個人再生 オーバーローンを解消する方法:住宅ローンが残っても生活再建できる手続きと実例ガイド

個人再生で失敗しないために※必読ガイド-債務整理の前に-

個人再生 オーバーローンを解消する方法:住宅ローンが残っても生活再建できる手続きと実例ガイド

債務整理弁護士事務所写真

この記事を読むことで分かるメリットと結論

結論を先に言うと、オーバーローン(住宅の評価額よりローン残高が多い状態)でも、個人再生は「家を残しつつその他の借金を大幅に減らして返済する道」を提供してくれます。ただし、住宅ローンの扱いや再生計画の組み方は複雑で、ケースによっては家を手放したほうが得策になることもあります。本記事では、個人再生の基本、オーバーローン時の実務上の扱い、手続きの流れと必要書類、費用目安、具体的な再建ストーリー(実例)まで、弁護士や裁判所の公的情報を基に、分かりやすくまとめました。この記事を読めば「自分の選択肢」と「次に取るべき行動」が明確になります。



1. 個人再生とオーバーローンの基本を知る — まずは土台を固めよう

個人再生(民事再生法に基づく手続き)は、生活再建を目的とした「債務整理」の一つです。任意整理や自己破産と比べると、以下の特徴があります。

- 個人再生の特徴(簡単に)
- 原則として住宅ローンを除く無担保債権(カードローン、消費者金融、無担保の借入など)を大幅に圧縮できる。
- 再生計画に基づき、原則3年(事情によって最長5年)で分割償還する。
- 住宅を手放さずに手続きできる「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」が利用できる場合がある。
- 一方で、継続的に安定した収入があることが前提条件の一つになる(給与所得者等再生の要件など)。

1-1. オーバーローンとは何か?現実の症状と兆候
オーバーローンは「ローン残高 > その住宅の市場価値」になっている状態です。見た目の症状はこうです。

- 毎月のローン返済負担が重い
- 住宅を売却してもローン残高を完済できない
- 借換えや借り換え審査が通りにくい
- 家計のやりくりが破綻し、他の借金が増えている

オーバーローンはリストラ、収入減、事業の失敗、医療費の増加などで急に発生することがあります。

1-2. 個人再生の基本的仕組みと他の債務整理との違い
- 任意整理:債権者と交渉して利息カット・分割にする私的交渉。裁判所を通さない。
- 自己破産:裁判所で免責が認められれば借金のほとんどが免除される。ただし住宅や一定資産は処分される可能性が高い。
- 個人再生:一定の条件下で借金を減額し、再生計画に従って返済。住宅を維持できる可能性がある点が最大のメリット。

1-3. オーバーローンが生じやすいケース
主なトリガーは以下の通りです。

- 収入の急減(リストラ、病気、開業失敗)
- 住宅購入後に価格が下落(市場環境の悪化)
- 追加借入(リフォームや生活費で住宅ローン以外の借入が重なる)
- 金利上昇や返済方式の変更で負担が増えるケース

1-4. 個人再生の適用条件(ざっくり)
重要なポイントは「安定した収入があるか」「再生計画で最低弁済額を確保できるか」です。給与所得者等再生だと定期的な給与があることが強く求められます。詳細な要件はケースで変わるため、早めに専門家(弁護士・司法書士)へ相談するのが得策です。

1-5. 住宅ローンがある場合の扱いと注意点(オーバーローン時)
住宅ローンを抱えている場合、選択肢は大きく分けて2つです。

- 住宅ローン特則を使って「家を残す」:住宅ローンは従来どおり継続して支払い、その他の無担保債務を個人再生で圧縮する方法。オーバーローンの場合、担保価値を超える部分(いわゆる“不足分”)の扱いがポイントになります。状況により、差額部分を一般債権として扱うことが可能な場合がありますが、債権者との調整や裁判所判断が関わります。
- 家を売却・抵当権を外して債務処理する:売却しても債務が残る場合は「不足分」が別途残ることになり、その不足分を個人再生で整理することが選択肢の一つです(ただし実務は裁判所の判断と債権者対応に依存します)。

1-6. よくある誤解とリスク
- 「個人再生で全部がゼロになる」:×(無担保債務は大幅に減るが全額免除にはならない)
- 「住宅ローンは自動で減る」:×(住宅資金特則を利用してもローン自体を減らせるわけではない。ローンを残して家を維持するか、売却して整理するかの選択になる)
- 信用情報の影響は残る(回復には時間がかかる)

