個人再生の圧縮率を徹底解説|目安・計算方法・住宅ローン特例の影響までわかりやすく

個人再生で失敗しないために※必読ガイド-債務整理の前に-

個人再生の圧縮率を徹底解説|目安・計算方法・住宅ローン特例の影響までわかりやすく

債務整理弁護士写真

この記事を読むことで分かるメリットと結論

結論を先に言うと、個人再生の「圧縮率」はケースごとに幅がありますが、一般的には「数分の1程度に減ることが多い」一方で、再生計画で決まる弁済総額は「清算価値(自己破産での配当見込み)」「可処分所得に基づく基準」「債権者との調整」の三要素で決まります。住宅ローン特例を使えば住宅ローンは通常そのまま残しつつ他の債務だけ圧縮でき、生活を維持しやすいのが特徴です。本記事では、「個人再生 圧縮率 どれくらい」「圧縮率の計算」「住宅ローン特例の影響」「実務の流れ」「相談先まで」を具体例と数値イメージで丁寧に解説します。申立て前の不安がかなり軽くなるはずです。



1章:個人再生と圧縮率の基本知識 — まずは全体像を掴もう

個人再生(個人民事再生)は、裁判所を通じて再生計画を立て、債務(借金)の支払総額を圧縮する手続きです。自己破産と違い、原則として財産の大部分を処分せずに生活を続けられること、そして住宅ローンを残したまま自宅を守れる「住宅資金特例」が使える点が大きなメリットです。

- 個人再生が向く人
- 住宅ローンを抱えつつ他の借金を減らしたい人
- 自己破産を避けたい(職業制限や資格への影響を避けたい)人
- 定期的な収入があり、再生計画の返済を続けられる見込みがある人

- 圧縮率とは何か
- 「圧縮率」とは、申立て前の総債務(元本)に対して、再生計画でどれだけ残るか(弁済されるか)の割合を指します。たとえば総債務が500万円で、再生計画で弁済総額が100万円なら圧縮率は100/500=20%です。実務上は「圧縮率=弁済総額/元本」で考えます。

- 圧縮率が決まる仕組み(要点)
1. 清算価値(自己破産した場合に債権者に配当されるであろう金額)を下回らないこと。
2. 「給与所得者等再生」では原則として可処分所得×3年分を下回らないこと。
3. 債権者の意見や債権者集会の結果で調整されることがある。

具体的な圧縮率はケースバイケースですが、次章で計算方法と典型例を見ていきます(数字は実務例を元にしています)。

1-1. 個人再生とは何か?民事再生法の考え方

民事再生法は、企業再生の枠組みを個人に適用したものです。個人再生では「再生計画案」を作って裁判所に認可してもらい、その計画に従って債務を弁済します。裁判所は計画が適法かつ債権者の公平を保つかを審査します。

- 小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
- 小規模個人再生:債権者の同意を得るタイプ(小規模な事業者・主婦なども使える)
- 給与所得者等再生:会社員など安定した給料がある人向け。可処分所得に基づく基準が強く影響します。

- 生活再建を重視した制度
- 自宅を残して生活を立て直す意図が強く、住宅ローン特例がある点が大きな特色です。

(一言)相談を受けると、多くの方が「いったん明確な数字で把握したい」と言います。制度の枠組みを知るだけで心理的な負担がぐっと下がりますよ。

1-2. 圧縮率とは何を意味するのか(噛み砕き解説)

圧縮率=弁済総額 ÷ 再生開始時の総債務(※元本ベースで示すことが多い)です。ここでの「弁済総額」は利息や手続費用も含めた再生計画で支払う合計額のイメージですが、裁判所の認可では主に元本の弁済割合が問題になります。

- 例:借金800万円、再生計画の弁済総額が200万円なら圧縮率は25%。
- 注意:住宅ローン特例を使えば住宅ローン部分は別扱いになるため、全体の「見かけ上の圧縮率」は変わる。住宅ローンを外すと「他の債務400万円→弁済100万円(25%)」のように計算されます。

1-3. 圧縮率が適用される範囲と適用条件

圧縮の対象は主に「再生手続で扱う債権(通常は住宅ローン以外の無担保債務や一部の担保外債務)」です。担保付き債務(担保権が実行されれば担保物が処分される債務)は基本的に担保価値の範囲で扱われ、全額圧縮されるとは限りません。

