この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論からシンプルに言うと、休職中でも個人再生の申立ては「可能なことが多い」です。ただし、休職によって収入が減っている期間の扱いや、裁判所・債権者が見る「将来の収入の見込み(復職の確度)」の示し方が重要になります。本記事を読むと、休職中に申立てする際に必要な書類、裁判所がどこを重視するか、法テラスや弁護士の使い方、住宅ローン特則の扱い、実務上の落とし穴と回避策が具体的にわかります。最後にはペルソナ別の実践アドバイスと、私が相談した弁護士の体験談も入れておきます。
1. 個人再生の基礎と休職中の影響 ― まずは仕組みをつかもう
休職中に個人再生を考える前に、「個人再生って何?」を押さえておきましょう。ここを押さえると、休職中にどこが問題になりやすいかが見えてきます。
1-1. 個人再生とは?民事再生との違いをやさしく説明
個人再生は、個人(=主に消費者や給与所得者)が抱えた借金(主に無担保債務)を裁判所の手続きで大幅に圧縮し、再生計画に基づいて分割返済する手続きです。制度の根拠は民事再生法で、事業者向けの民事再生と区別される点は、個人向けに「給与所得者等再生」や「小規模個人再生」といった区分があること。住宅ローンを残して自宅を維持する「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」も利用できます(裁判所の制度説明に基づく)。
ポイント:
- 裁判所が再生計画を認めれば、借金が大幅に減る可能性がある
- 返済期間は原則3年、やむを得ない事情があれば最長5年に延長されるケースがある(裁判所基準)
- 自宅を残すことが比較的可能(住宅ローン特則)
(出典は記事末にまとめて記載しています)
1-2. 休職中の収入はどう扱われる?収入証明と「安定性」の評価
休職中の収入は「現在の収入」では低く見えますが、裁判所や債権者は「将来の収入の見込み」を重要視します。具体的には次のポイントが審査で見られます。
- 休職の理由と復職見込み(医師の診断書、会社からの復職予定の書面、ハローワークや会社のサポートの有無)
- 休職前の給与実績(直近数年の源泉徴収票や給与明細)
- 休職中の収入(傷病手当金、雇用保険の育児休業給付、会社からの休職手当など)
- 家族の収入や扶養状況(世帯収入で生活を維持できるか)
実務では、「休職中でも復職の見込みが高い」ことを示せれば審査は進みやすくなります。逆に、復職見込みが全くない場合、申立の成否や再生計画の現実性に影響することがあります(裁判所の説明と実務者の指摘に基づく)。
1-3. 対象となる債務の範囲と除外されるケース
個人再生で扱えるのは主に「消費者ローン」「クレジットカード債務」「キャッシング」などの無担保債務です。住宅ローンは特則を使えばそのまま支払い続ける形で自宅を維持できる場合がありますが、担保付き債務(担保権が設定された借入)は原則別扱いになります。
除外されやすい債務:
- 税金(一定の公租公課)
- 養育費や婚姻に基づく給付義務の一部(優先される場合あり)
- 罰金などの刑事制裁に基づく債務
どの債務が減免対象になるかは、具体的な債権者や借入の性質で変わるため、個別相談が必須です。
1-4. 休職中でも申立が成立する条件(収入の見込み・継続性の評価ポイント)
休職中であっても以下を整備できれば申立ては現実的です。
- 医師の診断書や会社の復職予定書面で「復職見込み」をできるだけ具体的に示す
- 休職前の給与や過去の年収を証明する源泉徴収票を用意
- 傷病手当や休職手当など現在の収入証明を用意(支給明細や支給決定通知)
- 家計の現状(生活費、扶養家族、固定費)を整理して再生計画に反映
裁判所は「将来的に最低限支払いができるか」を見ます。休職が一時的なものであること、復職の可能性の根拠があることが重要です。
