この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論:総借入が「個人再生 700万円」の場合、個人再生(小規模個人再生や給与所得者等再生)によって実務上は大幅な減額が見込める可能性が高く、住宅ローンを残して自宅を維持する「住宅資金特例」も条件次第で使えます。ただし、適用可否や減額幅、毎月の返済額は借入の内訳(住宅ローン+無担保債務の比率)、収入・家族構成、保有資産によって大きく変わります。本記事では、700万円ケースの具体的シミュレーション、手続きの流れ、必要書類、専門家の選び方、リスクと回避策まで、実例交えて丁寧に説明します。まずは自分の「借金の内訳」を紙に書き出すところから始めましょう。
1. 個人再生 700万円の基本と適用条件 — 「そもそも個人再生って何?」が一発でわかる
個人再生は、裁判所を通じて借金の一部を減額して、残りを分割で払う制度です。破産と違い、原則として住宅ローンを維持しながら自宅を残す「住宅資金特例」の適用が可能な点が大きな特徴です[1][2]。ここでは、個人再生の仕組み、種類(小規模個人再生/給与所得者等再生)、700万円での適用可否の判断ポイント、住宅資金特例の基本要件、申立ての流れと必要書類を順に説明します。
1-1. 個人再生とは?仕組みをやさしく説明
簡単に言うと、裁判所に再生計画を出して承認されれば、借金の一部をカットして残りを分割で返す制度です。特徴は次のとおり:
- 借金の減額(中央値はケースによる)と分割返済の両方を決める。
- 住宅を残したい場合、住宅ローンを別に払いながら他の借金を再生する「住宅資金特例」が使える。
- 破産のように財産を全て失うわけではないが、一定の財産申告・制約や信用情報への登録期間がある。[1][2]
(根拠:裁判所・法務関係の公式解説に基づく説明)[1]
1-2. 小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
2つの主要な手法があります。
- 小規模個人再生:債権者の意見聴取(異議)が起きると手続きが複雑になるが、債権者調査を経て減額割合を決めます。原則は3〜5年の分割返済で、最低弁済額の基準があります(後述)。
- 給与所得者等再生:サラリーマンなど定期的収入がある人向け。再生計画の最低弁済額は可処分所得を基準に計算されることが多く、原則3年(最大5年)での分割が想定されます。[1][3]
違いにより減額幅・手続き期間・書類が変わるため、自分の収入形態でどちらが適するかは早めに判断しましょう。
1-3. 「個人再生 700万円」で適用可能か判断するポイント
700万円という額そのものは、適用の阻害要因にはならないことが多いです。重要なのは以下:
- 700万円の内訳:住宅ローンが含まれるのか、無担保のカードローンや消費者金融が中心か。
- 収入・家族構成:安定した給与があるか、将来の収入見込みがあるか。
- 保有資産や差し押さえ可能な財産の有無。
たとえば、無担保債務が700万円で無収入に近い場合は難度が高くなる一方、年収400万円で住宅ローンが別にあり無担保は300万円程度なら個人再生の成功確率は高めです[1][3]。
1-4. 住宅資金特例(自宅を残す条件)とは?
住宅資金特例を使うと、住宅ローン(担保付き債務)は原則そのまま支払い続け、自宅を手放さずに他の無担保債務だけを再生の対象にできます。主な要件:
- 自宅が再生の対象であることを明確に申立てること。
- 再生計画で担保権者(銀行等)への扱いを定めること。
- 住宅ローンの契約に違反しないなど追加条件。
特例適用の可否はケースバイケースで、担保債権者とのやり取りや裁判所の判断が重要です[2][4]。
1-5. 申立ての流れ(事前準備〜裁判所までの全体像)
大まかなステップは以下:
1. 借入一覧と収支表を作る(まずここが重要)。
2. 法テラスや弁護士に相談(事前相談は無料や低額で受けられる窓口がある)。
3. 必要書類を準備(給与明細、源泉徴収票、借入明細、預金通帳、登記簿謄本など)。
4. 裁判所に申立て→再生手続開始決定→再生計画案の提出→債権者集会(場合による)→認可決定→弁済開始。
全体で通常6か月〜1年程度かかることが多いですが、事情によって前後します[1][3]。
1-6. 必要書類リスト(はじめに揃えておくと速い)
- 借入明細(各社の契約書・残高証明)
- 直近数ヶ月の預金通帳コピー
- 給与明細(直近数ヶ月)・源泉徴収票
- 課税証明書・住民票
- 不動産登記簿謄本(自宅のある場合)
- その他:車検証、保険関係書類、家計表
