この記事を読むことで分かるメリットと結論
最初に結論を言います。結論:法律上「個人再生は何度も申立てできない」と明確に禁止されているわけではありませんが、3回目以降は裁判所や債権者が厳格に審査し、認可される可能性は低くなるケースが多いです。だからこそ、3回目を検討する際は「なぜ再び債務超過になったのか」を具体的に説明できる準備と、弁護士や法テラスなど専門家を使った綿密な再生計画が必須になります。
このページを読むと、次が分かります:
- 3回目の個人再生が現実的かどうかの判断材料
- 申立ての要件、必要書類、再生計画の作り方
- 費用の目安(弁護士費用・実費)と日程感
- 自宅(住宅ローン)の扱い、債権者との交渉での注意点
- 実際のケーススタディと、失敗を避けるための具体策
1. 個人再生 3回目を考える前に知っておくべき基本
ここでは「個人再生とは何か」から、3回目を申立てるときに特に気をつけるべきポイントまで、基礎をしっかり押さえます。個人再生の本質を理解しておくと、3回目の立場や戦略が明確になります。
1-1. 個人再生とは?基本的な仕組み
個人再生(民事再生の個人版)は、裁判所を通じて債務の一部を免除・圧縮し、残りを原則3年〜5年で分割弁済する制度です。主な特徴は「住宅ローンを除く債務を圧縮できる」「破産と違い一定の財産を手放さずに済む点」です。小規模個人再生では債権者の議決が必要となる一方、給与所得者等再生ではその手続きが簡素化されることもあります。個人再生は、任意整理よりも強力に債務削減でき、破産よりも財産保全がしやすい中間的な制度と考えてください。
(私見)これまで相談を受けたケースでは、住宅を維持したい人や、職業上の制約(免責で資格に影響が出る懸念など)を考える人が個人再生を選ぶことが多かったです。再申立てをする場合、裁判所は「再生計画の実現可能性」を特に重視します。
1-2. 小規模個人再生と3回目の関係性
小規模個人再生は債権者の同意を得る方式で、債権者の集会により再生計画案が可決される必要があります。3回目以降は、同じ債権者が過去の手続きでの回収実績や当事者の対応を踏まえ、「また救済するべきか」を厳しく判断する傾向があります。つまり小規模個人再生では債権者側の反発が強く出る可能性が高く、計画案の説得力(なぜ再度同じ救済を受ける価値があるのか)を明確に作る必要があります。
具体的には、再生計画で示す返済原資(現収入や将来の見込み、資産売却見込み)を丁寧に説明し、債権者に納得してもらう資料作りが必須です。
1-3. 3回目の申立てで変わる要件
民事再生法そのものに「3回目は不可」といった明文の制限はありませんが、実務上は以下の点で厳格な運用がされます:
- 裁判所が「再生計画の実現可能性」をより厳しく審査
- 債権者の同意が得られにくく、債権者集会で否決されるリスク増
- 以前の計画が履行されなかった場合、信用上の説明責任が増す
そのため、単に過去2回が認可されたというだけでは3回目の承認を自動的に保証しません。実務では、過去の履行状況、資産・収入の変化、過去の債権者とのやりとり記録などを精査されます。
1-4. 3回目が難しくなる主な理由
具体的な難しさは次の通りです:
- 債権者の回収期待が低くなり、同意が得られにくい
- 裁判所が過去の不履行を理由に「更生の見込みなし」と判断することがある
- 収入が不安定な場合、返済原資の説得力が弱くなる
- 再三の救済が「モラルハザード」と捉えられるリスク(債務者側の責任追及)
こうした点を回避するためには、第三者(弁護士等)による詳細な収支計画書、仕事の安定化策、資産の現金化プランなどを事前に整備しておくことが重要です。
1-5. 生活再建と財産のリスク管理
3回目を検討するなら、単に裁判所の認可可否だけでなく「生活再建の実効性」をまず考えましょう。具体的には:
- 家計の固定費を洗い出し、再生後でも返済できるかを検算
- 住宅ローンがある場合、住宅資金特別条項を活用できるかの検討
- 手元資金や退職金、保有株・不動産の売却可能性を評価
ここでの失敗は、再び計画を履行できなくなり、最終的に破産に追い込まれるリスクが高まる点です。だからこそ「再生計画の実行可能性」は最優先で作り込みます。
1-6. 専門家相談のメリットと相談窓口(法テラス等)の使い方
専門家(弁護士・司法書士)に相談する最大のメリットは、裁判所や債権者に対して説得力のある申立て資料を作れる点です。特に3回目は過去の履行履歴や説明の整合性が問われるので、法的知見と交渉力がものを言います。
費用負担が気になる場合、法テラス(日本司法支援センター)での収入基準に応じた無料相談や費用立替の支援を利用できる場合があります(利用条件あり)。まずは法テラスで一次相談を受け、必要なら弁護士を紹介してもらうのが実務的な一手です。
2. 3回目申立ての要件と実務の流れ
3回目申立てでは「手続きの全体像」を把握し、各段階で求められる書類や証拠を用意することが重要です。ここでは、法的要件から具体的な作成コツまで詳しく解説します。
2-1. 3回目申立ての法的要件
民事再生法に基づく個人再生の要件は基本的に同じですが、裁判所は以下の点を重視します:
- 再生計画が「真に実現可能」であること(収支見込み、返済原資)
- 債権者に不当な負担を強いないこと(公平性)
- 過去の履行・申立て履歴と整合する説明があること
つまり法的要件そのものは変わらなくても、審査の実務基準は実質的に厳しくなります。過去の個人再生が不履行だった場合、その原因と再発防止策を明確にする必要があります。
2-2. 申立てに必要な書類一覧
3回目でも基本的な書類は通常の個人再生と同様です。主なものを列挙します(ケースにより追加あり):
- 申立書(民事再生手続開始の申立て書)
- 債権者一覧表(全債権者の連絡先・債権額)
- 債権届出に関する資料
- 収支表・直近の給与明細(源泉徴収票)や確定申告書(個人事業者の場合)
- 預金通帳の写し、給与振込履歴、家賃・ローンの契約書
- 不動産登記簿謄本、車検証など資産の証明書
- 過去の再生手続に関する裁判所決定や履行状況の記録(重要)
3回目特有の追加書類としては、過去の再生計画での履行記録、債権者との交渉履歴、再発防止のための業務計画書(自営業者の場合)などが挙げられます。これらは「なぜ前回失敗したのか」を説明する重要な証拠です。
2-3. 財産評価・住宅の取り扱いのポイント
住宅ローンが残る自宅を残す場合、個人再生には「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を使って住宅を残すことができます。ただし、住宅を残すには以下の点に注意:
- 住宅ローン部分は原則として再生計画の対象外で、ローンは従来どおり支払う必要がある
- 再生計画で示す「他の債務の圧縮後の返済能力」と住宅ローンの支払能力が両立していることを示す必要
- 自宅の評価額と担保価値が計画に与える影響を正確に算定すること
3回目では、裁判所や債権者が「住宅を守るべきか売却すべきか」を厳格に検討するため、住宅の評価(路線価や固定資産税評価額、近隣相場)を数値で示すことが重要です。
2-4. 再生計画案の作成・提出のコツ
再生計画案は「債権者に受け入れられる現実的な案」でなければなりません。作成時のポイント:
- 収入根拠を明示(給与明細、確定申告、契約書等)
- 生活費の見直し(固定費削減案)を具体的に示す
- 資産処分計画を現実的に提示(売却見込み価格、手取り)
- 返済スケジュールを月額・年額で明確にし、返済開始時期を示す
- 再発防止策(就業先の安定化や収入源の多様化)を記載