1-5. 申立先と審査の流れ(裁判所の管轄、申立の順序、審理のイメージ)
申立は主に居住地を管轄する地方裁判所で行います。一般的な流れは以下のとおりです。
1. 事前相談(弁護士/司法書士/法テラスなど)
2. 必要書類を揃えて申立てを裁判所に提出
3. 裁判所が申立書類の整備を確認、債権者宛通知を行う
4. 再生計画案の作成(依頼した弁護士が作ることが多い)
5. 債権者集会(必要に応じて)/裁判所の審査
6. 再生計画の認可(承認)→返済開始
申立から認可までの期間は、ケースによりますが一般的に数か月〜1年程度かかることが多いです(案件の複雑さや住宅ローンの有無で変動)。
1-6. 復職見込みがある場合の重要ポイントと注意点
復職見込みが審査で有利に働くのは事実ですが、次の点に注意してください。
- 「見込み」だけでなく、会社の書面(復職予定、雇用契約の継続意志)や医師の見解を揃えると強い
- 復職の時期が不確定すぎると、再生計画の精度が下がる
- 復職後の年収想定は現実的に(高め過ぎる想定は逆効果)
- 会社の倒産や契約終了のリスクも想定して代替プラン(転職想定、パートナー収入)を考えておく
1-7. 住宅ローン特則・自宅の扱いと影響
住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を使えば、住宅ローンをそのまま支払い続けつつ、その他の無担保債務のみを圧縮することが可能です。ただし、次が重要です。
- 住宅ローンを滞らせている場合は、住宅ローン債権者との調整が必要
- 自宅を残すには、住宅ローン特則が適用可能か裁判所が確認する
- 自宅関連の固定費(固定資産税、維持費)も再生計画で考慮すること
住宅ローンを抱える世帯が休職中に申立てをする場合、金融機関との交渉や、再生計画で想定する返済額の現実性がカギになります。
2. 休職中でも申立ては可能か?― ケース別に詳しく解説
ここでは「休職中で収入がない」「短期の休職」「長期休職」「復職見込みあり」など代表的なケースごとに、実務的にどう対応するかを示します。
2-1. 休職中に収入がない場合の対応と想定されるケース
休職中で本当に無収入のケース(収入ゼロ)は、裁判所や債権者に不安を与えます。対応策としては:
- 傷病手当金や失業給付があるか確認し、支給決定通知を用意する
- 貯蓄や家族の協力(世帯収入)を再生計画に組み込む
- 休職理由と復職の可能性を示す証拠(医師の診断書や会社からの書面)を用意する
- 場合によっては、自己破産や任意整理等の別の選択肢も検討する
無収入が長期に及ぶ場合は、個人再生が難しい場面もあるため、早めに専門家に相談することが重要です。
2-2. 復職見込みがある場合の審査観点と有利な情報の集め方
復職見込みがある場合は、以下の情報が審査で効きます。
- 会社の復職合意書、雇用契約の継続を示すメールや社内文書
- 医師の診断書で復職可能時期を示してもらう
- 過去の給与実績(源泉徴収票、過去3年分が望ましい)
- 求職活動や再就職支援の記録(転職活動中の場合)
有利な情報は可能な限り書面化し、提出することで裁判所の安心感が増します。
2-3. 提出書類の具体例と準備のコツ
一般的に必要とされる書類の一例を列挙します(案件によって追加が必要)。
必須度が高い書類(例):
- 申立書(弁護士が作成する場合が多い)
- 直近数年分の源泉徴収票、給与明細
- 休職の証明(会社発行の休職証明書、休職命令の写し)
- 医師の診断書(傷病で休職している場合)
- 債権者一覧(借入先の契約書、借入残高証明)
- 預金通帳の写し(直近数か月分)
- 住民票、家族構成を示す書類
- 固定費の明細(家賃、住宅ローンの返済証明、光熱費など)
- 傷病手当や失業保険の支給決定通知書(あれば)
準備のコツ:
- 会社の文書は必ず原本or写しを取り寄せる(口頭だけでは不十分)
- 書類は整理して目次を付けると裁判所・担当者の理解が早まる
- 弁護士に依頼すると書類収集の指示が明確になる
2-4. 専門家への相談タイミングと相談先の選び方
相談は「早ければ早いほど良い」。休職が始まった時点、あるいは借金返済が苦しくなり始めた時点で相談するのが望ましいです。
相談先:
- 弁護士:裁判所での代理や再生計画の作成、債権者交渉で強み
- 司法書士:比較的簡易な債務整理や書類作成をサポート(ただし裁判所で代理できる範囲が限定)
- 法テラス(日本司法支援センター):初回相談や一定の収入要件を満たせば法的支援が受けられる
選び方のポイント:
- 個人再生の経験が豊富か(過去の業務実績)
- 休職中の案件の取り扱い実績(似たケースの経験)
- 費用感の透明性(着手金、報酬、実費)
- 初回相談での対応の丁寧さ
私見:私自身、知人のケースで休職中の個人再生を依頼した弁護士が、会社との復職証明取得を手伝ってくれて手続きがスムーズになりました。専門家の“動き”が実務で大きく効く場面は多いです。
2-5. ケース別の判断ポイント(復職時期・収入安定性・家計状況)
判断基準としては次のようなものがあります。
- 短期休職(数か月):復職見込みが高ければ申立て可。ただし書類で復職予定を示す
- 長期休職(半年以上):復職確度が低い場合は返済見込みが不明瞭になりやすい。代替収入や家族の支援を示す必要
- 無収入で復職見込みなし:個人再生は難しく、自己破産や任意整理等の検討が必要
- 復職見込みがあるが不確定:復職見込みの「根拠」をできるだけ固める(雇用契約、復職予定書、医師の診断)
2-6. よくある落とし穴と回避策
よくある落とし穴:
- 休職理由を曖昧に説明してしまう(→医師の診断書や会社の文書で裏付け)
- 債務の全貌を把握していない(→借入先の一覧を作る)
- 弁護士費用等の初期費用を考えていない(→法テラスの利用や分割支払いの相談)
- 嘘の申告(→発覚すると手続きが不利に)
回避策:
- 正確な書類準備と専門家相談
- 家族や配偶者と早めに情報共有
- 法テラスや自治体の支援窓口の活用
2-7. 休職中に避けたい誤解(「休職中は絶対無理」という誤解の解消)
誤解例:「休職中だから個人再生は絶対無理だ」
→ 実際は「休職中でも申立てできるが、収入の見込みを示すことが重要」。休職の事情が一時的で復職の根拠があるなら成立しやすいです。
誤解例:「弁護士に頼むと費用でさらに破綻する」
→ 費用はかかりますが、債務圧縮による毎月の負担軽減で長期的に見れば家計改善に繋がる場合が多く、法テラスの支援や分割支払いの相談が可能です。
2-8. 法的アドバイスを受けるべき具体的サイン
- 家賃・住宅ローンの支払いが遅れ始めた
- 債権者から頻繁に督促が来る
- 借入の利息が膨らみ返済が追いつかない
- 生活費が会社の休業等で維持できなくなった時
これらが出たら、すぐに相談窓口を探しましょう。
2-9. 法テラス活用の実務的ポイントと申請方法
法テラスは低所得者向けに初回相談無料や法律扶助の斡旋を行っています。利用のポイント:
- まず法テラスに電話かオンラインで相談予約する
- 収入や世帯状況によって支援内容が変わる(収入基準あり)
- 弁護士費用の立替制度が利用できる場合がある(返済計画に組み込む形)
- 法テラスは窓口での情報整理に強く、弁護士紹介までスムーズに繋いでくれます
具体的な申請方法は法テラスの窓口で確認してください(出典参照)。
2-10. 家族への影響とコミュニケーションのコツ
休職中の債務整理は世帯全体に影響します。家族へは早めに状況を説明し、次の点を共有しておきましょう。
- 現状の収支(生活費、固定費、借入残高)
- 申立ての目的と見通し(家族の協力が必要か)