- 適用条件のポイント
- 債権者の一覧を裁判所に提出し、認められた債権が圧縮対象。
- 連帯保証や共同債務は別の問題(保証人に影響)となるため、対処が必要。
- 住宅ローン特例を使うか否かで圧縮対象が大きく変わる。

1-4. 圧縮率と住宅ローン特例の関係

住宅ローン特例を使うと、「住宅ローン」自体は原則として圧縮しません(ローンはそのまま残す)。その代わり、他の債務だけを圧縮して毎月の負担を軽くし、住宅を保持する道を確保します。

- 住宅ローン特例のメリット
- 住宅を手放さずに生活基盤を守れる。
- 他の負債を圧縮することで月々の負担を減らせる。

- デメリット・注意点
- 住宅ローンを滞納すると差押えのリスクは残る。
- 保証人がいる場合、保証人の負担は変わる可能性がある(保証債務は別途扱われる)。

1-5. 圧縮率の上限・実務上の幅(典型的な目安)

裁判所や実務家の説明を踏まえると、圧縮率は一般的に「非常に幅がある」と言えます。例えば、小規模個人再生で債務が比較的大きい場合は圧縮率が低くなる(大きく減る)こともあれば、給与所得者等再生では可処分所得により一定の弁済水準が確保されるため圧縮幅が限定される場合もあります。

- 実務的な目安(あくまで参考)
- 圧縮後の負担が「元本の2割〜5割程度(圧縮率20〜50%)」となるケースはよく見られる。
- 可処分所得が少ない場合は「さらに低い弁済総額(=圧縮率が小さい)」になる傾向がある。

数値を出す際は、次章の計算例で実際の算出過程を示します(必ず専門家と確認してください)。

1-6. 生活再建の視点からみた圧縮率の意味

圧縮率が小さい(=借金が大きく減る)ほど短期的な負担は軽くなりますが、再生計画で定めた期間(通常3年〜5年など)を着実に返済できることが前提です。重要なのは「返済可能な計画か」と「生活が再建できるか」です。

- 再生後に注意すべきポイント
- 生活費の見直しと再生計画に沿った資金繰り
- 信用情報の回復には時間(約5〜10年)がかかる
- 再生中の新たなクレジット利用は基本的に制限されることが多い

1-7. 申立ての基本的な流れ(大まかなスケジュール)

1. 相談(弁護士・司法書士・法テラスなど)→現状把握
2. 必要書類の取得・整理(収入証明、家計収支表、債権一覧など)
3. 申立て書類の作成・裁判所への申立て
4. 保全管理・監督委員の選任(ケースによる)
5. 再生計画案の提示・債権者集会(必要時)
6. 裁判所の認可・弁済開始
7. 再生計画完了(または履行中の監督)

通常、申立てから認可まで数か月(3〜6か月程度)が多いですが、事案の複雑さ次第で長引くことがあります。

(体験談)私が相談を受けたケースでは、書類の準備に時間がかかり申立てまでに2か月、申立て後の裁判所手続きで合計5か月ほどかかりました。準備期間に家計の劇的な改善(支出カット)をせずに済んだのが救いでした。

2章:圧縮率の算出と影響を理解する — 計算方法を具体例で学ぶ

ここからは、圧縮率の考え方と計算方法を具体的なステップと例で示します。数式はシンプルに示すので、自分のケースに当てはめてイメージしてみてください。

2-1. 圧縮率の定義と計算の基本的な考え方

圧縮率 = 再生計画での弁済総額 ÷ 再生開始時の総債務(元本)

弁済総額は以下の3つの基準のうち最大のもの(=最低限こちらを満たす必要がある)で決まります。
1. 清算価値(=自己破産した場合に残る財産価値に基づく金額)
2. 可処分所得×一定期間(給与所得者等再生では可処分所得×3年が目安)
3. 法律その他で定める最低限度(裁判所の審査で実務上決まる部分)

このため、清算価値が高ければ圧縮幅は限定され、可処分所得が高ければ弁済義務が高くなる、という関係です。

2-2. 再生計画案の作成プロセスと関係性

再生計画案は、債務者が作成して裁判所および債権者に提示する文書です。内容は主に以下を含みます。
- 申立て時点の債務一覧(債権者ごとに金額、利率、担保の有無)
- 再生後の弁済額と期間(月々の返済額)
- 免除される金額(圧縮される元本)
- 収入・支出の見通し、生活維持のための必要経費

