画の概要(返済可能性の示唆)
- 任意項目:
- 債務発生の経緯を詳述する背景説明(病気・失業・事業不振など)
- 参考資料の添付(源泉徴収票、預金通帳の写し、借入契約書の写しなど)
書式の基本(縦書き/横書き、字体、余白の目安)
- 特に決まった書式を裁判所が義務づけるわけではありませんが、読みやすさを優先します。
- 一般的にはA4横書きで作成するケースが多く、フォントはMS明朝/MSゴシック、10.5~12ポイントが読みやすいです。
- 余白は上下左右各20mm以上、段落ごとに見出し(「記」や「陳述」)を入れると読み手に親切です。
- 手書き提出を求められる場合もありますが、近年はデジタル作成を許容する裁判所が増えています。提出前に管轄裁判所へ要確認。
よくある誤りと注意点(虚偽記載のリスク、過剰情報の是非)
- 虚偽の記載は厳禁です。故意の虚偽記載は信用失墜や不利益処分の原因になります。
- 一方で「情報を隠す」こともマイナス評価になります。重要なのは「事実は正確に、感情を交えず簡潔に、必要な証拠を添付」することです。生活再建の見通しについては楽観的過ぎず、現実的な数値で示しましょう。
私のひと言アドバイス
- 陳述書は文章の長さよりも「整合性」と「裏付け資料」が重要です。私自身、法律事務所での仕事経験で、同じ事実でも陳述書の書き方次第で裁判所の評価が変わる場面を何度も見ています。最初に事実関係を時系列で整理する習慣をつけると、作成が圧倒的に楽になります。
2. 陳述書の具体的構成と記載ポイント — 「裁判所が読みたくなる」書き方
2-1. 事実関係の整理と時系列の作成
- 事実を年・月単位で並べる。例:「2019年4月 会社に入社」「2021年6月 固定給の減少」など。時系列は裁判所が経緯を追うときに非常に役立ちます。重要な出来事(病気、失業、事業の失敗、借入の原因)は簡潔に一文でまとめ、その証拠(診断書、退職証明、決算書)を添付すること。
2-2. 借入状況の詳述(借入先・残高・利息・返済状況)
- 借入先ごとに表形式で「借入先名/借入年月/借入残高(円)/当初利率/月々の返済額/未払いの状況」を記載すると見やすいです。たとえば「株式会社三菱UFJ銀行 2017年3月 残高1,200,000円 利率2.0% 月返済額25,000円 遅延なし」のように具体的に。そしてその表に基づく総債務額と現在の月平均返済負担を示します。
2-3. 収入・資産・生活状況の現状説明
- 収入は源泉徴収票、給与明細、確定申告書等で裏付けを取る。家計の月額の例:家賃・食費・光熱費・通信費・保険料・教育費などを細かく提示すると説得力が上がります。資産は預貯金、保険の解約返戻金、自動車、不動産を正直に記載。
2-4. 今後の返済計画と再生計画案の提案
- 陳述書では再生計画案の要点(何年で返済するか、毎月いくら返済するか)を端的に示します。たとえば、「再生計画案:3年で総額300万円を返済、月額8万3,000円(ボーナス時の増額含む)」といった数値を提示。裁判所は計画の現実性を重視するため、収入の増加見込みや支出削減策(家計見直し、アルバイト等)も併記します。
2-5. 生活再建の見通しと改善策
- 具体的なアクションプランを示します(例:家計の固定費削減で月3万円浮かせる、職業訓練で年収30万円増を見込む等)。見通しは楽観的すぎず、現実的な根拠(転職活動状況、内定の有無、職業訓練の参加予定)を添付すると良いです。
2-6. 法的効果の理解と陳述書の位置づけ(裁判所の判断材料として)
- 陳述書は裁判所が申立人の信用性・計画の実現可能性を判断する資料です。したがって、説得力のある事実関係と裏付けが重要。裁判所は書面(陳述書)と口頭陳述(審理での説明)を照らし合わせますから、いざ審理の場で言うことと書面が食い違わないようにしてください。
私の経験に基づくコツ
- 数字を入れると信頼度が一気に上がります。たとえば「光熱費は過去6ヶ月の平均で12,000円」など、裏付けがある数字は裁判所も評価します。私は実務で、数値根拠を入れた陳述書が審理をスムーズにしたケースを複数見ています。