実務的には、弁護士が過去類似事例の計算式や裁判例を参考にして、説得力のある数値根拠を添えて作成します。単に「返済します」と書くだけでは説得力不足です。
2-5. 裁判所の審理の流れとポイント
裁判所への申立て後の流れは概ね次の通りです:
1. 申立て受理 → 書類チェック
2. 財産評価・債権者への通知 → 債権届出期間
3. 債権者集会(小規模個人再生の場合)または書面審理
4. 再生計画の可決・裁判所の認可決定
5. 再生計画に基づく弁済開始
3回目では裁判所が追加資料提出を求めることがよくあります。特に「過去に計画履行できなかった理由」「現在の収入の安定度」を詳しく問われます。弁護士により石橋を叩いて資料を整えておくことで、審理がスムーズになります。
2-6. 債権者集会と監督委員の役割と実務
債権者集会は小規模個人再生において主要な採決機関です。債権者は提出された再生計画案に対して賛否を表明します。監督委員は、計画の実行や財産管理の妥当性を監督する役割を持つ専門家で、裁判所が選任することがあります。3回目で監督委員が付くケースでは、監督委員の指摘(資産評価や履行可能性の疑義)に備えた追加資料が必要です。
監督委員の存在は裁判所にとっての安全弁であり、債権者にとっては安心材料ですが、債務者にとっては追加の説明責任を意味します。対応は弁護士と綿密に行うべきです。
3. 費用・準備・日程のリアル
ここでは費用の現実的な目安と、申立てから認可までのスケジュール感、費用を抑える工夫など実務的な数字を交えて説明します。
3-1. 費用の目安と内訳(弁護士費用・司法書士費用・実費等)
個人再生に係る費用は大きく分けて「弁護士・司法書士費用」と「裁判所実費(予納金等)」に分かれます。市場感覚としての目安は次の通りです(実際の金額は事務所や案件の難易度で変動):
- 弁護士報酬:30万円〜80万円程度(着手金+成功報酬で構成されることが多い)
- 司法書士:弁護士より安価だが、個人再生のように高度な手続きでは対応が制限される(報酬はケースにより20万円〜40万円程度のケースあり)
- 裁判所関連の実費(登記・官報公告等):数万円〜十数万円
- その他書類取得費用(登記簿謄本、印鑑証明、住民票等):数千円〜数万円
3回目の場合、事情聴取や追加資料の作成で弁護士報酬が増えることがあるため、予算に余裕を持たせるべきです。費用負担が厳しい場合は法テラスでの費用立替制度や支援を検討してください(条件あり)。
(出典は記事末尾にまとめてあります)
3-2. 弁護士費用 vs. 司法書士費用の違いと選び方
弁護士と司法書士の大きな違いは、代理権と業務の範囲です。個人再生のような複雑で裁判所手続きが中心の案件では、弁護士の選択が一般的に安全です。理由:
- 弁護士は裁判所での代理権を有し、債権者との交渉や裁判所対応全般を行える
- 司法書士は簡易裁判所での代理や書類作成を担える範囲が限られる(職務の範囲に注意)
- 3回目の申立てで争点が多い場合、法的主張・戦略立案の観点から弁護士の方が柔軟に対応可能
ただし費用を抑えたい・事案が比較的単純であると判断できる場合は司法書士のサポートを検討しても良いですが、3回目の重みを考えると弁護士に依頼するケースが多いです。
3-3. 法テラスなど公的支援の利用条件と手続き
法テラス(日本司法支援センター)は、収入や資産に応じて無料法律相談や弁護士費用立替の制度を提供しています。利用には収入・資産条件があり、弁護士費用の立替を受けた場合は将来の返済計画に組み込む必要があります。
実務では、まず法テラスで一次相談を受け、費用面で弁護士を使えるか確認し、その後に個別の弁護士を紹介してもらうことが多いです。3回目の案件は審査が厳しくなるため、法テラスの支援が使えるかどうかは大きな分岐点になります。