裁判所はこれを審査し、必要があれば修正を求めます。債権者集会では債権者が反対することもあります(小規模個人再生では一定数の反対があると否決される可能性があるため注意)。

2-3. 総債務と再生計画の関係性(計算例)

例1:給与所得者Aさん(30代・独身)
- 総債務:800万円(無担保債務600万、住宅ローン200万)
- 可処分所得(月):20万円 → 年間可処分所得:240万円 → ×3年=720万円
- 清算価値:自宅を残す想定で20万円(低い)

解釈:
- 可処分所得×3年=720万円が弁済の最低ライン(給与所得者等再生の基準)
- ただし住宅ローン200万円は住宅資金特例を使いそのまま継続扱いにすれば、圧縮対象は無担保債務600万円のみ
- 再生計画での弁済総額を600万円に対して例えば120万円(圧縮率20%)とするには、可処分所得基準に照らして問題がないか慎重に確認する必要がある(上のケースでは720万円が基準なので、別の調整が必要)

例2:自営業Bさん(収入が落ちているケース)
- 総債務:500万円(無担保)
- 可処分所得が低い→可処分所得×3年が例えば150万円
- 清算価値が低ければ、弁済総額150万円=圧縮率30%が目安になる可能性がある

ポイント:
- 可処分所得がボトムラインとなることが多く、給与所得者はそこが重くなる傾向。
- 自営業者でも事業収支をどう見積るかで弁済額が変わる。

2-4. 住宅資金特例の適用条件と影響(具体的に)

住宅資金特例は、住宅ローンがある債務者が自宅を保持しつつその他の債務を整理するためのルールです。主なポイントは以下。

- 適用条件(代表的なもの)
- 自宅が「居住用である」こと
- 住宅ローンの返済を継続する意思と能力があること
- 再生計画で住宅ローンの優先弁済について明確にすること

- 影響
- 住宅ローンは再生計画の対象から外れる形で扱われる(旧債務はそのまま残り、新しい支払条件で継続することが前提)
- 他の債務だけが圧縮されるため、他債務の圧縮率が高く見える

(実務ヒント)住宅資金特例を使うときはローン返済見通しを丁寧に示す必要があります。銀行と交渉する場合もあるので弁護士のサポートが重要です。

2-5. 圧縮率と返済期間・月々の返済の関係

圧縮率と返済期間はトレードオフの関係にあります。弁済総額を同じに保ったまま返済期間を延ばせば月々の負担は下がりますが、個人再生では期間についての制約や裁判所の判断が絡みます。

- 代表的な返済期間の扱い
- 給与所得者等再生:原則として3年または5年とされることが多い(裁判所の裁量や債権者との調整により異なる)
- 小規模個人再生:期間は再生計画案により柔軟に提示可能

- 月々の返済額の計算イメージ
- 弁済総額 ÷ 返済月数(例:弁済総額300万円、返済期間3年→月々約83,333円)

2-6. 実務例とケーススタディ(典型ケースの図解)

ケースA(住宅ローンあり・給与所得者)
- 総債務:1,200万円(住宅ローン700万、無担保債務500万)
- 可処分所得基準:可処分所得年120万→3年で360万
- 住宅資金特例を適用→住宅ローンはそのまま、無担保債務500万に対して弁済総額を360万以下に減らすことが可能かを検討
- 最終的に無担保債務が120万に減額されれば圧縮率は24%(120/500)

ケースB(自営業・収入減)
- 総債務:800万(無担保)
- 可処分所得年50万→3年で150万
- 清算価値も低い→弁済総額150万で計画作成→圧縮率18.75%

(注)上の数字はモデルケースの例示です。実際の判断は裁判所や監督委員、債権者の反応によります。

2-7. 専門家に相談すべきタイミングと判断材料

相談は「困ったら早めに」が鉄則です。文書の取得や過去の履歴の確認、収入証明の整理は時間がかかります。特に以下の状況ではすぐ相談を。

- 借金の返済が3か月以上滞りがち、差押えの可能性があるとき
- 住宅ローンの滞納が始まったとき(競売・任意売却のリスクを下げたい場合)
- 保証人がいる債務があるとき(保証人保護の観点も重要)
- 事業収入が急に落ちた/失業したとき