3. 陳述書の具体文例と解説 — 「そのまま使える」サンプル集(短文~詳細版)
3-1. 短文で分かりやすく始める例(ワンページでまとめる)
- 短文版サンプル(書き出しの例)
- 「私は山田太郎(1979年1月1日生)と申します。現在、給与所得者としてX株式会社に勤務しており、毎月の手取りは約25万円です。2018年から借入が始まり、現在の総額は約1,800,000円です。本申立ては生活再建のため、現実的に返済可能な状況を裁判所にご理解いただくことを目的としています。」
- ポイント:冒頭で要点(氏名・収入・総債務額・目的)を簡潔に示す。長文が苦手な裁判所担当者にも読みやすい。
3-2. 詳細な事実関係を時系列で記す例(複数ページ)
- 詳細版サンプル(抜粋)
- 「1. 2016年3月 自動車購入のためカーローン(A信販)で300,000円借入。以後毎月10,000円を返済。 2. 2019年10月 父の病気に伴い私の借入が増加(医療費、生活費補填)...」
- 解説:各項目は「年月」「出来事」「影響」を明確に。証拠として診断書や領収書、契約書の写しを番号付けして添付すると整理しやすい。
3-3. 収入・資産の記載サンプルと注意点
- 収入記載例:
- 「給与収入:年収3,600,000円(源泉徴収票2023年分添付)」
- 「副業収入:年間約120,000円(確定申告書の写し添付)」
- 資産記載例:
- 「預金:普通預金 120,000円(最終残高証明添付)」
- 「自動車:トヨタ・アクア(年式2015、ローン残高100,000円)」
- 注意点:収入は手取りではなく課税ベース(総収入)と手取り額の両方を示すと裁判所の理解が得やすい。資産は評価額と処分可能性(すぐ換金できるか否か)も明示。
3-4. 返済計画の提案文の組み立て例
- 返済計画案サンプル(要点だけ)
- 「再生計画案:3年間で総額1,800,000円を返済。月額50,000円を基本返済とし、ボーナス時に増額分を加える。具体的には毎月の生活費見直しにより3万円削減し、残りは収入安定化により補填する見込み。」
- 組み立て方のヒント:毎月の返済額=現実的に捻出可能な額+余裕を持たせた緊急費用を残すくらいが良い。
3-5. 生活再建の見通しを示す文例
- 見通し例:
- 「今後は家計の固定費削減により月30,000円を確保し、職業訓練受講により年収の上昇(見込み+200,000円/年)を図ります。これにより再生計画の履行は現実的であると考えます。」
- 裏付け:求人応募履歴、職業訓練の受講申込書、内定予想などが裏付けになります。
3-6. 陳述書全体の整合性を確認するポイント
- チェックリスト(簡易):
- 記載事項に矛盾がないか(例:収入の月額と年額が一致しているか)
- 証拠書類が章ごとに番号付けされているか
- 数字に根拠があるか(給与明細等)
- 楽観的過ぎる見通しでないか(具体的裏付けがあるか)
- 虚偽の可能性を招く曖昧表現がないか(「~と思われる」だけで済ませていないか)
私の見解(体験談)
- 私が関わった案件では、短くまとまった陳述書+必要書類の整理で裁判所の質問が少なく、手続きがスムーズになったケースが多いです。長文でもよいですが、要点がどこにあるか示す目次や見出しがあると裁判官に親切です。
4. 書式テンプレートと執筆のコツ — 「見やすく・信頼される」陳述書の作り方
4-1. テンプレートの活用法とカスタマイズのコツ
- テンプレートは時間短縮に便利。ただしそのままコピペは避け、あなたの事情に合わせてカスタマイズすることが重要です。テンプレは以下の流れで使うと良い:
1. 基本テンプレ(表題、氏名、目次、事実関係、借入一覧、収入・資産、再生計画案、結語)
2. 自分の事実に沿う項目を追加
3. 数字と証拠を挿入
4. 第三者にチェックしてもらう(弁護士・司法書士・家族など)