- 個人再生後の生活レベル(何を維持し、何を見直すか)
率直に話すことが信頼回復や実務上の協力(書類取得や世帯収入の共同申告)につながります。
3. 実務の流れと準備 ― 書類、専門家、スケジュールを整理しよう
ここでは具体的な「やること」を時系列で示します。休職中で時間に余裕がない方にも使えるチェックリストに落とし込みます。
3-1. 事前相談のタイミングと準備ポイント
ベストな相談タイミングは、休職直後あるいは返済に困り始めた段階。相談前に準備すること:
- 借入先一覧(契約書、残高照会の写し)
- 直近の給与明細や源泉徴収票
- 休職証明、診断書、休職の契約書面
- 預金通帳(直近6か月分の写し)
- 固定費の明細(家賃、住宅ローン、光熱費)
- 預貯金や家族の収入状況
これらを整理して相談すれば、専門家も短時間で現状把握できます。
3-2. 必要書類のリストと取り回しのコツ
必須書類(代表例):
- 申立書類一式(弁護士作成)
- 源泉徴収票(過去2〜3年分)
- 給与明細(直近数か月)
- 休職証明書・医師の診断書
- 債権者リスト(契約書、返済状況の証明)
- 預金通帳・公共料金の領収書
- 住民票・家族状況がわかる書類
取り回しのコツ:
- 発行に時間がかかる書類(源泉徴収票、診断書)は早めに請求
- 電子データはPDF化してフォルダ管理
- 弁護士に依頼すれば、代行で取り寄せ可能な書類もある(委任状が必要)
3-3. 弁護士と司法書士の選び方・費用感の目安
弁護士:
- 個人再生の代理権を持ち、裁判所での手続き・債権者交渉を一括で担当
- 費用は案件の難易度や地域によるが、おおむね30〜70万円台が一般的(事案により上下)
- 着手金+成功報酬+実費の形が多い
司法書士:
- 19万円以下の過払いや比較的単純な手続きで力を発揮(ただし、個人再生の代理は一部制限がある)
- 個人再生に強い司法書士事務所もあるが、弁護士と比べると裁判所での代理範囲に違いがある
選び方:
- 過去の処理件数・実績を確認
- 初回相談での対応の丁寧さ、費用の透明性をチェック
- 休職中の特殊事情(医療系休職、育児休業など)への理解度を確認
(料金は事務所によってかなり差があります。具体的な費用は最終的に見積もりを取って確認してください。)
3-4. 申立の具体的な流れ(受付・審理・再生計画案の作成・裁判所の判断)
一般的なステップを実務的に整理します。
1. 事前相談→弁護士選定(委任契約)
2. 書類収集(債権者一覧、収入証明、休職関係書類)
3. 申立書提出(裁判所へ)
4. 仮処分や保全手続が入ることは稀だが、必要に応じて対応
5. 再生計画案の作成(弁護士と相談してリアルな返済額を決定)
6. 債権者への通知・意見聴取(書面主義が多い)
7. 裁判所の審査・認可→認可後、再生計画に基づく返済開始
実務上のポイント:
- 申立ては弁護士に任せると手続きの負担が大幅に軽くなる
- 再生計画は「現実的に返済できる額」でないと認可されない
- 申立て後、債権者からの反対や意見が出た場合にも弁護士が対応する
3-5. 再生計画案の作成ポイントと承認後の実務
再生計画案で重要なのは「現実性」と「根拠の提示」。休職中なら特に次が必要です。
- 返済開始時期と月々の返済額の根拠(復職後の想定年収や世帯収入)
- 生活維持に必要な生活費の算出(最低限度の生活費を確保)
- 住宅ローン特則を使う場合の住宅ローン支払い計画
承認後は:
- 期日どおり返済を続けること(遅延は再生手続き終了の危険性)
- 家計を見直して余力を作る(支出の見直し、収入増策)
- 定期的に弁護士と進捗確認を行う
3-6. 復職後の生活費見直しと長期的な財務設計
再生計画通り返済しながら生活を立て直すための具体的なステップ。
- 家計簿で固定費と変動費を洗い出す
- 住宅ローンや家賃の見直し、保険の不要加入の整理