判断材料としては「総債務額」「毎月の可処分所得」「清算価値(換価可能な財産)」「住宅の位置づけ(保持したいか)」が重要です。

3章:ケース別の実務プロセスとポイント — 実務でよくあるパターンごとに解説

ここでは代表的なケースごとに、実際の手続きと注意点を整理します。各セクションで「具体例+チェックリスト+Q&A」を示します。

3-1. 給与所得者のケースの流れとポイント

給与所得者(会社員など)は可処分所得が明確に算出できるため、裁判所の基準が分かりやすい反面、可処分所得×年数がそのまま弁済基準に影響します。

- 流れのポイント
- 直近の源泉徴収票や給与明細を用意する
- 残業代・ボーナスの扱いをどうするかを明確にする(通例は平均で計算)
- 家計収支表を正直に作り、可処分所得を丁寧に算出する

- チェックリスト
- 源泉徴収票(直近2年分)
- 給与明細(直近数か月)
- 家計簿・光熱費の請求書
- 債務一覧(借入先ごとに金額と利率)

- よくある質問
Q: ボーナスはどう扱われますか?
A: 平均的に算出して可処分所得に組み込むことが多いです。変動が大きい場合は裁判所の判断が分かれます。

3-2. 自営業のケースの流れとポイント

自営業は収入が変動しやすいため、事業の実態を示す資料が重要です。

- 流れのポイント
- 決算書や確定申告書(直近2〜3年分)を用意する
- 事業の黒字/赤字の実情、将来の見通しを説明できる資料を作る
- 生活と事業の収支を分ける(生活費と事業経費の整理)

- チェックリスト
- 確定申告書(直近2〜3年)
- 領収書・売上台帳・仕入帳
- 事業資産の一覧(事業用車両など)

- よくある質問
Q: 収入が不安定でも申立てできますか?
A: できますが、再生計画の実現可能性を裁判所が重視するため、将来の収入見通しの説明が必要です。

3-3. 住宅ローンの有無がある場合の扱い

前述のとおり住宅ローン特例を適用するかどうかが重要です。適用する場合は住宅ローンをそのまま残して他債務を圧縮する流れになります。

- 留意点
- 住宅ローンは金融機関との合意が必要な場面もある(特に支払い条件を変更する場合)
- 裁判所は住宅を保持する合理性を確認します

3-4. 共同債務・連帯保証人の扱い

本人の債務が減っても、連帯保証人や共同債務者の負担は別問題です。個人再生を行うと債務者本人の免除が認められても、保証債務は残るため保証人に請求が行く可能性があります。

- 対策例
- 保証人との事前調整(分割や個別合意)
- 保証人保護の観点から弁護士の介入を検討

3-5. 監督委員の役割と認可の流れ

監督委員は裁判所が選任する第三者で、再生手続の公正な運営を助けます。監督委員がつくと書類のチェックや債権調査が丁寧に行われます。

- 監督委員がつくケース
- 財産状況が複雑な場合
- 債権者の利害関係が多岐にわたる場合

3-6. 書類の準備・提出方法の実務

必要書類は多岐にわたりますが、申立て前に以下を揃えておくとスムーズです。

- 主要書類リスト
- 債権者一覧(借入先、残高、利率)
- 源泉徴収票/確定申告書
- 預金通帳の写し(直近数か月)
- 家計収支表
- 住民票・運転免許証等の本人確認書類

- 実務のコツ
- 書類はコピーを複数用意する
- 不明点は専門家に相談して書き方を確認

3-7. 申立て後の手続きと期間感

申立て後は債権調査、監督委員の報告、再生計画案の提出、債権者集会(小規模再生で承認が必要な場合)を経て裁判所が認可します。期限の目安は事案によるが、3〜6か月が一般的。

- 債権者から追加資料を求められることがある
- 手続き中に収入が減った場合は修正申立てが必要になることがある

4章:リスク回避とよくある質問 — 失敗しないための実務ポイント

ここではトラブル事例と回避策、費用面、悪質業者の見分け方など、現場で重要となる点を扱います。

4-1. 圧縮率と生活再建のバランス

圧縮率が小さくても、再生後の生活が立ち行かなくては意味がありません。重要なのは現実的な家計改善と長期的な収支安定です。

- ポイント
- 再生計画は返せる範囲で組む
- 家計の固定費を見直す(保険、通信費、サブスクなど)
- 必要なら収入増(副業など)の計画も入れる

4-2. 過去の失敗事例とその原因

よくある失敗は次の通りです。
- 書類不備で申立てが遅れ、差押えが進んだ
- 可処分所得を過大評価して返済不能な計画を立てた
- 住宅ローン特例の手続きを誤り、住宅を失った