2. 手続きの流れと費用を把握する — ステップを知れば不安が減る

ここでは手続きの流れ、必要書類、費用の目安、期間感を具体的に説明します。できるだけ「やること」が見える形で書きます。

2-1. 専門家へ相談する最適なタイミング
- 返済が2〜3か月滞り始めた段階で相談するのが理想です。債権者との交渉余地や、預金・資産の保全、住宅ローンの対応策を早めに立てられます。
- 法テラス(日本司法支援センター)や日弁連の法律相談窓口で初期相談を受けることも可能です(条件により無料相談または収入に応じた援助あり)。

2-2. 申立てに要る書類と準備のコツ
一般的な必要書類(代表的な例):
- 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
- 住民票、家族構成がわかる書類
- 給与明細・源泉徴収票(直近数か月〜1年分)
- 住宅ローン残高証明(金融機関発行)
- 借入一覧(主な債権者の残高が分かるもの)
- 預金通帳の写し・公共料金の領収書など生活費の証拠
- 税金の領収証や確定申告書(自営業者の場合)

準備のコツ:
- 内容は正確に、最新のものを揃えること。
- 住宅に関する書類(登記簿謄本、固定資産税評価額)を揃えるとオーバーローンの状況が明確になります。
- 債権者からの取引履歴などを早めに取り寄せる。

2-3. 再生計画の作成と裁判所での認可までの流れ
- 相談 → 受任(弁護士が介入する場合) → 書類準備 → 裁判所に申し立て → 再生計画案提出 → 債権者集会や意見聴取 → 裁判所の認可 → 履行(分割返済)という流れが一般的です。
- 裁判所が再生計画を認可すれば、その計画に従い返済を行っていきます。

2-4. どの程度返済額が減るのか、目安の見方
減額幅は個別の状況によりますが、無担保債権については「数十%〜数分の一」程度に減ることが珍しくありません。実際の目安としては、総債務のうち住宅ローン以外の部分が数百万円ある場合、月々の負担は大きく軽くなるケースが多いです。ただし再生計画では「最低弁済額」を確保する必要があり、最終的な金額は裁判所の判断や債権者の配当状況によります。

2-5. 弁護士費用・司法書士費用の相場と費用例
- 弁護士費用の目安(一般的な相場):おおむね30万〜60万円程度(着手金+成功報酬+実費)。ケースの複雑さや債権者数により増減します。
- 司法書士は代理権の範囲が限られるため、個人再生では弁護士に依頼することが多いです。
- 裁判所へ支払う実費(収入印紙、郵便代、登記関係の手数料等)も別途必要です。
- 法テラスを利用すると収入に応じた民事法律扶助の対象になる場合があります。

2-6. 手続き完了までの期間感と進捗管理のコツ
- 期間感:相談から再生計画が確定するまで概ね4〜9か月程度が一般的。ただし事案によっては1年以上かかることもあります。再生計画の履行期間は原則3年で、最長5年に延ばせることがあります。
- 進捗管理のコツ:弁護士と定期連絡、必要書類の早期準備、金融機関に対する対応の委任(弁護士に委任状を出す)を行うとスムーズです。

3. 住宅ローンがある場合の特例と影響 — 「家を残す」か「手放す」かの判断軸

ここが最大のポイントです。住宅がある場合、生活と感情が絡みますが、数字で判断することが重要です。

3-1. 住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは何か
住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を使うと「住宅ローンは従来どおり支払い続ける」ことを前提に、その他の無担保債権について再生計画を立てることができます。結果として、家を手放さずにその他の借金を減らすことが可能です。ただし、住宅ローン自体の元金や利息は原則として個人再生の対象外で、ローンは継続して支払う必要がある点に注意してください。

3-2. ローンの扱いと再生計画の組み方(オーバーローン時の注意)
オーバーローンの場合のよくある実務処理:
- 抵当権の範囲を超える部分(オーバーローンの差額)は、場合によっては一般無担保債権として扱われて個人再生の対象になり得ます。
- ただし担保権者(銀行等)が特定の主張をする場合や、担保物件の評価の争いが発生することもあります。裁判所での評価や専門家の不動産鑑定が必要になるケースもあります。
- 実務上は「住宅を残すメリット」と「残した場合の毎月の返済負担」を比較し、家計再建可能性を検討します。

3-3. 返済額の目安と家計の再設計ポイント
- 個人再生後は、再生計画に基づく毎月の返済が中心となります。ローンを残す場合は住宅ローンの毎月返済額も生活費に組み込む必要があります。
- 家計再設計のポイント:固定費(保険料、通信費、光熱費)を見直し、収入増や節約で月々のキャッシュフローを改善すること。公的支援や税控除、住宅ローンの金利見直し(条件が合えば)も検討します。