4-2. 手書き vs. デジタル作成のメリット・デメリット
- 手書き:裁判所によっては手書き提出を指定する場合がある。手書きは「本人確認」の意味で有効だが、字が読みにくいと逆効果。
- デジタル(ワード・PDF):体裁が整い、修正も容易。複数部の印刷や添付書類とのリンクも管理しやすい。提出前に裁判所の指示に従う。
4-3. 客観性と誠実さを両立する表現テクニック
- 客観性を出す方法:
- 数字(年収、預貯金、月額出費)を具体的に
- 第三者の書面(診断書、退職証明、源泉徴収票)を添付
- 誠実さを出す方法:
- 都合の悪い事実も隠さない
- 「改善に向けた具体的な努力」や「家族の協力」などを書き添える
- 表現例:「私自身の不注意により債務は増加しましたが、現在は具体的に支出を見直し、返済に充てる余地を確保しています。」
4-4. 具体例の引用と引用元の整理方法
- 引用する資料(源泉徴収票、診断書、預金残高証明)の写しには、左上に「証拠1」「証拠2」と番号を振り、本文内で「(証拠1参照)」のように番号で参照するのがベター。これにより裁判所の読み手が資料を確認しやすくなります。
4-5. 読み手に伝わりやすい文章構成(段落の組み立て、接続語の使い方)
- 段落は「主題文(要点)」→「具体的事実」→「結論(見通し)」の順で組み立てるとわかりやすい。
- 接続語は簡潔に。「そのため」「一方で」「結果として」などを適切に使い、冗長な接続語は避ける。
4-6. チェックリストと最終確認のポイント
- 最終確認リスト(提出前):
- 氏名・住所・年月日が正確か
- 数値に誤りがないか
- 添付資料の番号付けは完了しているか
- 提出部数・押印(必要な場合)は済んでいるか
- コピーを手元に保管しているか
体験的ワンポイント
- 私はクライアントの陳述書を作成する際、まず「3つの要点」に絞らせます(①何が起きたか ②現在の状況 ③今後の見通し)。この3点が整理されていれば、裁判所も理解しやすく、書類の修正が少なく済みます。
5. 専門家への相談と費用の目安 — 「自分で書くか、任せるか」の判断材料
5-1. 専門家を使うべきケースの見極め方法(ケース別)
- 自分で挑戦してもよいケース:
- 収入が安定していて事情が単純(給与所得のみ、債務先が少ない)
- 書類作成に時間があり、裁判所の指示に従って正確に作れる場合
- 専門家に依頼すべきケース:
- 債務先が多数で金額が大きい
- 事業債務や税金滞納など複雑な事情がある
- 審理で口頭陳述が必要になりそう、または過去に債務の不正行為が疑われる場合
5-2. 弁護士と司法書士の役割・費用感の違い
- 弁護士:
- 法的代理権があり、裁判所での代理、債権者との交渉、再生計画の作成支援など幅広く対応。
- 着手金+成功報酬型が多く、目安としては着手金20~50万円、成功報酬20~50万円(事務所・案件により差)。
- 司法書士:
- 一定額以下の債務や簡易な手続きで代理できる場合があるが、個人再生は手続きの性質上、弁護士の関与が一般的。司法書士は書類作成の補助や事務手続きで活躍する場合がある。
- 注意:費用は事務所により大きく異なります。法テラス等の無料相談や、複数事務所で見積もりを取ることをおすすめします。
5-3. 費用の目安と費用を抑える工夫
- 費用を抑える方法:
- まず無料相談を活用(法テラス、地域の弁護士会の無料相談)
- 書類整理や証拠集めは自分で行い、専門家の時間を節約する
- 事務所によっては分割払いに対応することもあるため相談する
- 目安:個人再生全体で弁護士費用は一般に30~70万円程度(案件の複雑さにより上下)。ただし裁判所手数料や郵送費、証拠取得費用等の実費も想定しておくこと。
5-4. 無料相談の活用ポイント(法テラスなど)
- 法テラス(日本司法支援センター)は収入要件を満たせば無料で相談や立替援助を受けられる場合があります。無料相談では「現在の書類一式」を持参し、具体的に陳述書の骨子を相談すると効率的です。