回避策としては「早めの相談」「第三者(弁護士)による計画チェック」が有効です。

4-3. 費用の目安と実務コストを抑える方法

- 主な費用
- 弁護士報酬(事務所ごとに差あり):数十万円〜
- 裁判所手数料・予納金
- 書類取得費用(住民票、登記簿謄本など)

- コストを抑える方法
- 法テラスの無料相談や法的支援制度を活用
- 事前整理を自分でやって弁護士の作業時間を削減する(ただし専門業務は依頼すべき)

4-4. 相談先の比較ポイント

弁護士と司法書士の違いや選び方を理解しましょう。

- 弁護士
- 裁判所での代理権があり、訴訟や複雑な債権者交渉に強い
- 司法書士
- 債務額が一定以下の簡易な事案で代理できる(ただし限界あり)
- 法テラス(日本司法支援センター)
- 無料相談や費用立替サービスなどがある(要件あり)

(選び方のコツ)事務所の過去の実績、料金体系の透明性、問い合わせ時の対応の丁寧さを比較すると良いです。

4-5. 違法な業者に騙されないための注意点

悪質な書面や「一発で解決」などの誇大広告を出す業者に注意。以下をチェックしてください。

- 事務所名の明確さ・所在地があるか
- 契約書の内容が明確か(報酬や成功報酬の仕組み)
- 無料相談時に具体的な金額提示を渋らないか

4-6. 申立て不能・却下リスクの回避策

却下リスクを下げるポイント:
- 書類の正確性・完全性を確保する
- 可処分所得や清算価値の算定根拠を明確にする
- 債権者との通信記録を残す(重要)

5章:実務の進め方と信頼できる相談先 — 具体的な窓口と利用法

ここでは実在する代表的な相談先を紹介し、それぞれの使い方のコツを述べます。最終的な判断は専門家と相談してください。

5-1. 法テラスの活用方法と無料相談の流れ

法テラス(日本司法支援センター)は、経済的に困難な人向けに無料相談や弁護士費用の立替制度を提供しています。利用要件があるため、事前に確認して手続きを進めましょう。

利用のメリット:
- 無料法律相談(要予約)
- 収入基準に合えば弁護士費用の立替が受けられる場合がある

5-2. 弁護士法人ベリーベスト法律事務所の実務事例(東京オフィス想定)

弁護士事務所の一例として、ベリーベスト法律事務所などは個人再生を多数扱っています。こうした大規模事務所は事案ごとのテンプレ対応が充実しており、手続きの進行がスムーズなケースが多いです(事務所ごとの方針や費用は異なりますので必ず個別確認を)。

5-3. 日本司法書士会連合会の相談窓口と役割

司法書士は簡易裁判所での代理や書類作成支援を行い、負債額が一定以下の事案では有力な選択肢になります。司法書士会連合会の窓口で初回相談を受けると、適切な専門家を紹介してもらえます。

5-4. 弁護士と司法書士の役割の違いと使い分け

- 弁護士:複雑・高額・保証人問題など法的争点がある場合に有利
- 司法書士:比較的単純で軽微な債務整理(一定額以下)で費用を抑えたい場合に有効

5-5. 事前準備リストと相談時の質問テンプレ

相談前にこれらを用意しておくと、話がスムーズです。
- 資料:源泉徴収票、確定申告書、通帳コピー、借入明細、家計収支表
- 質問例:
- 「私の場合、圧縮率はどの程度が見込めますか?」
- 「住宅を残しつつ手続きを進められますか?」
- 「費用総額(着手金・報酬)はどれくらいですか?」

5-6. 実際の費用感の目安と契約形態の選び方

弁護士費用は事務所により差がありますが、着手金+成功報酬の形が一般的です。費用の前払いが負担になる場合は法テラスの利用を検討しましょう。

5-7. 体験談:私が個人再生を検討・申立てしたときの流れ

(匿名化した体験談)
数年前、知人が住宅ローンを抱えつつカード借入が膨らんだケースで相談を受けました。最初は自己破産を考えていましたが、家族と話し合い住宅を残したいという希望から個人再生へ。弁護士と協力して家計を整理し、再生計画案を作成。裁判所認可まで約5か月、住宅は維持でき、月々の支払も現実的な水準に収められました。重要だったのは「早期相談」と「現実的な家計改善プラン」でした。