3-4. ブラックリスト/信用情報への影響と回復の見通し
- 個人再生は信用情報機関に登録され、クレジットやローンの利用制限が出ます。一般に信用情報への記録は5〜10年程度残るとされ、詳細は信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターなど)が規定しています。
- 回復の道:記録は残るが、履行を続けることで金融機関の評価は徐々に戻ってきます。生活再建後に小口の返済実績を積むことも有効です。

3-5. 実務上の注意点と成功のポイント(返済の継続性を保つコツ)
- 再生計画確定後も継続して返済できるかを現実的に見積もる。ミスは再度の債務問題につながります。
- ローン返済の滞納が続くと抵当権実行(競売)に至るリスクがあるため、住宅を残す場合は住宅ローンの支払いを最優先に考える。
- 債権者とのコミュニケーション、弁護士選びが成功の鍵。経験豊富な弁護士は銀行との交渉・裁判所対応がスムーズです。

3-6. 専門家の選び方と相談先の実名例
- 相談先(実名):
- 法テラス(日本司法支援センター)
- 日本弁護士連合会(日弁連)
- 日本司法書士会連合会
- 各地の地方裁判所の再生手続案内
- 弁護士を選ぶポイント:
- 個人再生の取り扱い実績(過去の案件数や経験年数)
- 住宅ローン特則に関する実務経験
- 費用の明朗さ(見積りの内訳を明示してくれるか)
- 初回相談時の説明のわかりやすさと信頼感

4. 実践ガイド:オーバーローン状態からの再建ストーリー — ケースで学ぶ具体策

ここでは想定ケースを挙げ、数字を使って解説します。実名の金融機関名や公的機関を出して、現実に即した判断を提示します。

4-1. ケーススタディ1:30代会社員(住宅ローンあり)のケースと再生計画
状況:
- 住宅ローン残高:4,000万円(変動金利、毎月返済12万円)
- 住宅評価額(市場想定):3,000万円(オーバーローン)
- 無担保の借入(カード・消費者金融など):計600万円
- 家族:共働き(配偶者の収入あり)、子ども1人

選択肢の比較:
A. 住宅を残して個人再生(住宅ローン特則を利用)
- 無担保の600万円が大幅圧縮され、月々の返済は約2〜3万円台に減る可能性(再生計画により変動)。
- ただし住宅ローン12万円は継続して支払う必要があるため、家計に与える負担は継続する。
B. 売却して不足分(1,000万円)を個人再生で処理
- 売却で3,000万円を確保し、ローンと差額1,000万円が残る。残りの1,000万円は無担保債権として個人再生で整理できる。
- 毎月の合計負担は下がる可能性が高いが、引越し等のコスト・生活変化が発生する。

判断のポイント:家族の生活安定・教育環境・仕事の継続性を考え、どちらが中長期で安定するかを数値シミュレーションする。弁護士と銀行に状況を説明し、売却や債務処理のシミュレーションを行うことが必須。

4-2. ケーススタディ2:自営業者のケースと事業再建の両立
状況:
- 自営業で売上が減少、事業借入300万円、個人保証の借入400万円、住宅ローン2,500万円(評価は2,000万円)
- 税金滞納の可能性あり

ポイント:
- 自営業者は収入の変動が大きく、再生計画の作成にあたって事業計画を詳細に出す必要がある。
- 事業継続の可否を含めた再建プラン(収益改善、経費削減、補助金・給付金の活用)を専門家と作る。

4-3. ケーススタディ3:20代独身・新社会人の信用回復の道
状況:
- 学生時代の奨学金+カードローンで合計300万円
- 就職直後で将来のローン審査が気になる

ポイント:
- 若年層は信用情報の記録が将来の住宅ローンや車のローンに影響するため、個人再生の必要性とタイミングを慎重に検討する。
- 少額であれば任意整理や早期の返済計画で信用への影響を最小化できる場合もある。

4-4. ケーススタディ4:主婦・家計改善と家計の見直し
状況:
- 配偶者が単独でローンを抱え、家計が苦しい。パート収入あり。
- 家計簿を洗い直すと固定費の無駄が多い

ポイント:
- 個人再生は夫婦のどちらが申立人になるかで手続きの形が変わる(連帯債務や連帯保証が絡む場合は注意)。
- 家計改善(通信費、保険の見直し、食品費の工夫)や公的支援の活用も平行して進めることが大切。

4-5. ケーススタディ5:高齢層の再建と将来設計
状況:
- 60代で住宅ローンが残っている。年金と退職金で生活を考える必要あり。

ポイント:
- 高齢層は収入の安定性(年金)や持ち家を残すことの優先度が高い。個人再生の可否や住宅を売却した場合の生活設計を長期視点で検討する。
- 相続への影響も含めて専門家と相談すること。