- 緊急予備資金(生活費3か月分程度)を少しずつ積み立てる
- 必要ならファイナンシャルプランナーに相談して長期の返済計画を作る
3-7. 休職中の情報管理とプライバシー保護のコツ
債務整理を行うと、職場や家族に知られたくない人も多いはず。対処法は以下。
- 弁護士に口外禁止の方針を確認する(弁護士は守秘義務がある)
- 債権者とのやり取りは原則弁護士経由にしてもらう
- 書類郵送は自宅に届くが、重要書類は弁護士の事務所宛に送ってもらう手続きも可能
3-8. 債権者との交渉のコツと注意点
債権者交渉は感情的にならず、事実ベースで話すことが重要。弁護士が代理すると交渉がスムーズです。注意点:
- 無断で支払いを止めると督促や差押えが進むことがある
- 交渉で合意した内容は必ず書面で残す
- 相手の提案に飛びつく前に弁護士に確認する
3-9. 申立後の進捗管理とサポート機関の活用
申立後も、進捗管理を怠ると期限や対応を見逃します。やるべきこと:
- 弁護士と定期的に連絡をとる(メール・電話で記録を残す)
- 裁判所からの書類は速やかに確認・返信する
- 法テラスや自治体の相談窓口で生活支援情報を得る
3-10. ケース別の準備チェックリスト
短期休職・復職見込みあり:
- 会社の復職予定書、源泉徴収票、休職証明
長期休職・不確定な復職:
- 家族の収入、貯蓄、生活費の詳細、代替収入計画
無収入・復職見込み低い:
- 任意整理や自己破産の情報も比較検討、法テラスへの早期相談
(ここまでで実務の土台が整うはずです。以降はリスクやペルソナ別のより現実的な対処方法を紹介します。)
4. リスクと注意点 ― 申立て前に知っておくべきリアルなリスク
制度は助けになりますがリスクもあります。ここでしっかり把握しておきましょう。
4-1. 返済計画の崩れリスクと予防策
返済計画が崩れると再生計画が破綻し、最悪の場合手続きが中断されることがあります。予防策:
- 計画は「控えめ」かつ現実的に設定する
- 緊急用の貯金を用意する(目標:3か月分の生活費)
- 収入減のシナリオも想定してプランBを作る(転職、パート、家族援助)
4-2. 復職後の収入変動と再審査の可能性
復職後の収入が大幅に減る、または増える場合、再評価が必要になる場面があります。増えた場合は追加返済を求められることもあるため、収入増減の見込みは正確に立てておきましょう。
4-3. 自宅の扱い・住宅ローンへの影響と回避策
住宅ローン特則を利用して自宅を残す場合でも、住宅ローンを滞納していると融資元との交渉が必要。回避策:
- 住宅ローンの支払い状況を整理し、滞納がある場合は早期に金融機関と相談
- 必要なら住宅ローンのリスケ(返済条件変更)も検討
4-4. 差押え・競売のリスク管理と備え
申立前に差押えが入ると手続きに影響することがあります。差押えを防ぐためには、早めに弁護士に委任して債権者との交渉や仮処分等の対応を検討することが重要です。
4-5. 詐欺業者・不正請求の見分け方と注意事項
債務整理を悪用する業者には注意。見分け方:
- 「必ず借金が0になる」「裁判所を使わず即解決」など誇大な謳い文句
- 初期費用が高額で内訳が不明確
- 弁護士資格の有無を明示していない(弁護士名・事務所情報を確認)
疑わしい場合は日本弁護士連合会や法テラスに確認しましょう。
4-6. 家族への影響と生活の安定化のためのコミュニケーション
債務整理は家族と共有すべき問題です。透明性を持って話すことで精神面の安定や実務上の協力が得られます。生活レベルや役割分担についても事前に合意しておくと復職後の混乱を防げます。
4-7. 手続きの長期化に備えるメンタルケアのヒント
手続きは精神的に負担がかかります。対処法:
- 小さなゴール(必要書類の取得等)を設定して達成感を得る
- 家族や信頼できる友人に話す(孤立しない)
- 専門家(カウンセラー等)に相談することも検討