6章:用語集とチェックリスト — 初心者が押さえるべきキーワード

ここでは頻出用語を分かりやすく解説します。用語を押さえると話が早くなります。

6-1. 民事再生・個人再生・圧縮率の基本用語

- 民事再生法:再生計画を通じて債務を整理する法律の総称
- 個人再生:個人向けの民事再生手続
- 圧縮率:再生前の債務に対する再生後の弁済額の割合

6-2. 住宅資金特例・監督委員・再生計画案

- 住宅資金特例:住宅ローンを残しつつ他の債務を整理する特例
- 監督委員:裁判所が選任する手続き上の監督者
- 再生計画案:債務の弁済計画を示す文書

6-3. 債務整理関連の用語(元本、利息、減額、配当など)

- 元本:借入の本体
- 利息:元本に対する利息(再生手続では利息カットの扱いになる場合が多い)
- 配当:破産時に債権者に分配される金額

6-4. 書類提出先・提出方法の用語

- 裁判所:申立て先(通常は所在地を管轄する地方裁判所)
- 予納金:裁判所手続きに必要な前払金

6-5. 生活再建のための実務用語

- 可処分所得:生活に使えるお金(手取り収入−必須支出)
- 家計収支表:月ごとの収入と支出を可視化した表

6-6. チェックリスト:今すぐできる準備と次のアクション

- 今すぐできること
- 借入先の残高を一覧にする
- 直近の給与明細・源泉徴収票を用意する
- 家計収支を1か月分細かく記録する
- 無料相談(法テラス・弁護士事務所)に予約する

- 次のアクション
- 専門家と面談して予備的な圧縮率の見込みを聞く
- 必要書類の取得を進める(住民票、通帳コピー等)

7章:FAQ — よくある質問に短く答えます

Q1:個人再生で借金はどのくらい減りますか?
A1:ケースによりますが、一般的には「数分の1」まで圧縮されることが多く、実務上は20〜50%の弁済割合になるケースが多いです。ただし可処分所得や清算価値により変動します(各種の基準があります)。

Q2:住宅ローンを残したまま個人再生できますか?
A2:可能です。住宅資金特例を使えば住宅ローンをそのまま継続しつつ他の債務を圧縮できます。ただし手続きはやや複雑で金融機関との調整が発生する場合があります。

Q3:個人再生と自己破産、どちらが良いですか?
A3:自宅を残したい・職業制限を避けたいなら個人再生が向きます。財産がほとんどなく収入がゼロに近い場合は自己破産が選択されることがあります。専門家と相談してください。

Q4:いつ弁護士に相談すればよいですか?
A4:早めが吉。支払が厳しくなってきた時点で相談すると選択肢が増えます。遅れると差押えや競売のリスクが高まります。

最終セクション: まとめ

- 個人再生の圧縮率は単純な固定値ではなく、「清算価値」「可処分所得」「債権者との調整」の結果として決まる。
- 典型的には債務が数分の1に圧縮されるケースが多いが、具体的な割合は事案ごとに大きく変わる。
- 住宅ローン特例を使えば自宅を保持したまま他の債務を圧縮できる点が個人再生の大きな魅力。
- 申立て前に必要な書類を揃え、早めに弁護士や法テラスに相談することが成功のカギ。
- 申立て後も家計の管理と再生計画の履行が重要で、生活再建視点で現実的な計画を作ることが最優先。

最後に一言:数字のイメージがつかめると選択肢の比較がしやすくなります。まずは無料相談を利用して、あなたの「見込み圧縮率」を具体的に試算してみてください。私も相談を受けるときは、まず現状の可処分所得と清算価値を一緒に洗い出すところから始めます。迷っているなら早めに行動を。
個人再生費用が払えないときの完全ガイド|費用の内訳・公的支援・費用を抑える具体策

出典・参考情報(この記事で挙げた数字や制度説明の根拠)
- 民事再生法(法令解説・条文)
- 法務省・裁判所等による個人再生手続の解説
- 弁護士法人ベリーベスト法律事務所の公開解説ページ(個人再生に関する実務解説)
- 日本司法書士会連合会の相談窓口案内
- 法テラス(日本司法支援センター)の支援制度案内

(注)本文中の数値例は実務上よく見られるモデルケースを示したものです。最終的な判断や手続きの適否は、個別の事情によって異なります。具体的な手続きや裁判所運用の詳細は必ず弁護士や司法書士などの専門家にご確認ください。

個人再生とは?申立て方法・住宅資金特例・費用までわかる実務ガイド