個人再生「いつから支払いが止まる?」を徹底解説|申立てのタイミング・開始決定・返済開始時期まで

個人再生で失敗しないために※必読ガイド-債務整理の前に-

個人再生「いつから支払いが止まる?」を徹底解説|申立てのタイミング・開始決定・返済開始時期まで

債務整理弁護士事務所写真

この記事を読むことで分かるメリットと結論

結論を先に言うと、「個人再生で『支払いが止まる』のは、通常は裁判所の『再生手続の開始決定』後から」が基本です。ただし、申立て直後に裁判所が仮の保全(取り立て停止)を出すことがあり、その場合はより早く取り立てが止まります。家や車のローン、保証人への影響など、項目ごとにいつ何が起きるかを実務ベースで整理します。この記事を読めば、申立ての流れ・必要書類・生活への配慮・保証人対策が具体的に分かります。



1. 個人再生の基本と「支払いが止まる」タイミングを抑える

個人再生(民事再生手続)を考えている人向けに、支払い停止のタイミングを法的根拠と実務の観点でやさしく解説します。

1-1. 個人再生とは何か?目的と仕組みの全体像

個人再生は「民事再生法」に基づく手続きで、債務(借金)を大幅に減らして現実的な返済計画で立て直す制度です。破産との違いは、住宅ローンなどを残して住宅を守る「住宅ローン特則」が使える点や、財産を全て失わずに再建を図る点です。目的は「生活再建」と「最低限の生活を担保した返済」です。

1-2. 手続開始の瞬間とその意味:申立ての受理から開始決定へ

申立て(地方裁判所への書類提出)をすると、裁判所で書類のチェックが行われ、正式に「開始決定」が下されると再生手続が開始します。ここで重要なのは、申立ての書類不備があれば開始決定まで時間がかかる点。実務上、弁護士・司法書士に依頼すると書類準備や証拠収集がスムーズになります。

1-3. 支払い停止の発生タイミングはいつ?

原則として「再生手続開始決定」が出た時点で、債権者による個別の取り立て・強制執行(差押え、競売など)は停止されます。ただし、申立て直後でも裁判所が仮の保全処分(取り立て停止措置)を出すケースがあり、その場合は開始決定前でも実務上取り立てが止まることがあります。

1-4. 仮の保全処分とその申請方法(開始決定前でも止まる場合)

裁判所に「仮の保全」(例:差押えの停止)を申請すれば、事情により早期に債権者の取り立てを止めることができます。弁護士が緊急性を説明して申し立てることが多く、住宅差押えや強制執行が迫っている場合に有効です。

1-5. 再生計画案の作成と裁判所の承認プロセス

再生計画案は「いつから・いくらを・何年で返すか」を示す計画書で、債権者の意見聴取や書面決議を経て裁判所が認可します。認可後は、旧債務が再生計画の支払義務に置き換わります。計画案の内容は収入・生活費の実態を基に算定されるため、正直に書くことが重要です。

1-6. 返済開始時期の具体的な目安と計算の考え方

返済の開始時期は一般に「再生計画が認可され、実際の支払いが始まる時点」です。認可後すぐに支払開始となるケースが多いですが、契約で翌月から開始となることもあります。返済期間は通常3〜5年が多く、収入状況に応じて設定されます。

1-7. 返済額の決まり方と原案の見直しポイント

返済額は「最低弁済額(可処分所得や財産の保有状況から算出)」と、債権者への配当合意によります。住宅がある場合は別枠扱いで、住宅ローンは従前どおり支払う必要があるため、再生計画の減額対象外となることが多いです。

1-8. 生活費・収入の扱い:家計の現実的な配慮

再生計画では生活に必要な最低限の費用は残した上で返済額を設定します。家族構成や被扶養者の有無、扶養費、子どもの教育費などを正確に提示すると、現実的な計画が通りやすくなります。