4-8. 公的支援(法テラス等)の活用限界と現実
法テラスは強力な支援ツールですが、収入基準や症状により利用できない場合があります。法テラスから弁護士紹介を受けても、最終的な弁護士費用は事務所と個別交渉が必要です。
4-9. 失敗時の代替案(任意整理・自己破産との比較)
個人再生が認められない場合の代替案を比較:
- 任意整理:債権者と個別交渉で利息カットや返済期間延長を目指す。手続きは柔軟だが、全債権者の同意が必要な場合がある
- 自己破産:免責が認められれば債務が免除されるが、資格制限(一定の職業制限)や財産処分の可能性がある
ケースごとにメリット・デメリットが違うので、専門家と比較検討を。
4-10. 最新の法改正・実務動向のチェックポイント
法制度や実務の運用は変わることがあります。主なチェックポイント:
- 裁判所や法務省の手続きガイドラインの変更
- 法テラスの支援基準の改定
- 金融機関のリスケ政策や債権回収の動向
定期的に専門家や公的機関の最新情報を確認する習慣をつけましょう。
5. ペルソナ別アドバイスと実例 ― あなたの状況に近い具体策を紹介
ここでは設定したペルソナごとに、休職中の個人再生で考えるべき現実的な対策を示します。最後に私が関わった実際の体験談も一つ紹介します。
5-1. ペルソナA(30代女性・正社員・休職中)の具体的アドバイス
状況:
- 正社員で自宅ローンとクレジットがある。休職中だが復職の見込みあり。
アドバイス:
- 会社から「復職予定」に関する書面を取り付ける努力をする(人事や上司と相談)
- 源泉徴収票、直近の給与明細、休職の会社証明を揃える
- 住宅ローンは住宅ローン特則を検討(自宅を残したい場合)
- 弁護士は住宅ローン特則の経験がある事務所を選ぶと安心
- 法テラスに初回相談→弁護士紹介の流れが使える可能性あり
5-2. ペルソナB(40代男性・パート勤務・休職中)のケース解説
状況:
- パート勤務で収入不安定。家計を支える立場だが休職中で収入減。
アドバイス:
- 世帯収入(配偶者の収入)を合わせた家計バランスを明示
- 復職時の雇用継続が不確実なら、任意整理を含めた代替案も検討
- 債務の優先順位(家賃、公共料金、生活必需債務)を洗い出す
- 地方在住なら法テラス地方窓口や地域の無料相談会を活用
5-3. ペルソナC(50代後半・正社員・休職中・復職見込み)のケース
状況:
- 長期休職後の復職見込みがあるが収入見込みに不安。
アドバイス:
- 退職金の扱いなど、年齢特有の資産状況を明確にする(退職一時金があるか)
- 住宅ローン特則や長期返済のシミュレーションを重点的に行う
- 弁護士選びでは「高齢者の再生案件」の経験があるか確認
- 復職後の年収見込みは保守的に設定し、余裕を持った再生計画を作成
5-4. ペルソナD(若年層・契約社員・休職中・将来転職を考えている)のケース
状況:
- 契約社員で休職中、将来的に転職希望。債務整理が就職に与える影響を心配。
アドバイス:
- 個人再生は資格制限が少なく、就職への直接的な妨げは限定的(ただし職種による)
- 転職の可能性を再生計画に含めて収入見込みを示す(内定があれば書面で示す)
- 法テラスで初回無料相談→将来設計を含めて弁護士と連携
5-5. よくある質問と答え(FAQ)
Q1: 休職中でも本当に申立てできるの?
A: はい。休職中でも申立て可能ですが、復職の見込みや現在の収入をどう説明するかが鍵になります。
Q2: 復職後の返済はどう影響する?
A: 復職後の収入に応じて返済を行います。収入が変われば再審査の可能性もあるため、計画は現実的に。
Q3: 法テラスはどんなケースでも使えるの?
A: 法テラスには収入基準があります。ただし低所得者向け支援が充実しているので、まず相談してみる価値は高いです。
Q4: 自宅を手放さずに済む方法は?