3-4. 申立てから認可までの目安日数とスケジュール感
一般的な個人再生の手続き期間は、申立てから再生計画認可までおおむね3〜9ヶ月程度が多いです。具体的な目安:
- 書類準備(弁護士とともに):2〜6週間
- 申立て後の書類審査と債権者通知:1〜2か月
- 債権者集会や意見聴取:数週間〜1か月
- 再生計画認可までの裁判所審理:合計で3〜9か月
3回目だと裁判所から追加資料や説明を求められる頻度が増え、期間が延びる可能性があります。余裕を持って半年〜1年程度のスパンで準備するのが実務的です。
3-5. 返済計画の月額目安と生活費の見直しポイント
返済の月額は個々の再生計画によりますが、原則として収入に対する返済可能額を基に計算されます。実務上のチェックポイント:
- 家族構成・扶養人数を踏まえた最低生活費の確保
- 固定費(家賃・保険・通信費)の削減余地の検討
- 追加収入源(副業・手当)の見込みを現実的に評価
例えば、月収25万円の単身者と世帯収入30万円の世帯とでは回せる返済額が大きく変わります。再生計画では最低生活費を確保した上で、現実的に返済できる額を示すことが重要です。
3-6. 3回目の場合の費用負担を抑える工夫と留意点
費用を抑える方法としては:
- 法テラス等の公的支援をまず確認する
- 弁護士の費用について分割払いの交渉や減額交渉を行う
- 不要な書類取り寄せや手数料を見直す
- 早めに準備して追加資料の差し戻しを減らす(事務コストの低減)
ただし費用を削りすぎて資料不備や主張不足になると、認可が得られないリスクが高まるため、費用削減は「必要最低限のクオリティを保つ」範囲で行ってください。
4. ケーススタディと専門家の役割
ここでは具体的な事例を交え、3回目の申立てでどのようなポイントが重要かを示します。事例は実名ではなく代表的なケースを整理していますが、実務でよくあるパターンに基づいています。
4-1. ケースA:40代・自営業者の道のりとポイント
事例概要:40代男性、自営業。過去2回個人再生を行い、売上低下と医療費が重なり再び債務超過に。住宅ローンあり。
ポイントと対応:
- 事業の収入回復見込みを具体的に示す(受注確度の高い契約や顧客リスト)
- 医療費等の一時的要因であれば、保険給付や治療完了後の回復予測を示す
- 住宅は維持するため、住宅ローンの支払い計画と再生後の生活費を詳細に作成
- 債権者に対して、今回の再度の救済が長期的に回収につながる合理性を説明
実務的には、事業計画書、過去の確定申告書、医療明細など具体的な証拠を揃えることが承認の鍵でした。
4-2. ケースB:30代・会社員の再出発ケース
事例概要:30代女性、正社員。過去2回の個人再生を経験。今回は家族の借金連帯保証が原因で負債拡大。
ポイントと対応:
- 連帯保証の事情を明確にし、家族側の責任分(可能なら債務の帰属関係)を整理
- 会社員としての収入は安定しているため、給与明細や在職証明を提出して返済原資を示す
- 家族への影響(同居家族の協力)や生活費の見直しを計画に反映
このように、安定収入がある場合は説得力が高く、裁判所も再生計画の実現可能性を評価しやすくなります。
4-3. ケースC:自宅の扱いと住宅ローンの対応
事例概要:50代夫婦、住宅ローン残債あり。過去再生で住宅を維持していたが収入減で再チャレンジ。
ポイントと対応:
- 住宅資金特別条項を使う条件を満たすか確認(住宅ローンは計画対象外だが支払い能力を示す)
- 自宅評価(不動産鑑定や固定資産税評価)を用意して、担保の価値と返済負担のバランスを示す
- 売却を前提にした代替案も用意(売却による残債清算と住居再確保プラン)
実務的には、住宅ローン銀行(債権者)との個別交渉が重要で、弁護士が仲介して合意に持ち込むケースが多いです。