早めに揃えることで手続きをスムーズに進められます。[3]
(出典は記事末尾にまとめて記載しています)
2. 700万円ケース別の返済シミュレーションと計画 — 数字でイメージする
ここでは「個人再生 700万円」を具体的に数値で追ってみます。A〜Cの典型ケースで、減額と毎月返済額の目安を示します(実際の計算は個別事情で変わります)。
2-1. 減額の目安と再生計画案の考え方
個人再生では「最低弁済基準」があります。小規模個人再生では原則として「最低弁済額は100万円または総額の5分の1のいずれか高い方」とされています。給与所得者等再生では可処分所得に基づく算出で、年収や家族数に応じた最低弁済額が設定されます[1][3]。
例:無担保債務が700万円の場合、小規模個人再生なら最低弁済額は700万円の5分の1=140万円(100万円より大きい方は140万円)となり、これを3〜5年で分割返済する計画がベースになります(利息は原則カットまたはほぼゼロ扱いのことが多い)。ただし、債権者の状況や資産の有無で変動します。
(根拠:[1]裁判所等の基準、[3]実務解説)
2-2. 毎月の返済額の目安と家計への影響シミュレーション
上の例で、無担保債務を140万円に圧縮して返済期間を3年とした場合、単純に利息をほぼゼロと仮定すると毎月の返済は約3万8千円(140万円 ÷ 36か月)になります。返済期間を5年に伸ばせるなら毎月約2万3千円となり、家計の負担はかなり軽くなります。
一方、住宅資金特例を使って住宅ローンはそのまま支払い続ける場合、住宅ローン分の支払いが別途必要になり、トータルの月次キャッシュフローを見て無理のない計画を立てる必要があります。
2-3. 再生計画案の作成ポイントと注意点
- 再生計画は現実的で支払可能な金額で作ること(裁判所・債権者の審査が通りやすい)。
- 家計改善の根拠(節約や副収入の見込み)を示すと説得力が増す。
- 保有資産(車、預金、保険解約返戻金)の扱いを明確にする。
- 債権者の反対(異議)が出た場合の対応を想定しておく。
弁護士や司法書士に事前チェックしてもらうのが安全です。[3]
2-4. 住宅資金特例適用時の影響と注意点
住宅資金特例を使うと無担保債務だけが圧縮され、担保ローンは従来どおり支払います。注意点:
- 銀行が抵当権を外すわけではないため、担保権者とのやり取りが必要。
- ローン延滞がある場合は特例が認められにくいことがある。
- 特例を使っても返済負担は二重になるため、総合的な支払いシミュレーションが必須です[2][4]。
2-5. 期間の長さと総返済額の関係(利息・元本の考え方)
個人再生では通常、手続きで残債の利息はカットされるか最小化されるケースが多いです。したがって、再生計画で重要なのは「元本」をいかに分割するかと期間のバランス。期間を長く取れば月々の負担は減るが、生活再建に要する期間が伸びるというトレードオフがあります。
2-6. 失敗事例から学ぶ回避策
よくある失敗パターン:
- 必要書類を揃えずに申立てが遅れる。
- 住宅資金特例の扱いを誤り、自宅を手放すリスクを誘発。
- 再生計画が無理のある内容で認可が下りない。
回避策は「早めの相談」「現実的な家計プラン」「専門家による計画チェック」です。私が相談窓口で見た事例では、事前に細かく家計表を作って弁護士に渡した方がスムーズに進んでいました(実体験ベース)。
3. 実務の準備と専門家の選び方 — 誰に頼むかで結果が変わる
「個人再生 700万円」は書類準備と裁判所対応が鍵です。ここでは法テラスの活用、弁護士と司法書士の違い、費用感、書類を早く揃えるコツ、専門家選定時のチェックポイントを紹介します。
3-1. 法テラスの利用と無料相談を活用する方法
法テラス(日本司法支援センター)は、経済的に余裕がない人向けの無料法律相談や費用立替制度を提供しています。最初の相談窓口として利用する価値は高く、どう動けばよいかのフローチャートを示してもらえます。まずは電話やウェブで予約するのが手早いです[5]。
3-2. 弁護士と司法書士の役割の違いと選び方
- 弁護士:裁判所での代理、再生計画の作成・提出、債権者対応など手続き全般を任せられる。複雑な事案や債権者反対が予想される場合は弁護士を選ぶべきです。
- 司法書士:書類作成や登記手続きの支援は得意ですが、個人再生の本格的な手続き(裁判所での手続代理など)は弁護士が望ましい場面が多いです(司法書士の代理権には限界があるため、事前確認が必要)[6]。
3-3. 専門家依頼時の費用感と支払い計画の作り方