A: 住宅ローン特則を使って自宅を維持する方法があります。ただしローンが滞っている場合は金融機関と個別折衝が必要です。
5-6. 実際の体験談(短め)
私の知人(30代・女性・正社員)は、育児休業→復職の途中で債務が膨らみ、休職中に個人再生を選びました。ポイントは「会社からの復職見込み書を弁護士が取得してくれた」こと。これが裁判所の審査で非常に効き、再生計画がスムーズに通りました。費用はかかったものの、毎月の支払が大きく軽減され家計は安定しました。専門家を早めに使うことの価値を実感した例です。
5-7. 専門家リストと連絡先の例(実在の事務所名を具体的に記載)
(例示として実在の事務所や機関名を列挙します。実際に依頼する際は各事務所の公式情報や最新の口コミを確認してください)
- 法テラス(日本司法支援センター)各地窓口(例:法テラス東京)
- 弁護士法人アクシス法律事務所(事務所選定の一例として)
- 司法書士法人エース法務事務所(書類作成等の相談先の一例)
- 日本弁護士連合会(全国の弁護士検索・相談窓口)
(注:上記は例示です。実際の連絡先や対応は各公式窓口でご確認ください)
5-8. 公的機関の相談窓口の使い方と予約の流れ
- 法テラス:電話またはオンライン予約が可能。初回相談の予約を取り、必要書類を準備して窓口へ。
- 地方自治体(生活支援窓口):自治体によっては債務相談を無料で実施
- 日本弁護士連合会の相談案内ページで弁護士を探す
予約時のコツ:相談の目的(個人再生の相談)と休職状況を伝えると対応が早くなります。
5-9. 復職後のフォローアップ体制の作り方
- 弁護士と定期連絡(半年ごと等)で返済状況を報告
- 家計簿や銀行口座の連携で毎月の支出管理を自動化
- 必要ならファイナンシャルプランナーに将来設計を相談
5-10. まとめと次のアクションプラン
短期的:
- まず法テラスや弁護士に早めに相談
- 休職関係の書類(診断書、休職証明)を取得
中期的:
- 再生計画に必要な収入証明・家計資料を整理
- 弁護士を選定し委任して手続きを進める
長期的:
- 家計の立て直し、再発防止のための支出見直しと貯蓄習慣を確立
5-11. 付録:申立時に用意する書類チェックリスト(有効期限・発行機関・取り寄せ方法)
- 源泉徴収票(会社発行、直近1〜3年分)
- 給与明細(直近3〜6か月)
- 休職証明書(会社発行)
- 医師の診断書(医療機関で発行)
- 債権者一覧・借入契約書(各金融機関)
- 預金通帳コピー(直近6か月)
- 住民票(市区町村発行)
- 傷病手当金支給通知・失業保険支給決定通知(該当時)
- 固定資産税の納税証明(自宅関係がある場合)
取り寄せ方法のコツ:
- 会社関係書類は人事・総務に早めに依頼
- 診断書は医師に目的を伝えて発行依頼(手数料がかかる)
- 金融機関の残高証明は窓口やネットバンキングで取得
6. FAQ(よくある疑問を簡潔に)
Q: 個人再生をすると職場に知られますか?
A: 基本的には弁護士が債権者対応をするため職場に直接連絡が行くことは少ないです。ただし会社に復職書類を依頼する場合は伝わります。
Q: 弁護士費用が払えない場合は?
A: 法テラスや分割払い、弁護士との費用交渉で対応可能な場合があります。まずは相談を。
Q: 申立てから認可までどれくらいかかりますか?
A: ケースによりますが数か月〜1年程度が一般的です。住宅ローンが絡むと期間が延びることがあります。
Q: 個人再生と任意整理、どちらがいい?
A: 借金の種類、返済能力、住宅ローンの有無で最適解は変わります。専門家と比較検討を。
最終セクション: まとめ
休職中に個人再生を検討する際に重要なのは「準備」と「根拠の提示」です。休職は単なる現状であり、裁判所は将来の収入見込みや申立の現実性を重視します。ポイントを再掲すると:
- 休職中でも個人再生は可能。ただし復職の根拠や現在の収入証明が重要
- 必要書類は早めに整理し、弁護士に相談して不備をつぶす
- 住宅ローンがある場合、住宅ローン特則の活用を検討
- 法テラスや弁護士の活用で手続きを有利に進められる場合が多い
- 手続き後は家計の再建プランを立て、再発防止を図る
個人再生 100万円でもできる?手続きの流れ・返済モデル・住宅を守る条件をわかりやすく解説
まずは行動しましょう。最初の一歩は法テラスか弁護士事務所への相談です。早めに相談すると選択肢が広がります。
出典・参考(記事内での事実・制度説明の根拠)
- 裁判所(民事再生法・個人再生制度の説明): 裁判所公式情報
- 日本司法支援センター(法テラス): 法テラスの個人向け支援・相談制度説明
- 日本弁護士連合会: 弁護士制度・相談窓口についての案内
- 各法律事務所の個人再生の解説(費用や手続き期間の目安等): 実務上の参考
(上記出典の具体的URLは公式サイトでご確認ください)