4-4. ケースD:法テラス活用の具体的な流れとメリット
事例概要:20代フリーランス、費用が払えないため法テラスで相談→弁護士費用立替を受けて申立て。
ポイントと対応:
- まず法テラスの窓口で収入要件を確認し、一次相談を受ける
- 条件を満たせば費用立替や無料相談を使って弁護士と連携
- 立替後は将来の返済計画に弁護士費用返済を組み込む
メリットは初期相談のハードルが下がること、弁護士費用を後回しにして手続きを進められることです。ただし立替は返済義務が発生するため、計画に含める必要があります。
4-5. 専門家の選び方と依頼の流れ(弁護士・司法書士の使い分け)
選び方のポイント:
- 個人再生の経験が豊富か(過去の認可事例・実績を確認)
- 3回目のような難易度の高い案件を扱った実績があるか
- 料金体系(着手金・報酬・追加料金の明確さ)
- 面談でのコミュニケーションの取りやすさと説明の分かりやすさ
依頼の流れは通常、一次相談→委任契約→資料収集→申立て→裁判所対応、という流れです。3回目は特に初期段階での事実整理と説明責任が重要なので、面談での深掘りを厭わない弁護士を選ぶと良いでしょう。
4-6. 裁判所・債権者とのコミュニケーションのコツ
実務上、裁判所と債権者には次の点で配慮します:
- 書面での説明は数字で示す(感情よりもデータ)
- 事前に弁護士を通じた交渉を行い、債権者の懸念を予め吸収する
- 裁判所向けには「再発防止策」を明確に示す(仕事の安定性、家計改革等)
直接のやり取りはリスクがあるので、弁護士を通して行うのが安全です。債権者側も専門家対応を重視するため、プロのサポートを使うことが好印象につながります。
5. よくある質問と実務的な結論
読者が最も気にするポイントをQ&A形式で整理します。実務でよくある疑問と具体的な指針を示します。
5-1. 3回目が通る可能性はどれくらいか
確率を単純に数字で示すことは困難ですが、傾向として「過去2回が正当に履行されていれば通る可能性はある」「過去に不履行が多い場合は厳しい」と言えます。裁判所は「再生計画が実行可能か」「債権者に不当な負担を強いないか」を重視するため、再生計画の説得力がカギです。実務では綿密な資料で説明できれば認可される事例も存在します。
(実務アドバイス)可能性を高めるため、過去の不履行原因を客観的に整理し、再発防止策を示してください。
5-2. 3回目が難しい場合の代替案(他の債務整理手段)
代替案は次の通りです:
- 任意整理:債権者と個別交渉し、利息カットや分割条件を変更する。裁判所を介さないため債権者の合意が必要。
- 破産(自己破産):債務を免責してもらう方法。財産を処分することになるが、返済義務がなくなる場合がある。
- 個別の債務見直し(リスケジュール):金融機関との個別交渉で支払猶予や返済延長をはかる。
それぞれメリット・デメリットがあるため、弁護士と具体的に検討してください。特に住宅を残したい場合は個人再生が有利ですが、3回目で通らなければ破産も検討対象になります。
5-3. 収入要件の目安と安定性の判断基準
個人再生に明確な最低収入の法定基準はありませんが、裁判所は「再生計画を履行できるだけの安定した収入」を重視します。評価材料は給与明細、雇用契約、確定申告書、継続的な契約書(フリーランスの場合)などです。臨時収入や一時的補填に頼ると不安定と評価されやすいので、できるだけ継続的・恒常的な収入の裏付けを用意してください。
5-4. 自宅の保全と売却リスクの判断ポイント
自宅を残すべきか売るべきかは、次の点で判断します:
- 住宅を残した場合の月々の支払負担と再生計画の整合性
- 自宅の市場価値と負債残高の差(売却しても残債があるか)
- 家族の生活基盤(通学・通勤等)と売却の社会的影響