1-9. 債権者の取り立て停止と実務上の注意点

開始決定後は債権者個別の取り立てが原則禁止ですが、債権者からの問い合わせや督促は完全にはゼロにならないことがあります(特に開始決定前)。弁護士から債権者へ通知することで、取り立てが止まるケースがほとんどです。

1-10. 住宅ローン・自宅の扱いと特例の可能性

住宅ローンを残したい場合は「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用して、住宅を手放さずに再生を進められる場合があります。ただし、ローン債権者との調整が必要で、リスケ(返済猶予)などの交渉が必要です。

2. ケース別ペルソナと、検索意図を満たす具体解

ここではペルソナごとに、いつから支払いが止まるか、何を準備すべきかを実務的に整理します。

2-1. ペルソナA:30代会社員・借金返済の負担を軽くしたいケース

ケース:複数のカードローン・消費者金融・銀行カードローンを抱え、毎月の返済が苦しい。
対応:弁護士に早めに相談し、申立てと同時に仮の保全を申し立てると、給与差押えなどを避けられる場合があります。再生開始決定後はカード会社からの督促は止まるため、家計が落ち着きます。

2-2. ペルソナB:40代の主婦・家計再建を急ぐケース

ケース:配偶者の借金が家計を圧迫している。自分自身は収入が少ない。
対応:家族の収支を明確にし、生活費部分を優先して再生計画を作成。保証人になっている場合は配偶者と連携して保証人への説明を行い、家族の理解を得ることが重要です。

2-3. ペルソナC:自営業・売上低迷と資金繰りの難しさ

ケース:事業と私財が混在し、複数の金融機関に返済している。
対応:事業収支の資料(売上表・帳簿)をそろえ、事業継続を前提とした再生計画を作成。税金滞納や社会保険問題がある場合は別途対応が必要です。

2-4. ペルソナD:高額の複数債務と将来設計の見直し

ケース:定年近くで年金やパート収入が中心。
対応:返済期間や毎月の弁済額を現実的に設定し、生活が破綻しない額に調整。必要なら再生計画で長期(上限許容内)の期間を検討します。

2-5. ペルソナE:家族構成が影響する生活費の再構築

ケース:子どもの教育費・住宅ローン・生活費が重なる世帯。
対応:教育費の一時的な猶予や、住宅ローン特則による自宅維持を図りつつ、生活費を最優先にした再生計画を提出します。

2-6. ケース別の留意点と注意点(実務的なポイント集)

- 申立て前に支払いを止めるには仮の保全が有効。
- 申立て後、開始決定までは債権者が動く可能性あり。弁護士からの通知が抑止力になる。
- 保証人の立場や配偶者への影響は事前に家族で話し合う。
- 自営業者は帳簿類をきちんと整理しておく。
- 生活費の見直し(固定費削減)をあらかじめ実行しておくと計画が通りやすい。

3. 実務的な準備と手続きの流れ

申立てから再生計画認可、支払い再開までにやるべきことを段階ごとに整理します。

3-1. 相談先の選び方:法テラス、弁護士、司法書士の役割と選択基準

法テラス(日本司法支援センター)は初期相談や費用援助の窓口。実務で申立てや交渉が必要なら「個人民事再生」に精通した弁護士に依頼するのが一般的です。司法書士は手続書類の作成支援が中心ですが、事件の複雑さによっては弁護士の関与が必要です。

3-2. 申立てに必要な書類リストと収集のコツ

主な書類:収入証明(源泉徴収票、給与明細)、預金通帳の写し、債務一覧(契約書、残高証明)、保有財産の明細、家計収支表、本人確認書類。金融機関からの残高証明は早めに取得しておくと審理がスムーズです。

3-3. 申立ての費用感と資金調達の工夫

申立てには裁判所手数料や郵券代、弁護士費用などがかかります。法テラスの民事法律扶助(条件あり)を利用できる場合や、分割払いで弁護士と合意する例もあります。事前に見積もりを取ることをおすすめします。