4-6. 体験談と学んだ教訓
(経験を基に、実務でよく見るポイントをフランクに伝えます)
私も相談現場で「家を残したい。でも収入が追いつかない」と悩む相談者を何度も見てきました。多くの場合、冷静に数字を並べると「家を残すリスクが大きい」ことが分かることがあります。感情で決めると後で苦しくなるので、数年後のシミュレーション(生活費・教育費・万一の時の資金)を必ずやるべきです。弁護士との面談で、私が最も勧めるのは「複数案の比較」。売却案、保持案、任意整理案を並べて、現実的な毎月のキャッシュフローを比較してから意思決定します。

4-7. 専門家の現場の声(弁護士・司法書士の視点)
現場の専門家は次のように言います(要旨):
- 「住宅ローン特則は有用だが、毎月の返済を継続できるかが最優先事項」
- 「オーバーローンの差額処理は銀行との交渉力と不動産評価が鍵」
- 「相談は早めに。手遅れ状態だと選択肢が減る」

4-8. よくある質問集(FAQ)
Q1. オーバーローンでも個人再生で家を残せますか?
A1. 条件次第で可能です。住宅ローンを継続して支払う「住宅ローン特則」を利用することが多いですが、オーバーローンの差額部分の扱いは事案により異なります。専門家へ相談してください。

Q2. 個人再生後、どれくらいで信用が戻りますか?
A2. 信用情報には5〜10年程度の影響があるとされています。履行を続けることで徐々に回復します。

Q3. 弁護士費用はどのくらいかかりますか?
A3. 案件の複雑さで変わりますが、30万〜60万円程度が一般的な目安です。法テラスの利用で費用軽減の可能性があります。

Q4. 手続きに必要な期間は?
A4. 申立てから再生計画の確定まで4〜9か月程度、履行期間は原則3年(最長5年)です。

5. 実務チェックリストと行動プラン — 今すぐできること

ここでは「現時点でやるべきこと」を具体的にリスト化します。

短期(今すぐ)
- 1〜3か月の収支を洗い出す(収入・固定費・変動費)。
- 住宅ローン残高証明・固定資産税評価証明を取り寄せる。
- 弁護士に初回相談(証拠書類を持参)を予約する。
- 債権者からの督促書はすべて保管する(重要書面の写し)。

中期(1〜3か月)
- 弁護士と方針決定(住宅保持 or 売却、個人再生 or 任意整理)。
- 必要書類を整え、裁判所提出用の準備。
- 家計の固定費削減プランを実行(通信費・保険見直しなど)。

長期(裁判所手続き後)
- 再生計画に従った返済を継続する。
- 家計改善を継続し、再建後の貯蓄計画を立てる。
- 信用回復のため、小口ローンの返済実績を積む(無理のない範囲で)。

6. まとめ — 最後に押さえておきたい大事な点

- オーバーローンでも個人再生は有効な手段の一つです。住宅を残すか売るかは数字で冷静に比較すること。
- 早めの専門家相談が成功率を高めます。法テラスや日弁連などの公的窓口も活用しましょう。
- 再生計画は実行できる現実的なものであることが最重要。返済が続かない計画は後のトラブルを招きます。
- 信用情報への影響は避けられませんが、履行を続けることで徐々に回復できます。
- 最も大切なのは「放置しないこと」。問題を先送りにすると選択肢が狭まります。

以上を踏まえて、まずは書類をそろえて専門家に相談することを強くおすすめします。必要なら私の体験に基づくチェックリストをお渡ししますので、まずは現在の収支とローン残高を整理してみてください。

個人再生 3社を徹底比較|費用・期間・住宅ローン特則で選ぶ最適な事務所の見つけ方
出典(参考にした公的・信頼情報)
- 裁判所「個人再生手続に関する解説」および各地方裁判所の案内
- 法務省の民事再生法に関する解説文書
- 法テラス(日本司法支援センター)の債務整理・法律相談案内
- 日本弁護士連合会(日弁連)の弁護士検索・相談情報
- 全国銀行個人信用情報センター(JBA系)・CIC・JICC の信用情報に関する説明ページ
- 主要銀行(例:三菱UFJ銀行、みずほ銀行)の住宅ローンに関する一般的な案内ページ

(注)本記事は一般的な解説を目的としています。具体的な手続きの可否や金額・認可の見通しは個別事情により大きく異なります。実際の手続き・判断は弁護士等の専門家に相談してください。

個人再生とは?申立て方法・住宅資金特例・費用までわかる実務ガイド