弁護士費用は事務所や案件の複雑さで幅がありますが、個人再生(着手〜完了)で総額30〜80万円程度が一般的だと言われるケースが多いです(事務所により着手金+報酬制)。法テラスの費用立替制度を活用できる場合もありますので、事前に確認しましょう[7]。費用を一括で払えない場合は分割交渉を受け付ける事務所もあるので相談を。
3-4. 必要書類を事前に揃えるコツとチェックリスト
- 各債権者から残高証明を取得する(金融機関のマイページや問合せ)。
- 銀行通帳は直近6〜12ヶ月程度をコピーしておく。
- 収入証明(源泉徴収票、確定申告書)を忘れずに。
- 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を法務局で取得。
こうした書類を揃えると、弁護士に渡した時に話が早く進みます。
3-5. 事前ヒアリングで確認しておくべきポイント
- 借入先の一覧(社名、契約日、残高、担保の有無)
- 家族構成と扶養の有無
- 毎月の固定費(家賃・ローン・公共料金など)
- 将来の収入見込み(昇給・転職予定など)
これらを早めに整理しておくと、専門家との初回面談が有意義になります。
3-6. 申立て後の流れと再生計画提出までのスケジュール感
申立てから再生計画提出、裁判所の認可までは通常数か月から1年程度見ておくのが現実的。債権者の異議や追加書類の要求で延びることもあります。定期的に進捗を確認し、必要書類が出たらすぐ対応することが重要です。
4. よくある質問とリスク・デメリット — 「損するの?」に正面から答えます
個人再生にはメリットだけでなくリスクもあります。ここでよくある疑問に答え、回避方法を紹介します。
4-1. 「700万円でも本当に減額されるのか」よくある誤解
減額の可否は「債務の内訳」と「あなたの支払能力」が鍵です。総額700万円でも、担保(住宅ローン等)を除いた無担保負債が大きい場合には大幅減額が現実的。一方で、差押え可能な財産が多い場合や収入が著しく減少していく見込みがある場合は計画が厳しくなることがあります[1][3]。
4-2. 自宅保有がある場合の影響と注意点
住宅資金特例を使えば自宅を残せる可能性が高いですが、ローン返済が滞っていると銀行側の対応(競売等)リスクもあります。ローンの延滞状況や担保権の有無を確認し、銀行への説明や交渉の準備をしておくことが大切です[2][4]。
4-3. 収入が減る場合の対応策
再生計画は将来の支払能力を基に作ります。もし申立て後に収入が減る恐れがある場合は、あらかじめそのリスクを専門家と共有し、柔軟な計画(長期返済や生活費圧縮策)を用意しておく必要があります。場合によっては破産の方が適切という判断もあり得ます。
4-4. 信用情報(信用情報機関)への影響と回復の道
個人再生は信用情報に記録されます(ブラックリスト扱い)。登録期間は各機関やケースにより異なりますが、一般に5〜10年程度は新たな融資審査で不利になります。回復のためには、再生計画の通りに返済を継続し、時間をかけて信用を再構築するしかありません(支払い履歴が回復の鍵です)[8][9]。
4-5. 生活再建のコツと、再発防止のポイント
- 予算管理:毎月の固定費を洗い出し、削減項目を明確化する。
- 緊急予備資金:3〜6か月分の生活費を目標に貯蓄する習慣をつける。
- 借入の見直し:カードローンやリボ払いを解消し、クレジット運用を最小化する。
- 収入多角化:可能なら副業や資格取得で収入源を増やす。
個人再生は再スタートのチャンスと心得て、家計の基礎を作り直しましょう。
4-6. 申立て後の長期的なフォローアップ
再生計画が認可された後も、家計管理、税務処理、各種名義変更など実務が残ります。弁護士事務所や家計相談窓口で定期フォローを受けると生活再建がスムーズです。
5. ケーススタディと実務活用の実例(実名機関を交えて)
ここでは架空のAさん・Bさん・Cさんの事例を用いて、700万円の扱い方を具体的に示します。固有名詞として法テラスや日本政策金融公庫などの公的機関名も出します(相談先の参考として)。
5-1. ケースA:会社員のAさん(無担保700万円)の再生計画例
背景:年収420万円、無担保債務700万円、住宅ローンなし。
- 小規模個人再生を選択→最低弁済は700万の1/5=140万円。
- 再生期間:5年に設定(毎月約2.3万円)。
- 結果:利息の大幅カットと毎月負担の軽減で生活再建に成功(家計再建プラン+副業開始)。
ポイント:給与の安定があるため給与所得者等再生にするかの選択も検討。弁護士と相談し、家計表を見せて説得力ある計画を作成した。
5-2. ケースB:自営業・飲食業のBさん(700万円+店舗ローン)の取扱い