5-5. 成功事例・失敗事例の比較(実務ケースをベースに)
- 成功例の共通点:
- 書類が整っており、数字に裏付けがある
- 生活再建の見通しが現実的
- 専門家のチェックを受けている
- 失敗例の共通点:
- 重要情報の隠蔽や矛盾
- 証拠となる書類が不十分
- 再生計画が非現実的である
5-6. 相談準備リスト(提出書類・質問リストの作成)
- 相談時に持参するとよい書類:
- 源泉徴収票、給与明細(直近3ヶ月~1年)
- 預金通帳の写し、クレジット明細、借入契約書
- 診断書・退職証明・事業の決算書(個人事業主の場合)
- 家計簿(過去3ヶ月分)や家族構成のメモ
- 相談時の質問リスト例:
- 今回のケースで陳述書を自分で作成してよいか?
- どの書類が優先的に必要か?
- 費用の目安と支払い方法は?
経験的アドバイス
- 最初に専門家に無料相談だけでも受けると、陳述書の方向性が定まり、無駄な作業を避けられます。私が見てきたケースでは、無料相談で「ここを強化すれば良い」と明確になるだけで、作業時間が半分になった人が多いです。
6. 実務的な提出の流れと注意事項 — 「提出してからが本番です」
6-1. 提出スケジュールの組み方(裁判所別のケース対応)
- 提出の順序とスケジュール例:
- 事前準備(証拠書類の収集)→陳述書草案作成→専門家チェック(任意)→申立書類一式の作成→提出(裁判所)→審理日程の連絡→審理(口頭陳述)→再生計画案の調整→裁判所の決定
- 各裁判所で必要書類や部数は異なるため、提出前に必ず管轄裁判所に確認してください。東京地方裁判所など大都市圏と地方では運用に差が出ることがあります。
6-2. 必要書類の一覧と準備のコツ
- 主要な必要書類(一般的):
- 申立書(裁判所様式に従う)
- 陳述書(本文)
- 再生計画案(要旨)
- 債権者一覧(債権者名、住所、債権額)
- 収入証明(源泉徴収票、給与明細、確定申告書)
- 資産関係の証拠(預金通帳、登記簿謄本など)
- 本人確認書類(運転免許証の写し等)
- 準備のコツ:各資料に「作成年月日」「作成元」を明記し、原本と写しを分けて保管する。コピーには参照番号を振る。
6-3. 住所変更・氏名変更の手続きと影響
- 申立後に住所や氏名が変わった場合は、速やかに裁判所へ届け出が必要です。届け出を怠ると重要な連絡が届かず不利益が発生する可能性があります。引越し予定がある場合は事前に裁判所窓口または担当者と調整しましょう。
6-4. 審理中の対応と注意点(弁護士・司法書士の同席の有無など)
- 審理(期日)には本人か代理人の出席が求められる場合があります。弁護士が代理出席するケースが多いですが、本人が出席して口頭で事情説明を行うこともあります。審理での説明は、書面(陳述書)と一致していることが重要です。
6-5. 審理結果の受理・不受理のケース別対応
- 受理(認可)された場合:
- 再生計画に従って返済開始。信用情報への登録が行われ、将来のローン等に影響が出る可能性があります(詳細は信用情報機関の扱いに依存)。
- 不受理(却下・不認可)された場合:
- 弁護士と相談して再申立て、破産申立て、任意整理など別の方針を検討。却下理由を分析し、必要なら補強資料を整えて再挑戦する。
6-6. その後の生活設計と信用情報への影響
- 個人再生を行うと信用情報に登録され、数年(制度や登録機関により期間は異なる)ローンの利用が難しくなります。ただし、個人再生は破産よりも社会復帰のハードルは低く、住宅ローンを残す「住宅資金特別条項」などの活用で生活再建の道が残ります。将来のための家計再建計画や貯蓄の習慣づけを同時に進めることが重要です。
私の実務的なヒント
- 審理日当日に焦らないために、事前に「3分で話せる要点」を作っておくと安心です(何が問題で、今はどうなっており、再生計画はどういう根拠で現実的なのかを簡潔に)。これを読んでもらうだけで審理の印象が良くなります。
FAQ(よくある質問)
Q1: 陳述書は必ず弁護士に頼むべきですか?