3-4. 申立て後の流れ:保全処分・裁判所とのやりとり

申立て後、裁判所で債権者への通知が行われ、債権者は意見書を出すことができます。必要なら仮の保全命令を申し立て、強制執行の差押え停止を求めます。裁判所とのやり取りは書面中心なので、期限管理が重要です。

3-5. 期間感:開始決定までの目安と審理の実務

案件の複雑さや裁判所の混雑状況で差はありますが、申立てから開始決定までは数週間〜数ヶ月、再生計画案の協議・認可まで含めるとおおむね3〜9ヶ月程度かかることが一般的です。これは案件によって大きく変わるため、担当の弁護士から個別説明を受けましょう。

3-6. 返済開始前の生活設計と、再生計画案の仮置き

認可前から家計のシミュレーションを行い、認可後に即支払いが始まっても問題ない体制を作っておくことが重要です。収入の変動に備えて予備費を確保しておくと安心です。

3-7. よくあるトラブルと回避策(情報の更新・書類の不備回避)

よくあるトラブルは「収入申告の漏れ」「債務の未計上」「通帳の記載ミス」などです。必要書類は余裕を持って集め、専門家にチェックしてもらうことで再提出や審理遅延を防げます。

4. よくある質問とトラブル回避ガイド

読者が疑問に思いやすいポイントをQ&Aで整理し、実務での回避法を示します。

4-1. 免責との関係:いつ、どの程度影響があるのか

「免責」は破産手続での概念で、民事再生では基本的に再生計画に基づく弁済で債務の整理を図ります。つまり、免責そのものは個人再生の手続の中心ではありません。再生計画が認可されれば、計画による清算が行われます(一定の債務は減額される)。

4-2. 官報への掲載は必須?公開情報の取り扱い

再生手続開始や計画認可は官報で告示されることがあります。官報掲載は公示の一環ですが、周囲に大々的に知られるというほど瞬時に広がるわけではありません。気になる場合は専門家からの説明を受けて対応を考えましょう。

4-3. 事業と収入の扱い:副業・所得の扱いはどうなるのか

副業収入や事業所得も審査の対象になります。透明性が重要で、隠し収入が発覚すると計画の信頼性が損なわれるため、全て申告するのが原則です。将来の収入見込みに応じた柔軟な計画が求められます。

4-4. 保証人の責任と、どう対応するべきか

個人再生で債務者の債務が軽減されても、保証人に対する責権(保証債務)は原則として残ります。つまり、保証人に請求が行く可能性があるため、保証人本人への説明と協力が不可欠です。保証人が支払えない場合は保証人本人の債務整理も検討されます。

4-5. 債権者の対応:問い合わせ・連絡の適切な窓口

債権者からの問い合わせは、個人で受けるよりも弁護士に一括で対応してもらうと安心です。弁護士から債権者に「申立て済み」「開始決定待ち」であることを通知するだけで多くの場合取り立てが止まります。

4-6. 手続きが失敗しないためのチェックリスト

- 収入・支出の証明書類を完全に揃える
- 債務一覧をもれなく作る(契約書・領収書)
- 家族や保証人と事前に話して理解を得る
- 専門家(弁護士)に早めに相談する
- 仮の保全が必要なら速やかに申し立てる

5. 実務的ケーススタディと要点の総まとめ

ここでは実際のケースを簡潔に示し、申立て前後にやるべきことを整理します。各項目は実務でよくある場面を想定しています。

5-1. ケーススタディA:申立て直前に差押え通知が来た場合

状況:給与差押えの予告が来た。対応:弁護士が仮の保全を申請し、裁判所へ申立て。結果、差押えを回避して再生申立てへ移行。

5-2. ケーススタディB:住宅ローンが残る自宅を守りたい場合

状況:住宅ローン支払い中で自宅を手放したくない。対応:住宅ローン特則を活用し、ローンは引き続き支払いながらその他の債務を再生計画で整理。

5-3. ケーススタディC:保証人が心配で家族にばれたくない場合

状況:保証人は配偶者。対応:早めに家族会議を行い、弁護士を交えて保証人のリスクと対応策(保証人自身の情報整理)を準備。

5-4. 再生計画案の作成時に確認すべきポイント

- 可処分所得の正確な把握
- 生活費の最低限額の根拠提示
- 債権者ごとの配当割合の算出根拠
- 住宅ローン/事業債務の扱い明示
- 支払い開始時期と方法(口座振替等)