ケースによっては、短期的には自宅を維持するよりも売却して残債を減らし再出発した方が長期的には安定する場合があります。弁護士と市場価格を確認して冷静に判断してください。
5-5. 家族への影響と協力の取り方
家族の協力は非常に重要です。実務上のポイント:
- 家計の見直しを家族で共有し、協力体制を整える
- 連帯保証人がいる場合は事前に話し合い、法的な影響を確認する
- 家族が申立てに巻き込まれる(戸籍・住民票・家族の収入等の情報提供が必要になること)点を説明し、合意を得る
開示情報が増えることに抵抗がある家族もいますが、申立ての成功のためには透明性と協力が不可欠です。
5-6. 次の一歩をどう踏み出すべきかの実務的ガイド
実務的に何をすべきか、順序立てて示します:
1. 現状の負債と収入を一覧化する(債権者・残高・利率・返済期日)
2. 法テラスで一次相談を受ける(費用支援の可否を確認)
3. 個人再生の経験ある弁護士と面談し、方針を決定する
4. 必要書類を揃え、再生計画の試算を作る
5. 申立て→裁判所審理→再生計画認可の手順を進める
最初の無料相談で方向性が見えます。迷ったらまず法テラスか弁護士の初回相談を活用しましょう。
まとめ:実務的な要点の整理と現実的な勧め
最後に重要なポイントを簡潔に整理します。
- 法律上は「3回目だから絶対にダメ」という明文規定はありませんが、審査は非常に厳しくなります。過去の履行状況や再発防止策の提示が鍵になります。
- 申立て準備(収支表、確定申告、不動産評価、過去の手続履歴)は早めに始めること。追加資料を求められることが増えるため、余裕を持ったスケジュールを。
- 弁護士を使った方が成功確率は上がる(特に3回目は法的主張・交渉が重要)。
- 費用は弁護士報酬+実費で数十万円〜のレンジ。法テラスの支援を検討すれば初期負担を抑えられる可能性あり。
- 自宅を残すか売るかはケースバイケース。住宅ローン特則を使う場合でも支払能力の裏付けが必要。
私見として一言:過去に2回再生を受けた方は「同じ失敗を繰り返さないこと」を説明できるかが勝負です。過去の原因分析と、現状の現金収支の裏付け、そして家族や職場の協力体制を固めることが、3回目成功の最大の近道になります。
よくある質問(追加)
- Q. 申立てをすると信用情報はどうなる?
A. 個人再生は信用情報機関に登録されるため、新たな借入は難しくなります。これは再生の目的が再建であるため、当面のクレジット利用制限は避けられません。
- Q. 弁護士費用の支払いが難しい場合は?
A. 法テラスの費用立替や分割払いを検討。弁護士事務所によっては分割や後払いの相談に応じるところもあります。
- Q. 過去の裁判所決定を持っている場合の活用方法は?
A. 過去の決定書や履行状況は、申立て時に重要な資料になります。なぜ履行できなかったかを説明する証拠として用いるため、必ず保管して弁護士に提示してください。
以上を読んで「まず何をすべきか」迷っているなら、次のアクションはこれです:債務一覧をExcel等で作り、法テラスまたは個人再生経験のある弁護士の初回相談を予約してください。早めの行動が選択肢を広げます。
個人再生 住宅ローン 巻き戻しをわかりやすく解説:手続き・条件・銀行別対応まで完全ガイド
出典(この記事で参照・根拠とした主な資料)
- 民事再生法(法令本文)
- 日本司法支援センター(法テラス)公式資料(支援制度・費用立替の案内)
- 各地裁(例:東京地方裁判所)の個人再生に関する手続案内・実務要領
- 日弁連や主要法律事務所が公開する個人再生の実務解説(弁護士報酬の相場や手続の流れ等)
- 不動産評価に関する国税庁の固定資産税評価に関する説明資料
(出典・参考リンクは上記の公的機関・専門機関の公開情報に基づいています。具体的な法解釈や個別事案の判断は、必ず弁護士等の専門家に相談してください。)