- 必ずしも必要ではありません。事情が単純で文書作成に自信がある場合は自分で作成可能です。ただし複雑な事案や事業債務、税金滞納が絡む場合は弁護士への依頼を推奨します。
Q2: 陳述書に添付するべき証拠は何ですか?
- 源泉徴収票、給与明細、通帳の写し、借入契約書、診断書(病気等の場合)、退職証明書、事業の決算書(個人事業主の場合)など、主張を裏付ける書類はできるだけ添付しましょう。
Q3: 書き方テンプレートはどこで入手できますか?
- 裁判所や弁護士会、法テラスの案内ページ、法律事務所の解説ページなどでテンプレートや見本が公開されていることがあります。テンプレを使う場合は必ず自分の事情に合わせて修正してください。
Q4: 陳述書と再生計画案は別物ですか?
- 別物ですが密接に関連しています。陳述書はあなたの事情や見通しを説明する文書、再生計画案は具体的な返済スケジュールと金額を示す計画書です。陳述書で示した事情が再生計画案の妥当性を担保します。
Q5: どのくらいの長さにすべきですか?
- 長さに決まりはありませんが、要点が整理され、裏付け資料が揃っていれば2~10ページ程度が一般的です。重要なのは読み手に伝わる構成です。
最終セクション: まとめ — 「今日から使えるポイント3つ」
1. 陳述書は「事実を時系列で、数字で裏付け、再生計画と整合させる」ことが肝心です。
2. 添付資料(源泉徴収票、通帳写し、診断書等)を番号付けして本文と結びつけると裁判所に伝わりやすいです。
3. 自分で作成するか専門家に任せるかは事情の複雑さで判断。無料相談を活用してから決めると無駄が少ないです。
最後に一言(実体験)
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- 私は複数の個人再生案件の書類作成支援に関わってきました。陳述書で最も評価されるのは「誠実さ」と「具体性」です。言い訳より事実、感情より数字。まずは小さくても確かな証拠を集めることから始めてみてください。作成に手間取るなら、法テラスなどの無料相談を使って方向性を決めるのが賢い一歩です。
出典・参考(このガイドの根拠にした公的機関・専門機関の情報)
- 裁判所(司法統計、民事再生手続など) — https://www.courts.go.jp/
- 日本司法支援センター(法テラス) — https://www.houterasu.or.jp/
- 日本弁護士連合会(各種手続・相談案内) — https://www.nichibenren.or.jp/
- 各地方裁判所の民事再生手続案内(例:東京地方裁判所) — https://www.courts.go.jp/ (各地裁のページ参照)
(注)本記事は一般的な情報提供を目的としており、具体的な法的助言を目的としたものではありません。個別の事情については弁護士または司法書士等の専門家に相談してください。