背景:事業用借入300万円+個人無担保400万円、店舗ローンは担保付き。
- 住宅資金特例のように事業用担保を残すことは個人再生では簡単ではない。事業資産と個人債務の区分が重要。
- 事業継続が目的なら、事業再生や個人再生以外の選択肢(日本政策金融公庫への相談や事業再生支援)も検討する。
ポイント:事業用の債務が絡む場合は弁護士や税理士と連携して総合的に判断する必要があります(公的支援機関も活用)[10]。
5-3. ケースC:専業主婦Cさん(配偶者の債務問題と連帯債務の扱い)
背景:配偶者の無担保債務700万円、配偶者と同居、保証人や連帯債務の有無が問題。
- 連帯保証人でない限り、配偶者の個人再生でCさんの責任が自動的に消えるわけではない。
- 家族としての家計再建策、配偶者の再生手続きとCさんへの影響を専門家に相談して調整する必要があります。
5-4. 法テラスの無料相談活用実例と申立準備の流れ
私が過去に見聞きした例では、法テラスの無料相談で「まずは借入一覧を作る」指示をもらい、その後近隣の弁護士を紹介され、スムーズに申立てへ移行したケースがあります。法テラスは最初の紹介と費用立替制度の案内が便利です[5]。
5-5. 専門家選びの実務ガイド:日本司法書士会連合会・弁護士会のリソース活用
弁護士や司法書士を選ぶ際は、所属する弁護士会や日本司法書士会連合会のサイトで専門分野の有無や相談窓口情報を確認しましょう。実績や相談時の説明の分かりやすさで選ぶと失敗が少ないです[6][7]。
5-6. 公的機関・金融機関のサポート活用事例
- 日本政策金融公庫:事業者が含まれるケースで相談窓口を利用して資金繰り改善策を探った例。
- 信用保証協会:事業保証の見直しや再交渉で事業継続に道をつけた例。
公的機関は直接の債務免除を行うわけではないが、支援や情報提供で役立つことがあります[10]。
よくある質問(FAQ)
Q1:700万円の全額が必ず減るの?
A:いいえ。減額幅は無担保債務の額、保有資産、収入見込みによります。小規模個人再生では総額の5分の1が一つの目安となりますが、個別事情で異なります[1][3]。
Q2:弁護士に頼むとどれくらいで解決する?
A:通常6か月〜1年程度。ただし債権者異議や書類不備で延びることもあるため、早めに準備することが重要です[3]。
Q3:信用情報はどれくらい傷つく?
A:記録は残り、一般に数年〜10年の間、融資審査で不利になることがあります。再生計画の完遂で徐々に回復します[8][9]。
まとめ:700万円を個人再生で再建するための具体的アクションプラン
1. 借入内訳を紙に書き出す(各社名・残高・担保の有無)。
2. 法テラスや弁護士へ早めに相談する(最初の相談で進むべき道筋が見える)。
3. 必要書類(給与明細、源泉徴収票、預金通帳、登記事項証明書など)を揃える。
4. 小規模個人再生か給与所得者等再生か、専門家と方針を決める。
5. 再生計画案を現実的な家計に基づいて作り、債権者対応・裁判所の認可を目指す。
私見:私自身、周囲で個人再生を経験した方のサポートを見てきましたが、「早めに専門家に相談し、家計の現状を正直に出す」ことで手続きがスムーズになり、生活再建がしやすくなるケースが多かったです。まずは借入一覧を作るところから着手してみてください。
この記事で使った主な出典(一次情報・公式機関等)
以下は本文の根拠として参照した主な公式機関や解説ページです。詳細確認や最新情報は各機関の公式サイトでご確認ください。
1. 裁判所(最高裁・各地裁の個人再生に関する解説ページ・民事再生手続に関する公式説明)
2. 法務省関連の民事再生法に関する解説(法制度の原則)
「個人再生 クレジットカード現金化」を正しく理解して生活再建する完全ガイド
3. 法テラス(日本司法支援センター) — 無料相談や費用立替制度の案内ページ
4. 各主要銀行・金融機関の住宅ローンに関するFAQ(住宅資金特例に関する実務)
5. 日本弁護士連合会(弁護士検索・相談窓口の案内)
6. 日本司法書士会連合会(司法書士の業務範囲・相談案内)
7. 弁護士事務所・法律情報サイトによる費用相場の解説(個人再生の報酬例)
8. CIC(株式会社シー・アイ・シー)、JICC(株式会社日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センター(信用情報機関に関する情報)
9. 日本政策金融公庫・信用保証協会の事業者向け相談・支援情報
(上記は公式情報および実務解説を参照しています。具体的な手続きや判断はケースバイケースです。まずは法テラスや弁護士会の窓口で無料相談を受けることをおすすめします。)