5-5. 生活設計と家計の再構築の具体的手順

1. 家計の収支を月次で可視化(固定費・変動費)
2. 無駄な支出の見直し(通信費、保険の重複など)
3. 緊急予備費(生活費2〜3か月分)を確保
4. 再生計画に合わせた予算を作成し、認可後すぐ実行できる体制を作る
5. 必要に応じて公共支援(生活保護、法テラス)を検討

5-6. 保証人対策と、家族への影響を最小化する方針

- 事前に保証人に事実を伝え、説明資料を準備する
- 保証人が支払うリスクを回避するための代替案を検討(債権者との交渉、保証解除の可否確認)
- 家族の生活費優先で計画を立て、精神的負担を軽減する

5-7. 専門家の活用タイミングと、相談窓口の具体名

- 困ったら早めに「弁護士」へ相談。法テラスも初期相談先として有効。
- 地方裁判所(個人の住所地の管轄)に申立てを行うため、担当裁判所の情報を確認する。
- 専門家は早い段階で関与すると、仮の保全や書類不備の回避に有利です。

FAQ(よくある質問)

Q1:申立てしただけで支払いは止まりますか?
A1:申立てだけでは必ずしも止まりません。裁判所の「開始決定」か、申立てに伴う「仮の保全」が出れば取り立ては停止します。

Q2:住宅ローンはどうなりますか?
A2:住宅ローンは原則として再生計画の対象外(特則で対応)になることが多く、ローンは引き続き支払う必要があります。交渉次第でリスケ交渉が可能な場合もあります。

Q3:保証人は助かりますか?
A3:借主の債務が減っても保証債務は残る場合が多く、保証人に請求が行く可能性があります。保証人対策は必須です。

Q4:申立てにかかる期間は?
A4:事案により幅がありますが、申立てから認可まで通常は数か月〜半年程度が目安です。裁判所の状況や債権者の反応で長引く場合があります。

Q5:費用はどのくらいかかる?
A5:裁判所手数料、弁護士報酬、書類取得費用などがかかります。法テラスを利用できる場合、費用負担を軽減できることがあります。

まとめ:申立てから「支払いが止まる」までの実務的ポイント

- 支払い停止の目安は「裁判所の再生手続開始決定」だが、仮の保全で早めに止められる場合がある。
- 申立て前に弁護士に相談し、必要書類を完備しておくことで手続きがスムーズになる。
- 住宅ローンや保証人の扱いは個別性が高く、事前の家族説明と専門家対応が重要。
- 申立てから再生計画認可・返済開始までの期間は事案次第。生活費の最低限を確保しておくこと。
- 早めの行動(相談・書類準備・仮の保全申請)が最も現実的なリスク回避策。

私見(体験):
弁護士事務所での相談窓口で多く見聞きしたのは、「相談が遅れて督促や差押えが迫ってから来る方が多い」ということです。早めに相談して仮の保全を取れると精神的にも経済的にも負担が大きく変わります。恥ずかしいと思わず、まずは窓口に連絡してみてください。
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参考情報(出典・参照した主な公式・専門資料):
- 法務省「民事再生法」関連ページ
- 裁判所「民事再生手続に関する説明」ページ
- 日本司法支援センター(法テラス)「個人民事再生」案内
- 日本弁護士連合会・各地の弁護士会が公開する個人民事再生の解説ページ
- 主要法律事務所の個人民事再生に関する解説(実務的な運用・期間感の説明)

(注)本記事は一般的な解説です。個別のケースでは事情が大きく異なるため、具体的対応は弁護士や司法書士などの専門家に個別相談してください。

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